六国史以前 の商品レビュー
著者は上智大学院で学んだ高校の先生。古代史研究者で、他の著作もある。タイトルに惹かれて購入した。 帝紀•旧辞、天皇記•国記、上宮記などを関連史料や逸文等から類推し、最終的には古事記を史書のひとつとして位置付ける試みはダイナミックで読みでがある。 …しかし、私は論理的にはやはり無理...
著者は上智大学院で学んだ高校の先生。古代史研究者で、他の著作もある。タイトルに惹かれて購入した。 帝紀•旧辞、天皇記•国記、上宮記などを関連史料や逸文等から類推し、最終的には古事記を史書のひとつとして位置付ける試みはダイナミックで読みでがある。 …しかし、私は論理的にはやはり無理があると感じた。本作は、今世紀に入った辺りから言われている"日本書紀の記述そのものに対する疑義"には一切触れていない。(例えば『天皇』という呼称がまだ無かった時代に、『天皇記』は本当に書かれたのか?…など) …というわけで⭐︎ひとつ。よほどの古代史好き以外にはお薦めしません。
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旧事本紀は御巫清直によっても唱えられていた矢田部公望序文付加説。 だだし多人長が古事記に序文を付加したという見解なので、それを支持する事柄として似た例が他にあるということにしたいのかもしれない印象。 帝紀旧辞の成立時期についての津田左右吉批判はユニークかつ筋道が通っていておもしろ...
旧事本紀は御巫清直によっても唱えられていた矢田部公望序文付加説。 だだし多人長が古事記に序文を付加したという見解なので、それを支持する事柄として似た例が他にあるということにしたいのかもしれない印象。 帝紀旧辞の成立時期についての津田左右吉批判はユニークかつ筋道が通っていておもしろい。支持する研究者が増えたらいいなと思う。
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『日本書紀』『続日本紀』『日本後紀』『続日本後紀』『日本文徳天皇実録』『日本三代実録』以上を「六国史」と総称される。 その六国史のはじめ。『日本書紀』が完成に至るまで、はたして他に歴史を記した書物は何があったのか。そしてそれらはどのように繋がって、『日本書紀』に到達したのか。 ...
『日本書紀』『続日本紀』『日本後紀』『続日本後紀』『日本文徳天皇実録』『日本三代実録』以上を「六国史」と総称される。 その六国史のはじめ。『日本書紀』が完成に至るまで、はたして他に歴史を記した書物は何があったのか。そしてそれらはどのように繋がって、『日本書紀』に到達したのか。 帝紀、旧辞、天皇記、国記、上宮記、古事記、先代旧事本紀……後世残るそれらの欠片から、先達たちの研究を踏まえて推測を重ねていく本書。 可能性の域は出ないものの、非常に細かく詰めていらっしゃいます。 個人的には、雄略天皇の時期における帝紀と旧辞の章が面白く思いました。
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記紀およびそれ以外の上宮記などの名前のみ、あるいはごく一部が引用されて残る史書に関する考察と関係性の仮説提示。興味深いところだが、残念ながら記紀以外の史料があまりにも少ないのであくまでも推測にとどまる。
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