日本の美しい言葉辞典 の商品レビュー
美しい日本の言葉を、それに負けない綺麗な写真と共に紹介してくれる本です。 第1章〜第7章まで項目わけされています。 せっかくなので、各章お気に入りを1つづつ…… ※以下引用有り ①和草(にこぐさ) 「にこ」は、おだやかなどの意で、葉や茎のやわらかいくさのこと。「にこぐさの」...
美しい日本の言葉を、それに負けない綺麗な写真と共に紹介してくれる本です。 第1章〜第7章まで項目わけされています。 せっかくなので、各章お気に入りを1つづつ…… ※以下引用有り ①和草(にこぐさ) 「にこ」は、おだやかなどの意で、葉や茎のやわらかいくさのこと。「にこぐさの」という枕詞は、「花妻(花のように美しい妻、新妻)」などを引き出す。 なにより響きがかわいい。なぜだか赤ちゃんのほわんとした笑顔が浮かんで来ます♡ ②空蝉(うつせみ) セミの抜け殻のこと。また、むなしさの例え。「空蝉の」は、「空し」や「命」などにかかる枕詞。 源氏物語の空蝉が好きなので、迷わず。セミの抜け殻は確かに哀愁漂うなあと思います。 ③春暁(しゅんぎょう) 「暁」は夜が明けようとするときの意で、春の夜明けのこと。 孟浩然の詩にありますね。いつでも私は眠るのが好きですけど、春の明け方の眠りはいっとう心地いいです。それを思い出すので、選びました。 ④凩(こがらし) 木を枯らすものの意で、初冬の強い北風。 漢字の形が好きです。全て葉を落としてしまった木の寒々しい姿がありありと浮かびます。 ⑤万緑(ばんりょく) あたり一面、見渡す限り緑一色であること。 中村草田男の「万緑の中や吾子の歯生え初むる」、中学生のときに習ったものを思い出しました。若々しくて力強い感じがお気に入りです^^ ⑥灯篭流し(とうろうながし) 「盆」で迎えた霊を川や海に送る「送り火」のひとつ。 私はしたことはないですが、ゆらゆら流される灯篭に故人を偲びつつ冥福をお祈りする気持ちは何となくわかる気がします……。 ⑦弁柄色(べんがらいろ) 天然の酸化鉄の顔料「弁柄」の、暗い黄みの赤。 色がはっきりしながらもどこかやわらかくって、懐かしい。弁柄色、好きです。 さらりとこういう言葉が選べる人になりたいなあ、としみじみ楽しみました。
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たとえば、「ウコン」ってあるじゃないですか。 なんか響きがアレだし、 飲み会の前後に摂取するみたいな、 ちょっと汚いイメージ。 でも、漢字で書くと「鬱金」なんだそうで。 鬱は閉じ込める、という意味なので ウコンは、「金を閉じ込める」色なんです。 あ、なんかかっこいい。 そんな発見...
たとえば、「ウコン」ってあるじゃないですか。 なんか響きがアレだし、 飲み会の前後に摂取するみたいな、 ちょっと汚いイメージ。 でも、漢字で書くと「鬱金」なんだそうで。 鬱は閉じ込める、という意味なので ウコンは、「金を閉じ込める」色なんです。 あ、なんかかっこいい。 そんな発見ができる本です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
〇古来からの言葉を写真といっしょに。由来や、その言葉を使った短歌や俳句や和歌も楽しめる。 写真で由来意味合いを目で確認出来る 〇ゆったりと日本語を楽しむ感じ ◎はじめに 日本の自然や暮らしから生まれた言葉を写真と共に紹介する 言葉を知ると見える景色が変わります 1:花と草木 四季折々、さまざまな花が咲き、草木がその彩りを変える それを愛でる心が生んだ言葉 【自分の1番】 ・紫雲英…げんげ レンゲソウの別名。一面の花を紫の雲の広がりにたとえた。 〇げんげは知っていたが、漢字は知らなかった。きれいな漢字だ ※毎月の名 2:鳥と獣 身近な鳥、季節ごとに訪れる鳥 獣や虫などの生きものたち 彼らとのかかわりから生まれた言葉 【自分の1番】 ・花貝…サクラガイの別名 〇白い砂浜に散るサクラガイの貝殻を思い浮かべちゃうわ ※二十四節気 3:時と季節 朝から夜まで静かに流れる時 春から冬までゆったりとめぐる季節 その変化を感じて生まれた言葉 【自分の1番】 ・ちろりちろり…一瞬わずかに目に触れるほどのこと。ちらり 〇時間が指の間からこぼれ落ちていくようだ ※月のよび名 4:空と夜空 朝から夕べまでの明るい空 夜空に輝き出す月や星 私たちを包む空をあらわす言葉 【自分の1番】 ・ののさま…「祈む」から転じた幼児語で、月や日、神など祈りの対象のこと 〇のんのんばあは、ここからかな?響きがかわいらしい ※からだの部分のよび名 5:大地と水辺 緑をまとう大地、青々と広がる水辺 それらが時と季節ごとに見せる さまざまな表情をすくいとった言葉 【自分の1番】 ・山笑う、山滴る、山装う、山眠る…季節ごとの山をあらわす 〇セットで覚えたい。胸が晴れ晴れとする ※心や心情をあらわす言葉 6:暮らし 季節ごとの海や山の恵みに感謝し、祖先を敬い、健康や平和、子孫繁栄を願う 日々の暮らしから生まれた言葉 【自分の1番】 ・漁り火…夜、肴を誘うために船の上で焚く火のこと 〇夕刻の漁り火を写した写真が美しい ※ふるさとの祭 7:色 植物や鉱物から色を得ていたころ生まれた自然にまつわる色の名や季節に合わせて生まれた配色の言葉 【自分の1番】 ・べろ藍…ベルリンの藍色の意味。暗い紫みの青 〇北斎ブルー!めちゃくちゃ好き
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1000の美しい言葉と約200点の写真と共に言葉の意味や由来なども記載されており、言葉を知るだけでなく知識として学ぶこともできました。 日本はこんなにも繊細に美しく景色や季節や想いを表現できる言葉で溢れているのかと感服しました。 同時に四季折々の風景や景色を見た時素敵な物に触...
1000の美しい言葉と約200点の写真と共に言葉の意味や由来なども記載されており、言葉を知るだけでなく知識として学ぶこともできました。 日本はこんなにも繊細に美しく景色や季節や想いを表現できる言葉で溢れているのかと感服しました。 同時に四季折々の風景や景色を見た時素敵な物に触れた時咄嗟に出でてしまう「やばい」の一言に想いを詰めてしまう虚しさを痛感しました。 忙しなく過ぎ些細なことを見逃しがちになってしまうそんなただ繰り返すだけの日常の小さな変化や幸せに気づき尊さを改めて感じられるすてきな本でした。
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日本の自然や暮らしから生まれた言葉を写真と共に1000語紹介している辞典です。 写真がため息がでるほど美しくアングルも最高のものばかりで図鑑のようでもあります。 何度も繰り返し読みたくなる辞典です。 私は歌は詠みませんが、半年前からFace bookを始めたので、話題がないとき...
日本の自然や暮らしから生まれた言葉を写真と共に1000語紹介している辞典です。 写真がため息がでるほど美しくアングルも最高のものばかりで図鑑のようでもあります。 何度も繰り返し読みたくなる辞典です。 私は歌は詠みませんが、半年前からFace bookを始めたので、話題がないときはその季節の言葉をこの辞典から引用して使いたいです。 例として、今の季節だったら 花逍遥(はなしょうよう) 「花」つまりサクラの花を見ながらのそぞろ歩きのこと。 花筏(はないかだ) サクラの花びらが水面に浮かび流れるさまを筏にたとえた言葉。 他には 天使の梯子(てんしのはしご) 雲間から射す太陽の光を天にかかる梯子にたとえた言葉。天から射す光の梯子「薄明光線」「光芒」ともいう。「芒」には光や光線の先端の意がある。「天使の梯子」を宮沢賢治は「光でできたパイプオルガン」とよんだ。『告別』と題されたその詩は、彼が教師をしていた学校を去るとき、生徒に贈ったとされる。「もしも楽器がなかったら いいか おまへはおれの弟子なのだ ちからのかぎり そらいっぱいの光でできた パイプオルガンを弾くがいい」と。木の葉から射す光は「木漏れ日」という。 六つの花(むつのはな) 結晶の形が六角形であることから雪のこと。「天からの手紙」を表す言葉。「雪は天から送られた手紙」は、結晶の写真を撮り雪の研究をつづけた中谷宇吉郎の言葉。雪の結晶に同じ形のものはないといわれている。雪をあらわす言葉にはさまざまあり「風花」は、山を越えた風が山の雪を吹き散らすことで麓に晴れた空から降る雪「雪催い」は雪が降り出しそうなことをいう。 第7章の色はその色を実際に見られるのでわかりやすいです。 例えば青色系では緑青(ろくしょう)群青(ぐんじょう)瑠璃(るり)べろ藍(べろあい)藍の華(あいのはな)浅葱色(あさぎいろ)勿忘草色(わすれなぐさいろ)菫色(すみれいろ)藤色(ふじいろ)紫苑色(しおんいろ)ゆかりの色(ゆかりのいろ)濃き色(こきいろ)等が全部そのもととなる草花や自然の写真で少しづつ違うのがよくわかります。 目次 第1章花と草木 第2章鳥と獣 第3章時と季節 第4章空と夜空 第5章大地と水辺 第6章暮らし 第7章色 コラムとして 毎月の名 二十四節季 月の呼び名 からだの部分の呼び名 心や風情をあらわす言葉 ふるさとの祭り 特に写真が美しく気に入ったのが花、鳥、空と夜空です。少ししか紹介できないのが残念です。
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2020/12/04 美しい写真、言葉、脳裏に浮かぶ情景 日本語の美しさ、感性の素晴らしさがここに。 辞典なので創作や日頃の生活の中で生かしたいときに 手元に置いておきたい
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