大内氏の興亡と西日本社会 の商品レビュー
あれだけ力を持ってきた大内氏がなぜ崩壊したのか?彼らが西日本の各地を刺激し、分裂し、統合へと向かう。それを地域ごとに解説していて分かりやすい。 東の尼子氏への対応を穏便に済ませ、九州に執着する動きに家臣団や従属勢力は不満を募らせるが、文化面は勿論の事、前巻で取り上げられていた貿易...
あれだけ力を持ってきた大内氏がなぜ崩壊したのか?彼らが西日本の各地を刺激し、分裂し、統合へと向かう。それを地域ごとに解説していて分かりやすい。 東の尼子氏への対応を穏便に済ませ、九州に執着する動きに家臣団や従属勢力は不満を募らせるが、文化面は勿論の事、前巻で取り上げられていた貿易の収入が大きいよね。ならば、現地で細川とトラブって火をつけるわ、住民にまで手を出すわ、なんてせずにさ。それ以上に後期倭寇も厄介だが。 それにしても、尼子氏の動きは理解に苦しむ。新たな領土を得ても管理出来ていないのに、東進し上洛を目指す無謀さ。中国地方と畿内地域を結びつけるきっかけとはなるが。七難八苦の名言も光るあの結末ゆえ、後々、悲劇のヒーロー化するが、大内氏と対等に見るのは過大評価過ぎるとの事。 琉球王国や石見銀山にも目を向けている点が興味深かった。江戸時代とは違い、銀山管理は間接支配。ただ、支配者交代時に前任の管理者は腹を切らされたり、大変だ。
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16世紀前半の西日本における戦国争乱の展開を辿り、石見銀山の開発を契機とした東アジア海域の変貌と大内氏の動向との接続を試みる一冊。混迷する各地の状況と、大内氏が及ぼした広範な影響力が印象的。
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16世紀前半の大内氏を中心に分裂から統合へ向かう西日本を周辺を見ていった本になります。 交易史を書いてる貴重な本だと思います。
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『列島の戦国史』の第二回配本。 16世紀の第一四半期から第二四半期にかけての西日本社会の動きについて、分裂・抗争の激化から徐々に統合に向かう過程と捉え、大内氏を主軸に叙述する。 現代の感覚で山口県、福岡県の区分で見てしまうと、大内氏が博多の支配を巡って少弐氏、大友氏と争った原...
『列島の戦国史』の第二回配本。 16世紀の第一四半期から第二四半期にかけての西日本社会の動きについて、分裂・抗争の激化から徐々に統合に向かう過程と捉え、大内氏を主軸に叙述する。 現代の感覚で山口県、福岡県の区分で見てしまうと、大内氏が博多の支配を巡って少弐氏、大友氏と争った原因が良く分からなかったが、朝鮮や明、さらには琉球王国といった東アジア海域における貿易関係の中で見ていく必要があることが理解できた。 室町幕府の有力守護大名が、応仁・文明の乱以降、力を失っていくということは分かっていたが、尼子氏や毛利氏、土佐一条氏その他各地の有力な勢力の具体的な変遷が興味深かった。 この時代は、兄弟や本家・分家の間での抗争が続いているので、特に人名を覚えるのは難しいが、一般読者であれば、対抗関係に至る経緯を、全体の大きな流れの中で理解すれば十分だと思う。
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