昨日壊れはじめた世界で の商品レビュー
短編は好きでないが、短編連作は良い。あまり、悩まず、自身の気持ちに素直であればいい。ラストは素直になれて全て良し。
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美しい言葉に綴られた 切なさ、後悔、喜びといった 幾多の感情が心にすっと収まる感覚。 本や小説は登場人物や物語を通して 非日常を体験し、自らとは異なる世界に 連れていってくれる。 一方で、この小説は これまで表現できなかった 感情の機微を捉え、 「自分の想いを言葉にしてくれて...
美しい言葉に綴られた 切なさ、後悔、喜びといった 幾多の感情が心にすっと収まる感覚。 本や小説は登場人物や物語を通して 非日常を体験し、自らとは異なる世界に 連れていってくれる。 一方で、この小説は これまで表現できなかった 感情の機微を捉え、 「自分の想いを言葉にしてくれている」 という安心感、肯定感を与えてくれた。 もちろん全てが当てはまるわけではない。 それでもこういう小説に出会えたことを 素直に嬉しいと思える作品でした。
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ジャケ買いしたと言っていた夫の積読が妙に気になり、本によばれて読みはじめました。 半歩くらい不思議な雰囲気が漂う世界。 回収されなく、正直残念な部分もありますが、 それをも感じさせない程の 美しい言葉たちが散りばめられています。 【細工箱の奥に隠した宝石を取り出すような】 ...
ジャケ買いしたと言っていた夫の積読が妙に気になり、本によばれて読みはじめました。 半歩くらい不思議な雰囲気が漂う世界。 回収されなく、正直残念な部分もありますが、 それをも感じさせない程の 美しい言葉たちが散りばめられています。 【細工箱の奥に隠した宝石を取り出すような】 思いをよせる相手のことを話す時に使われているこの表現が 読み終わった後でも強く心に残っています。 他の作品も読んでみたいと思う作家さんです。
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凄くいい。優しくて悲しくて切なくてあったかくて。少しずつ溶けていく。人は色んな面がある多面体なんだなぁ
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この現実でしかありえなかった5人の現実。それは耐え忍ぶには痛すぎて、忘れるには近すぎた。 どちらも、どれも道なのだ。 最後の一文は、あまりに痛切。
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“世界が壊れる”と言うとなんだかんだ大掛かりなことに聞こえるけど、実際は些細な行動や言動で簡単に自分の世界が壊れてしまったり、元々壊れていたりするんだな……って思ったよ。 ちなみに私は律子が好きですね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
いやー暗かった。 わかる、現実社会は確かにそんなんで、宗教団体もそういう感じだ。本当に救いの手を差し伸べてくれる人なんてそうそういない。だから子どもの貧困も虐待死もなくならない。 みんな自分のことに精一杯で、他人のことを気遣う余裕なんてない。全ての人が、自分の周りの人に少しでも手を差し伸べられたら、きっと違う世界になるだろう。 ネガティブに捉えようと思えばいくらでもそう思える。 でも、今日も空は綺麗だし、風は気持ち良い。違う世界に住んでる人なんていない。それは思い込みだ。 自分が心を閉ざしてるだけで、意外と救いの手は周りにあると私は思っているし、子どもにもそう伝えたい。 そういうメッセージを伝えて欲しかった。最後の一人のラストがあまりに不憫すぎて救いが無さすぎた。 さすがに母親は思い出すでしょ。自分のやったことが消えることなど絶対ない。そこまで描いて欲しかった。
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ずーっとほんのり暗い。 途中で光差しそうな感じもあるけど、なんとなくずっと重い感じでどんよりしてしまった。 最上階の男の人は神様みたいな人やったんやろか。。 しかし、色んな人の心の汚さをまざまざと見せつけてられた気がする本やった。
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37昭和30年代から40年代の子供の頃を思い出しもう一回戻れたらなあ、と思った作品でした。でも不思議なおじさんの力と今の現実との連携が説明不足で残念でした。
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5名の中学生、園辺大介、仰木翔子、武元律子、小菅稔、皆川恵が、新築のマンションの最上階で痩せこけた男に会った話をベースに各人のその後の人生を描写した物語だが、このような構成の5連作は意外性があり楽しめた.大介と妻の間に微妙な風を送り込んだ翔子の行動、全盲の日渡絵麻をサポートする窃...
5名の中学生、園辺大介、仰木翔子、武元律子、小菅稔、皆川恵が、新築のマンションの最上階で痩せこけた男に会った話をベースに各人のその後の人生を描写した物語だが、このような構成の5連作は意外性があり楽しめた.大介と妻の間に微妙な風を送り込んだ翔子の行動、全盲の日渡絵麻をサポートする窃盗症の稔の葛藤、父の破産で苦労の末税理士として生きている律子、貧しい生活の中でうごめく恵に寄り添う美作神父.「春の断崖」で形ばかりの同窓会で恵の"空の青"の話が飛び出した場面がなぜか印象的だった.
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