ビザンツ帝国 の商品レビュー
コンスタンティヌス帝時代からオスマン帝国に滅ぼされるまでの歴史を取り扱う。古代ローマ時代の途中、西ローマ帝国と東ローマ帝国とに分裂する。その後、西ローマ帝国は滅ぼされるが、東ローマ帝国(ビザンツ帝国)は千年ほど存続した。とはいえ、本書を読むと、初期、特にユスティニアヌス帝など偉...
コンスタンティヌス帝時代からオスマン帝国に滅ぼされるまでの歴史を取り扱う。古代ローマ時代の途中、西ローマ帝国と東ローマ帝国とに分裂する。その後、西ローマ帝国は滅ぼされるが、東ローマ帝国(ビザンツ帝国)は千年ほど存続した。とはいえ、本書を読むと、初期、特にユスティニアヌス帝など偉大な功績を残した人物を除くと、常に周囲からの襲来によって、国家が危うい状態であったとわかる。地政学リスクに晒された国家であったといえる。その意味で、ビザンツ帝国は奇跡の帝国であった。本書は各章の末にビザンツ帝国に関するコラムが記載されているが、こちらも各年代の事情通暁するうえで重要である。なかでも、ビザンツ帝国の公用語に関する情報は興味深い。ヘラクレイトス1世の時、公用語がラテン語からギリシア語へ変わった。しかし、本書によると、この時代のギリシア語は、プラトンやアリストテレスが活躍した古典ギリシア語と発音が異なり、『新約聖書』で用いられるコイネーと現代のギリシア語とのちょうど中間くらいに位置する。これ以外にも、高校世界史ではあまり語られない情報が詰まっており、手軽にビザンツ帝国ないし周辺地域を知りたい場合、本書を読むことを推奨する。
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長い歴史を持つビザンツ帝国の通史を解説した本書。 読み終わって最初に浮かんだ感想が、「そりゃこれだけ内輪もめしていたら滅びて当然、むしろなんでここまで保ったんだ?」である。 典型的な衰退国家。王朝の末期症状のお手本。内紛のオンパレード。陰謀するより他にやる事ないのか?事...
長い歴史を持つビザンツ帝国の通史を解説した本書。 読み終わって最初に浮かんだ感想が、「そりゃこれだけ内輪もめしていたら滅びて当然、むしろなんでここまで保ったんだ?」である。 典型的な衰退国家。王朝の末期症状のお手本。内紛のオンパレード。陰謀するより他にやる事ないのか?事実は小説よりも奇なり。この世の不思議、etc...。 読むまではそれなりにちゃんとした国家なのだろうと思っていたが、いっそ見事にイメージを壊された(当然悪い方で)。 途中で色々げんなりするが、人名の多さでもげんなりする。何とか読み終わった、という感じである。 まぁ、それでもそれなりに面白さはあった。
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今一、影の薄いビザンツ帝国の千年の歴史を皇帝を中心に見ていく一冊。 ローマの末裔でありバルカン半島、小アジアの二つの半島を持つ巨大な国であるが、その分ありとあらゆる所から攻撃される可哀そうな国家でもある。 見所は国家とキリスト教の嚙み合わなさと、多民族を抑えることができずに徐々に...
今一、影の薄いビザンツ帝国の千年の歴史を皇帝を中心に見ていく一冊。 ローマの末裔でありバルカン半島、小アジアの二つの半島を持つ巨大な国であるが、その分ありとあらゆる所から攻撃される可哀そうな国家でもある。 見所は国家とキリスト教の嚙み合わなさと、多民族を抑えることができずに徐々に瓦解していく有様である。 ユーラシア大陸の真ん中の半島という人間が交錯する巨大な繁華街であるビザンツ帝国は、島国日本とは真逆の立場の国である。比較しながら読むとより面白いかもしれない
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「波瀾万丈の歴史」と帯にあったが、帝位の簒奪、反乱、簒奪、反乱、簒奪失敗、それらに伴う「摘眼刑」「摘眼刑」「摘眼刑」・・・ もう、摘眼刑しか印象に残ってない。 ビザンツ帝国怖い
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ビザンツ帝国。 私の無知故に、半分もわからなかった。 もう少し、知識量を増やしたい。 また、皇帝の数が多く、人物名で紙面が覆われる事が多々あった。 難しい…世界史って。
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歴代王朝と皇帝の事績について概観でき、ビザンツ帝国通史として力作。ただコラムで現代政治との比較をしていたり、著者も書いているように固有名詞だけで紙面がいっぱいになったりと読みにくい箇所がある。
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20210108-20 ビサンティン帝国については、正直言って1453年コンスタンティノープルの陥落位しかよく知らなかった。本書はローマ帝国の継承国家として地中海に覇を唱えた4世紀頃から、イスラム勢力や十字軍に翻弄される時期を経て、1453年に力尽きるまでの激動の歴史を7世紀から...
20210108-20 ビサンティン帝国については、正直言って1453年コンスタンティノープルの陥落位しかよく知らなかった。本書はローマ帝国の継承国家として地中海に覇を唱えた4世紀頃から、イスラム勢力や十字軍に翻弄される時期を経て、1453年に力尽きるまでの激動の歴史を7世紀から12世紀までの中期を中心に描き出している。文章が読みやすく,時に現代への示唆に富むコラムを挟んでくるので、なじみのない地域の話でも興味深く読めた。十字軍っていビサンティンには厄災でしかなかったのでは・・もっと歴史を知りたくなった。
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皇帝ってめっちゃたいへんやなと思った。そして、地中海の地理が全然分かってないのも実感したので、もうちょっと勉強しないと。地中海の地理と、九州西岸の地理が、同じぐらい怪しい。
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塩野七生の「ローマ人の物語」が終わったところ(330年)から始まる「東ローマ帝国」の1000年ぐらいの歴史を新書一冊で。 何十人もの歴代の皇帝・王朝を紹介しつつこの複雑な帝国の歴史が書いてあるので、正直言ってやや読みづらい。 この帝国の皇帝は頻繁に謀反・反乱で簒奪される。そし...
塩野七生の「ローマ人の物語」が終わったところ(330年)から始まる「東ローマ帝国」の1000年ぐらいの歴史を新書一冊で。 何十人もの歴代の皇帝・王朝を紹介しつつこの複雑な帝国の歴史が書いてあるので、正直言ってやや読みづらい。 この帝国の皇帝は頻繁に謀反・反乱で簒奪される。そして、皇帝の母、未亡人などが陰から次の皇帝を操ったり暗殺されたりが相次ぐ。失脚した皇帝や反乱指導者は「摘眼刑」という恐ろしい処罰をうける。 東には徐々に拡大してくるイスラム国家、北のバルカン半島には次々と「xxx人」という新たな民族が大陸の奥から押し寄せてくる、西にはフランス、イタリアを支配しつつある「ノルマン人」の「ラテン諸国」と、面倒くさそうな勢力に囲まれている。 歴代の皇帝はコンスタンティノープル(現在のイスタンブール)を首都として、現在のトルコとギリシャあたりの版図を周辺勢力と外交・戦争でやりとりしながら数百年存続させてきた。 最後は「コンスタンティノープルの陥落」というやはり塩野七生の本がある事件で終結する。(1453年)実際にはコンスタンティノープルはこのオスマン帝国に陥落させられる前に一度、西欧が送り込んだ第4回十字軍によって陥落略奪されている。(1204年)著者はここで実質的に「ビザンツ帝国」は終了し、その後の王朝は残骸にすぎない、という説。 陰謀や内乱うずまくなかなんとか王権を維持したという意味では日本の室町時代に似ているけど、1100年もあるのでスケールが違いすぎる。 この地域、(バルカン半島、トルコ、シリア)は現在にいたるまで各種紛争が相次ぐ地域なのは「文明の十字路」なのでしかたないのだろう。
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いかにしてローマ帝国は、ビザンツ帝国と呼ばれる姿になったのか。テマ制がどのように生まれたか。イコノクラスムについての新しい見解。文化活動を主導したコンスタンティノス7世への注目。カール大帝、北方への正教の布教、十字軍やイタリア諸都市との関係など世界とのかかわり。ヘラクレイオス、レ...
いかにしてローマ帝国は、ビザンツ帝国と呼ばれる姿になったのか。テマ制がどのように生まれたか。イコノクラスムについての新しい見解。文化活動を主導したコンスタンティノス7世への注目。カール大帝、北方への正教の布教、十字軍やイタリア諸都市との関係など世界とのかかわり。ヘラクレイオス、レオン3世やバシレイオス2世、アレクシオス1世など戦う皇帝たちはなぜ生まれたのかー-帝国千年の歴史にふさわしく、読みどころが多い。 特にテマ制成立期については、著者の専門とする時代であり、著者が別の専門書で扱った内容のコンパクトなまとめになっている。 初版では、すでに指摘されている通り、単純な誤記や誤認が目立つ。重版が何度もかかっているようなので、修正が望まれる。また、10世紀以降については著者の専門外とする時代だけに他の当該時期を専門とする研究者から疑義を呈されている点も注意。 とはいえ、コラムもビザンツを知るのに入口として重要な内容で、皇帝在位表なども整理され、充実の内容になっている。
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