政治改革再考 の商品レビュー
待鳥聡史『政治改革再考』新潮選書 読了。選挙制度を皮切りに、平成期に公共部門で行われた改革。そこには「近代主義」というアイデアが通底していた一方、各領域における土着化によってマルチレベルでは不整合が生じたことが指摘される。予期しない帰結を避けるためには、土着化の視点が参考になる。
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90年代からの政治改革を総論とそれぞれに章ごとに分けて書いてある なるほどと思うことが多かったし、知識を得たり議論をするのに最適な本だと思った
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1990年代以降進められた「選挙制度改革」、「行政改革」、「日本銀行・大蔵省改革」、「司法制度改革」、「地方分権改革」という実質的な憲法改正ともいえる「政治改革」について、それらを「近代主義」という「アイディア」が通底していた一方で、その具体化の過程で各領域での「土着化」が生じ、...
1990年代以降進められた「選挙制度改革」、「行政改革」、「日本銀行・大蔵省改革」、「司法制度改革」、「地方分権改革」という実質的な憲法改正ともいえる「政治改革」について、それらを「近代主義」という「アイディア」が通底していた一方で、その具体化の過程で各領域での「土着化」が生じ、マルチレベルでは不整合がみられる結果となったと指摘している。 「近代主義」が政治改革の様々な分野を通底していたというのはちょっと後付けの理屈のような気もしたが、本書は、政治改革の全体像について一貫した説明を与えるとても(知的に)面白い試みだと感じた。 本書のキーワードの1つである「土着化」は、過去の改革を読み解く上でも、今後の更なる改革を考える上でも、非常に重要な観点だと感じた。著者が指摘するとおり、今後の改革に当たっては、「改革過程では土着化の動きがほぼ確実に生じるため、想定された帰結を導くためには、改革の全体像とそれを支える理念を明確に定め、土着化による影響をできるだけ小さくすることが必要である」。
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平成の時代に進行した政治改革について、その経緯と帰結がまとめられている。近代主義右派の観点から各改革を横断的に理解しようという流れは説得的だった。過去を振り返るだけでなく未来への示唆にも富む良書。
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平成デモクラシー論に近い観点から,平成の諸改革を論じている。日銀改革や司法制度改革までカバーされているのが新鮮。
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