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昨日壊れはじめた世界で の商品レビュー

3.4

21件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2020/10/27

初の香月夕花作品 小学生の5人が 軽い気持ちで忍び込んだ町で1番高いマンション 最上階に住む 怪しい男に出会い、「世界は 昨日壊れはじめた」と聞かされる。 その子供だった登場人物たちが大人になり、思い通りにはいかなかった人生を抱えながら 「もう1度 あの怪しい男性に会って聞いて...

初の香月夕花作品 小学生の5人が 軽い気持ちで忍び込んだ町で1番高いマンション 最上階に住む 怪しい男に出会い、「世界は 昨日壊れはじめた」と聞かされる。 その子供だった登場人物たちが大人になり、思い通りにはいかなかった人生を抱えながら 「もう1度 あの怪しい男性に会って聞いてみたい。何がいけなかったのか・・」 この5人の生き方を短編的に追いながら 話が進んでいく。 5人全員があまり 幸せな生き方をしていないのが 読んでいて辛い。 子どもにはどうすることもできないことばかりだが 周囲の大人はこどもの心の悲鳴に気付かない。 大人になってからも なお 模索しながらあがいて生きている主人公たちに いつか心の平穏は来るのだろうか。 内容的に心に重く、星2つにしたが、先が気になる展開と文章の読みやすさは 凄いと思う。 まだ出会っていない作家さんを探している方には おすすめの1冊です。

Posted byブクログ

2020/10/25
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※このレビューにはネタバレを含みます

初読み作家さん。小学生の時に不思議な体験を共にした5人の連作短編。教会に救いがないうえに、神様みたいな人も情緒不安定。怪しい人は怪しいまま終わったのでもやもやするけれど、この作家さんの雰囲気好きかも。他の作品も読んでみたい。

Posted byブクログ

2020/10/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なにか悲しい感じがじんわりとどこかに残る感じの内容。 確かに小さな過ちを犯した登場人物もいたが、「自分が選んだことだろう」と責められるようなことではなく。親が子供に与える影響の大きさを改めて感じた。 あと、善人のような顔をした教会のおばさんたち、結局自分たちと同種の人以外には拒絶反応があって、自分たちが「助けよう」と思っている対象ではないと本当に今切実に困っている子供がいても平気で切り捨てていて。でも、そういう人いるよなぁと思ったり。 最上階で出会った男は、結局何者だったのだろう....

Posted byブクログ

2020/09/09

タイトルに惹かれて図書館で借りた初読みの作家さんの本。想像していたようなSF・ファンタジー系の作品ではなく、中年男女を主人公にしたちょっとほろ苦い連作短編集だった。まあ登場人物のなかにスーパーナチュラルな能力者がいないこともないのだが、なんの役にも立たないどころか足を引っ張ってい...

タイトルに惹かれて図書館で借りた初読みの作家さんの本。想像していたようなSF・ファンタジー系の作品ではなく、中年男女を主人公にしたちょっとほろ苦い連作短編集だった。まあ登場人物のなかにスーパーナチュラルな能力者がいないこともないのだが、なんの役にも立たないどころか足を引っ張っているような……。着地点も明確でなく、結局なにが言いたいのかよくわからなかった。

Posted byブクログ

2020/08/19

街の再開発で書店閉店を余儀なくされた書店店主の大介が、幼馴染の翔子と出会うことで、30年前の小学生時代に街の大きなマンションへ同級生4人で忍び込んだ「忘れかけていた記憶」が蘇る。そのマンションの最上階にいた男は「世界の終わり」を予言していた… 読んでいるうちにいろいろと既視感的な...

街の再開発で書店閉店を余儀なくされた書店店主の大介が、幼馴染の翔子と出会うことで、30年前の小学生時代に街の大きなマンションへ同級生4人で忍び込んだ「忘れかけていた記憶」が蘇る。そのマンションの最上階にいた男は「世界の終わり」を予言していた… 読んでいるうちにいろいろと既視感的なものもあり、(少しホラーっぽい要素もあるので)ゾクゾクしながら読めた。幼少時代の記憶が呼び覚まされ、過去に仲の良かった友人に会いたくなる気持ちにさせてくれる作品。

Posted byブクログ

2020/08/18

タイトル「昨日壊れはじめた世界で」、そして帯の「大人になった俺たちは、世界を、自らを、救うことはできるのか」 ここから、おじさん達の冒険活劇のような話を期待して読み始めたけれどそんな要素はこれっぽっちもなく、泥の中を窒息しながら、自ら歩んでいるのか引き摺られているのか曖昧なまま...

タイトル「昨日壊れはじめた世界で」、そして帯の「大人になった俺たちは、世界を、自らを、救うことはできるのか」 ここから、おじさん達の冒険活劇のような話を期待して読み始めたけれどそんな要素はこれっぽっちもなく、泥の中を窒息しながら、自ら歩んでいるのか引き摺られているのか曖昧なまま徘徊しているような読後感 文章は読みやすく表現も豊かなだけに生々しい息苦しさがまとわりついて、苦手なタイプの本

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2020/08/26

小学生4人が、30年前にマンションの最上階で出会った悲しい目をした男性の、不吉な世界の終りの予言。大人になった彼らの世界は少しづつ何かが欠けていて、30年前の予言が妙に気に掛かってしまう。またあの男に会えば何かが分かるのではないか・・・。 登場人物4人の連作集で、誰も彼も人生少...

小学生4人が、30年前にマンションの最上階で出会った悲しい目をした男性の、不吉な世界の終りの予言。大人になった彼らの世界は少しづつ何かが欠けていて、30年前の予言が妙に気に掛かってしまう。またあの男に会えば何かが分かるのではないか・・・。 登場人物4人の連作集で、誰も彼も人生少しづつ上手くいっていないです。破綻している訳ではないけれど、首の皮一枚で転落していきそうな危うさがあります。 小さな綻びから大事な何かが抜け落ちていく感覚。こんなはずではなかったという悔恨。 そんな中からも何とか自分の人生を良いものにしようと足掻く勇気。それがこの本の中にはあります。 いい年になってしまったかつての子供たちに読んで欲しい本です。

Posted byブクログ

2020/07/11

マンションの最上階での小さな冒険の過去を共有するクラスメート5人の生きざまを、5つの短編の中で、美しい情景描写を交えて、繊細な筆致で色鮮やかに描き出している。 ロスジェネ世代の彼・彼女らの人生は、決して平坦な道のりではなく、今も、離婚、子供との別居、離職、依存症、介護など様々な問...

マンションの最上階での小さな冒険の過去を共有するクラスメート5人の生きざまを、5つの短編の中で、美しい情景描写を交えて、繊細な筆致で色鮮やかに描き出している。 ロスジェネ世代の彼・彼女らの人生は、決して平坦な道のりではなく、今も、離婚、子供との別居、離職、依存症、介護など様々な問題に直面し、自分との折り合いもつかず傷つき続けている。 過去のどこかで道を間違え、その後の小さな積みかさねから、思ってもみなかった今の場所にやってきてしまったとしても、正しい道に戻る術に気づくことができれば、もう傷つかなくて済むのではないか。誰か導いてくれないだろうか。と、登場人物も含めみな思うだろう。しかし、作者は、安易な解決法を与えない。 この話は、連作短編の中にやり直せなかった物語を交え、今を生き続けることで、無力な自分でも世界を捉えなおし、一度、壊れたと思った世界を作り直すこともできると気づかせてくれる。そこにかすかな希望の光が灯されている。悲惨な話が連なるが読後感は爽やかですらあった。

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2020/07/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最初は遠回しの表現が読みにくくて頭に入ってきませんが時期に慣れます。 この結末は希望なのか絶望なのか。うーん。

Posted byブクログ

2020/07/06

タイトルに引かれて購入した。現在の世を言い当てているようなタイトルだ… 世界は昨日壊れはじめた。でも、私たちはこの世界で最後まで生き続けなければならない。他に生きる場所はなく、生き抜くことが私たちに与えられた役割だから。 著者の作品は初めて読んだ。 読み始めの数ページは、文章が...

タイトルに引かれて購入した。現在の世を言い当てているようなタイトルだ… 世界は昨日壊れはじめた。でも、私たちはこの世界で最後まで生き続けなければならない。他に生きる場所はなく、生き抜くことが私たちに与えられた役割だから。 著者の作品は初めて読んだ。 読み始めの数ページは、文章が凝り過ぎているように感じてなかなか入り込めなかったが、その後は話の展開に引き込まれていった。ただ、全体にやや意図的過ぎる展開なので、もう少し自然なもののほうが味わい深くなると思った。 「けれども私の小さな悲しみは、語られることのないまま闇に葬られてしまった。私の痛みは些細なことだから、なるべく黙っていなければならない。それは生きるために必要な知恵だった。」(p.165) ズンと心に響いた言葉。

Posted byブクログ