世界一わかりやすい「医療政策」の教科書 の商品レビュー
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医療政策学は、単一の分野ではなく、複数の領域とエビデンスを必要とする分野横断的な学問である。本書は、医療政策学を構成する医療経済学、統計学、決断科学(費用効果分析)、医療経営学(医療の質)、医療倫理学、医療社会学、政治学について学ぶことができる入門書となっている。 複数の分野を取り扱っていることもあり、新しい知見が多く得られる一冊であるが、特に感じたことは、医療政策における「データと解析」に基づく政策の立案、評価の重要性である。ロジックだけでは、その効果が必ずしも分からないことがあるからである。 例えば、「自己負担割合を増やしたら国民が病気にならないように努力するようになるのではないか」という議論がある。(本書の47項で扱われている)ここで、ランド医療保険実験では、自己負担ありのプランに割り付けられると、受診回数や医療費は抑制されるものの、喫煙率や肥満度が低下しなかったことから、その効果は限定的だと考えられる。
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医療は国家予算において極めて多額の支出がなされているが故に、その政策も当然一意ではなく、様々な考え方が存在する。政策とは言うまでもなく、そうした多様な選択肢の中から、一つの選択肢を選び、他の選択肢を捨てることに他ならない。そのための判断基準として認識しておくべき、様々な考え方を”...
医療は国家予算において極めて多額の支出がなされているが故に、その政策も当然一意ではなく、様々な考え方が存在する。政策とは言うまでもなく、そうした多様な選択肢の中から、一つの選択肢を選び、他の選択肢を捨てることに他ならない。そのための判断基準として認識しておくべき、様々な考え方を”教科書”として示したのが本書であり、その論点の幅広さと深さは、”教科書”の名にふさわしい完成度。 当然、メインとなるのは医療経済学であるが、それ以外にも政治学や以外なところでは倫理学(まさかこの本の中でジョン・ロールズの正義論が触れられるとは思わなかった)まで非常に幅広く、医療に携わる人であれば手元に置いておいて損はない一冊。
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あとがきにも記載がありますが、本書を読むことで、ハーバード大学 医療政策学の進級するのに必要な知識、UCLA大学院で学んでいることを知ることができる! なかなか興味深い内容がたくさん書かれていましたが、多くの頁が割かれている「統計学」は、私には難しい。。。統計を学んでいる人なら、理解できるのかな? 個人的には、医療経営学の「医療の質の3つの側面」がとても興味深かった。どのように病院ごとの質の評価を行うか参考になりました。現在、厚労省が進めている地域医療構想に質的な要素を比較したような論文を見てみたい。質を高めるための病院の統廃合だという方向性がみられるのかな?
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医療経済学、統計学、政治学、決断科学、医療経営学、医療倫理学、医療社会学、オバマケアがざっと書かれた本。 医療経済学と統計学の比重が高い。医療政策の教科書としてはわかりやすいものの、経済学、統計学の教科書としてわかりやすいわけではない。しかしながら、最低限知っておいて欲しいと思わ...
医療経済学、統計学、政治学、決断科学、医療経営学、医療倫理学、医療社会学、オバマケアがざっと書かれた本。 医療経済学と統計学の比重が高い。医療政策の教科書としてはわかりやすいものの、経済学、統計学の教科書としてわかりやすいわけではない。しかしながら、最低限知っておいて欲しいと思われる内容が詰まっていて、少しでも医療政策とかを考える人には強くおすすめな本。基本、アメリカの事例なので、日本にそのまま当てはめられないことも多いけど補助線にはなるし、本当にいろんなコンセプトがあってとても面白かった。
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医療政策について考えるための、医療経済学、統計学、倫理学、決断科学など幅広い分野の内容を出来るだけわかりやすく解説してくれている本だと感じた その分各項目の内容は物足りなさも感じるが、私のような初学者にとってはちょうどよかった ただ統計はマジで知識ないから難しかった
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各章、簡潔に説明されており分かりやすい。何度も読み直したくなる、まさに医療政策の教科書。 オバマケアの政策立案過程の説明が知れて勉強になった。
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医療政策を考える上での論点を網羅的に取り上げて解説している。理論的説明のみでなく最新の研究結果を参照し、解明されている点と議論が分かれている点を明確にしており、学習に役立った。網羅性が重視されているゆえ、初学者にとってはやや面白みに欠けるかもしれない。知識がつき始めた時期に全体像...
医療政策を考える上での論点を網羅的に取り上げて解説している。理論的説明のみでなく最新の研究結果を参照し、解明されている点と議論が分かれている点を明確にしており、学習に役立った。網羅性が重視されているゆえ、初学者にとってはやや面白みに欠けるかもしれない。知識がつき始めた時期に全体像を見渡す目的として読むことを推奨したい。
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統計学のところはまたあとから復習します。 日本以外も含めて医療全体を網羅されている内容で本当に分かりやすかった
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