やさしいIATF16949入門 の商品レビュー

大森直敏(著者)

2023/05/07

　IATFの概要を解説。細かいところには触れていないが全体像をつかむのには問題ない。それに実際に取得するのであれば、まずIATF要求事項そのものに当たるべきである。本書の良いところは監査プロセスと取得までのロードマップをかなり具体的に解説しているところ。他の解説書でもおおよそのプロセスは掲載されてはいるが、本書では予備審査や一次、二次審査、更に取り下げプロセスとそれらの観点、さらに具体的な日数や準備すべきものなど取得に向けて動き出すために必要なものを挙げている。自動車産業のみの規格であるとともに、Q&Aの回答「取引先から求められていないのであれば取得は必須ではない」とあるとおり、箔をつけるための規格ではない。また、かなり複雑であるため取得コスト、維持コストがかかる。そのため不要であれば取得する必要はないが、品質の維持向上の方法の一つとして念頭に置いておくことは仕事の質を高めるのに役立つと思う。