事件持ち の商品レビュー
連続殺人事件を、刑事と新聞記者それぞれの視点で真相を追う。刑事として記者として、葛藤しながらも己の職業に対する矜持と誇り、意義を見出していく真摯さが描かれていました。事件の真相も核となる部分はぼんやりと想像つきますが、伏線の張り方がとても丁寧で面白かった。
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殺人事件の解決を目指す警察とその報道をする新聞記者の話。始めは登場人物が多くて、誰が刑事で誰が新聞記者か掴み難かったが(被害者やその交遊関係の人数も多い)、事件が解決に向かい出す頃になって、ようやく整理することができた。"記者"という仕事の過酷さが伝わってきた...
殺人事件の解決を目指す警察とその報道をする新聞記者の話。始めは登場人物が多くて、誰が刑事で誰が新聞記者か掴み難かったが(被害者やその交遊関係の人数も多い)、事件が解決に向かい出す頃になって、ようやく整理することができた。"記者"という仕事の過酷さが伝わってきた。
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面白く、気持ちよく読めました。 人として踏み外してはいけないラインや人間としての理想が、押し付けなく自然に若い主人から溢れていたのが読んでいて気持ちよかった。
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あらすじ 事件持ちとは、大きな事件によく出遭う記者のこと。訪日新聞、地方局二年目の永尾は警察廻り担当。殺人事件が立て続けに二件起こる。二人は中学校の同級生だった。たまたま周辺住人を取材すると、同じ中学校の同級生がいたが、彼は姿を消す。永尾は社内の人間関係や、新聞記者とは何かについて考えながら取材する。 県警一課津崎は父親が優秀な刑事だった。本人は熱血・正義感とは違ったタイプ。しかし、娘のために犯罪のない世の中にしたいと思っている。 初めて読んだ作者。面白かったー。うすーい層を重ねて行くように、ちょっとずつちょっとずつ取材を重ねる記者。関係者のところも丁寧に何度でも訪ねていく。作者は元新聞記者のようで、新聞ができあがるまでの時間や、警察との関係についても詳しく書かれている。 事件のストーリーに加えて、仕事小説としても面白かった。新聞の魅力って減っている。新聞を購読している人も減っている。若者で記者になりたい人も少なくなっているんじゃないかと思っていた。作品では合間合間に、数ページにわたって新聞の存在意義とか、記者とはどうあるものかっていう文章もあって興味深かった。
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48これまでの冷たく暗い感じの人物表現とは違って、静かでも熱い気持ちが感じられる成長の物語でした。続編読みたいなあ。
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新聞の書評を見て面白そうだと思ったもの。初めて読む作家さんなので、最初は読みにくい感じがしたけど、どんどん引き込まれていった。報道とは、警察とは。新聞記者2年目の永尾も捜査一課の津崎も自分の仕事に迷いながらも進んでいく。そして、それぞれいい上司に恵まれている。そして、田淵と山浦というすごく嫌な人間も出てくるのが、またリアル。永尾が被害者遺族の中田のお母さんと話せたところは涙が出た。被害者遺族のルポを思い出す。誰からも明るくいい人と評される、相澤と中田が恨みを買う、というのもいまいち腑に落ちなかったけど、最後の真相が分かるとそこもすっきりして良かった。ミスリードにはまんまと引っかかったけど。書評にもあったけど、報道小説だし、警察小説だし、ミステリーだし、とても読み応えのある本だった。やっぱ書下ろし長編を一気に読むのはいいね。それにしてはレビューが少ないわ。もっとみんなに読まれていい本だと思う。
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本作は、私の土地勘が深い場所が舞台となっている作品だけに場所がすぐに頭に浮かんできて親近感のわく作品でした。 内容はミステリーで、刑事と新聞記者の攻防が主体となり、刑事、記者それぞれの本質は何かと自分に問いながらも、それぞれの使命感をもとに、難事件を解決するという展開で、なかなか...
本作は、私の土地勘が深い場所が舞台となっている作品だけに場所がすぐに頭に浮かんできて親近感のわく作品でした。 内容はミステリーで、刑事と新聞記者の攻防が主体となり、刑事、記者それぞれの本質は何かと自分に問いながらも、それぞれの使命感をもとに、難事件を解決するという展開で、なかなか面白かったです!
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報日新聞の2年生記者・永尾と千葉県警捜査一課の刑事・津崎がある事件をきっかけに、報道と警察の存在意義に悩み、それぞれの正義を求め、成長していく物語。 連続殺人事件を解決していくミステリというよりも、仕事への矜持を描いた作品として面白く読んだ。 永尾と津崎それぞれに真面目で、事件...
報日新聞の2年生記者・永尾と千葉県警捜査一課の刑事・津崎がある事件をきっかけに、報道と警察の存在意義に悩み、それぞれの正義を求め、成長していく物語。 連続殺人事件を解決していくミステリというよりも、仕事への矜持を描いた作品として面白く読んだ。 永尾と津崎それぞれに真面目で、事件に取り組む過程で、社会を良くしたいという自らの理想を確固たるものとしていくところがいい。青臭いとか綺麗事と言えばそれまでだけど、こんな理想を追い求めて働く記者や刑事がいてほしいと思いながら読んだ。 事件そのものがちょっと物足りなかったのと、2人の真面目キャラが被っていて、途中であの場面はどっちだったけ〜と混乱するところが惜しいけど、最後に距離が縮まった2人のその後をまた見たいから、続編があるといいな。 伊兼さん初読みですが、好感が持てるので他にも読んでみたい。
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警察と報道、それぞれの立ち位置から「事件持ち」の者が自らの歩む道についてその意義を問いかけながら進む。自らのするべきことに真摯に向き合うからこそ立ちはだかる壁に出会い、自分の手で自分の中に軸を打ち立てて行く物語。潔さを得る
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伊兼作品の真骨頂。元新聞記者の著者だからこそ描けた心揺さぶられる熱い傑作。新聞記者・事件報道記者の存在意義と矜持とは。公権力たる警察官だからこそ常に襟を正し、困難だが犯罪の起きない世の中をいつも標榜しなければならないのでは。主人公の新聞記者2年生と元警察幹部を父に持つサラブレッド...
伊兼作品の真骨頂。元新聞記者の著者だからこそ描けた心揺さぶられる熱い傑作。新聞記者・事件報道記者の存在意義と矜持とは。公権力たる警察官だからこそ常に襟を正し、困難だが犯罪の起きない世の中をいつも標榜しなければならないのでは。主人公の新聞記者2年生と元警察幹部を父に持つサラブレッド刑事の事件との対峙から成長を描く。何箇所も胸を打たれるシーンがあり、特に最終盤の犯人を自供に追い込む刑事の言葉ひとつひとつは心に残るものだった。本当に上梓される毎に円熟味が益し、特に登場人物の背景や描き方に磨きがかかっている印象。もっともっと売れていい作家さんだと思う。今すぐにでも直木賞を取らせてあげたい。
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