あの子の殺人計画 の商品レビュー
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フォローしている方の本棚で見つけ、興味が湧いたので読んでみた。 はじめて読む作家さん。シリーズもの?みたいだけど、この本から読んでも特に問題はなかった。 我が子を虐待する母親。 女性を搾取することを生き甲斐にする者。 女の闇が浮き彫りとなる事件がテーマの本作。 とても重いテーマで、読みながら目を逸らしたくなるような場面もあった。 叙述もの好きとしては、これは星5つです! 事件解決の最初は、何が何だかわからなくて。読みながらもずっと頭の中で整理してた。混乱してたなぁ、私。 翔太の正体がわかったところで、ようやく混乱が解消されて腑に落ちた。 名前が一緒というのは、無理矢理感はあるものの、被害者遠山の性質で説明がつかないこともない。 もともと、少女きさらの話し口調が時々やたら乱暴になるのにはひっかかりは感じてた。でも子どもだし、そんなものか、という程度で。 きさらが虐待を受けてかわいそうで、でも健気で、なんとか幸せになってほしい、ここから脱出してほしいと思いながら読んでいた私にとっては、衝撃の結末だった。最後の宝生と真鍋の、虚しさ漂う会話にも、悲しみを感じた。 誰があの子の殺人計画を止めることができたのだろう? この本の中では、誰も止められなかった…としか、言えない。 不幸中の幸いは、この本の中で、虐待により命を落とす子どもはいなかったことだ。 でも、現実には、小学生が親を殺すより、親が子どもを命を奪う事件の方が圧倒的に多い。 この本に書かれていることは、とてもつらく重い話だ。でも、現実ではもっと悲しくつらいことが起きていて、私たちはその情報から逃れることができない。 そんな現実と比べたら、この本の読後感のきつさ悲しさは、まだマシなような気すらした。
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❇︎ 『希望が死んだ夜に』 仲田・真壁刑事シリーズの第二弾 『あの子の殺人計画』 子供の貧困⇨子供の虐待 すぐ側にあるかもしれない。 そして、すぐ側にあるのに 気づいていないかもしれない。 また、それとない空気に気づいていても 目を逸らして暮らしているかもしれない。 無力...
❇︎ 『希望が死んだ夜に』 仲田・真壁刑事シリーズの第二弾 『あの子の殺人計画』 子供の貧困⇨子供の虐待 すぐ側にあるかもしれない。 そして、すぐ側にあるのに 気づいていないかもしれない。 また、それとない空気に気づいていても 目を逸らして暮らしているかもしれない。 無力さや絶望感、諦めに打ちひしがれながらも 必死に生きる子供たちと、負の連鎖を目の当たり にし、それでも立ち向かう三人の刑事の物語。 読み終えて、問題の深さと重さに やるせ無い気持ちでいっぱいになりました。 〜〜〜〜〜〜〜〜 作中より 先の見えない生活の中で、身も心も 疲れ果てて許されないけれどありえること。 追い詰められたら誰でも似たようなことを してしまうかもしれない。 とても現実味がある一文で胸に刺さる。
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うーん… 評価が高かったからその分期待値も高かったのだけど。 ミステリーで結構ありがちな叙述トリックだったので、薄々結末が読めてしまった。 ミスリードを誘うためだと思うけど、まったく同じことがここまで重なるのはちょっと強引かな
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娘への虐待、ネグレクト、貧しい生活、孤独、生活状況によっては誰もがやるかもしれないと?後半は駆け足で話が進んでしまい、もっとじっくり娘の心境の変化を追いたかったな。
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「希望が死んだ夜に」に続き、天祢涼さん2冊めです。前作に続き〈仲田・真壁コンビ〉の活躍で描かれる貧困や子供への虐待がテーマのミステリーです。いや~面白くって昨日今日で一気読み‼︎ ネタバレしたくないので、詳しくは書きませんが、ミステリーとしてもビックリで、気づいた瞬間、久しぶり...
「希望が死んだ夜に」に続き、天祢涼さん2冊めです。前作に続き〈仲田・真壁コンビ〉の活躍で描かれる貧困や子供への虐待がテーマのミステリーです。いや~面白くって昨日今日で一気読み‼︎ ネタバレしたくないので、詳しくは書きませんが、ミステリーとしてもビックリで、気づいた瞬間、久しぶりに「うわっ」と、鳥肌がたちました。その直後、電車乗り換えで歩いている間「え?え?ってことは」って疑問が、こんがらがった頭の中を駆け巡りました。そのあたり、とても良く出来ています。それに、天祢涼さん、とても読みやすいので、子どもの心情が分かりすぎて…なおさら辛かったけど。 DVとか虐待って、最悪ですよね。私自身は幸い、そういった経験をしていませんが。 ニュースで、特に、幼い子どもへの虐待を見たり聞いたりするだけでも、本当に胸が痛みます。 この作品を読むと、虐待を受けている子どもの側の心情というものも、ひしひしと伝わり、本当にやるせない気持ちになります。しかし、ラストで仲田蛍が言うセリフに心打たれました。 「追い詰められたらだれでも似たようなことをしてしまうのかもしれません。もちろん私でも」 結局のところ、人は経験してみないと分からない、というのは私自身はよく感じることです。 もちろん、それが100%だとは言わないけれど。誰しも、自分の想像の範囲の外にあるものは、本質的には理解は難しい気がします。でも、想像する、ってことは大事ですよね。想像力を持つことで「寄り添う」という心が生まれる気がします。自分の居場所だと思っているところも、もしかしたら、細い境界線のフチ、ギリギリなのかも?と思いました。 楽しい、という作品ではありませんが、一見大人しくふんわりした印象の仲田蛍が、かっこいいのです。おすすめです‼︎
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面白い★5 虐待を受ける少女の葛藤とひたむきな愛 社会派×本格×イヤミスの傑作 #あの子の殺人計画 母親から虐待を受けている少女は、自らは母からの躾だと信じ、学校や周囲にばれないように隠していた。しかし虐待の懸念があると判断する先生や友人が表れてきて、自らの待遇に疑問を持ち始め...
面白い★5 虐待を受ける少女の葛藤とひたむきな愛 社会派×本格×イヤミスの傑作 #あの子の殺人計画 母親から虐待を受けている少女は、自らは母からの躾だと信じ、学校や周囲にばれないように隠していた。しかし虐待の懸念があると判断する先生や友人が表れてきて、自らの待遇に疑問を持ち始める。 一方、風俗街で殺害された女性の死体が発見された。警察は少女の母に対するアリバイ供述は、虐待による偽りの供述ではないかと疑問を持ちはじめていた… 前作に引き続き、子供たちの貧困や虐待をテーマにした社会派ミステリー。本作はさらに本格やイヤミスの要素もふんだんに盛り込まれ、さらに大技も仕込まれた傑作です。 ミステリーとしても質が高く、なんといっても小説としてのバランス感覚も抜群で、読んでいて全くストレスがない。どなたにもおすすめできる一冊です。 キャラクターもよく描かれていて、母、子、先生、友人、刑事たち、全員が自らの信条のもとに胸を張って生きているのがよく伝わりました。特に少女の信条描写がなんとも切なく、なんでこうなったんだ。としか言えません… メインとなるトリックは、実は見たことあるパターンでしたが、全然見抜けませんでした。この辺りはしっかり作りこまれていて、納得感も高かったです。 前作もそうでしたが、こんな小説を読むと切に思うことがあります。 これからの日本や世界を作っていく子供たちに、少なくとも希望を持てる世の中にしたい。ほんと、それだけです。 天祢涼さんの本シリーズは、大人になったら読んでおくべき作品です。下手な世直し本を読むより、よっぽど胸を打ちますね。社会派ミステリーの傑作です、超おすすめですっ
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傷ましい児童虐待、繰り返されるニュースに辛さや憤りを感じてるのは私だけじゃない。 淡々と展開する事件の捜査が終盤一転するのに驚く。伏線も回収されてて登場人物のキャラも生かされていた。
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そうきたか!という感じ 割と短くてサクサク読めた きっとシリーズものなのね、 途中から読み始めてしまったよ 児童虐待って終わらない無限ループで 見て見ぬ振りする大人がきっと大多数なんだろな その子が自分で運命を変える、とか 綺麗事にすぎないけど いろんな偶然が重なって 幸せまで...
そうきたか!という感じ 割と短くてサクサク読めた きっとシリーズものなのね、 途中から読み始めてしまったよ 児童虐待って終わらない無限ループで 見て見ぬ振りする大人がきっと大多数なんだろな その子が自分で運命を変える、とか 綺麗事にすぎないけど いろんな偶然が重なって 幸せまで少しずつ環境がかわっていけばいいのに
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真壁・仲田シリーズ第二弾 今作のテーマは「児童虐待」 何を書いてもネタバレになりそうなので、あまり深くは書けないが、 仲田が衝撃の一言を言った後、次ページの真壁のセリフが読者の気持ちを言い表しており、 どんでん返し系ミステリーとしては完璧な2ページだと思う。
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後半、頭が一瞬大混乱になります。でも、理解すると…トリックや、こういう事だったのか。と驚愕。あの子の殺人計画は『あの子』の事だったんだ…
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