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こんぱるいろ、彼方 の商品レビュー

3.9

38件のお客様レビュー

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2020/10/09

実は母はベトナム人でボートピープルとして日本に渡ってきたと言う。 受け止め難い事実を知り戸惑うが、旅行を通してベトナムという国、歴史を知ろうとする大学生の奈月。 ベトナムの親戚とも巡り会い、祖父母の人生を思う。 国や人種に思いを寄せる深い1冊。 読み終わって、このタイトルいいなぁ...

実は母はベトナム人でボートピープルとして日本に渡ってきたと言う。 受け止め難い事実を知り戸惑うが、旅行を通してベトナムという国、歴史を知ろうとする大学生の奈月。 ベトナムの親戚とも巡り会い、祖父母の人生を思う。 国や人種に思いを寄せる深い1冊。 読み終わって、このタイトルいいなぁ~と思う本が時々ある。このタイトルも本当に良い! 

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2020/09/28

装丁に惹かれた。 ベトナム戦争が終結した後、南ベトナム側だった人々が 迫害され命からがら漁船に乗って国を出た。 1970年代にボートピープルと呼ばれたベトナム難民の人たち。その中のある家族が、日本にたどり着き、この地で生きることを決めた。 祖母・春恵(スアン)、母・真依子(マイ...

装丁に惹かれた。 ベトナム戦争が終結した後、南ベトナム側だった人々が 迫害され命からがら漁船に乗って国を出た。 1970年代にボートピープルと呼ばれたベトナム難民の人たち。その中のある家族が、日本にたどり着き、この地で生きることを決めた。 祖母・春恵(スアン)、母・真依子(マイ)、娘・奈月、3人の視点から、難民であり日本に帰化した家族の歴史を語る。 大学生の娘・奈月が、友人たちとベトナム旅行に行くことになり、母・真依子は、自分が帰化して日本人となったベトナム人であることを打ち明ける決心をするが、奈月にしてみれば、青天の霹靂だ。 それまでも物事に深く関わらない母への葛藤があったが、不信感が増してしまう。 母とは考え方の違う奈月は、母も知らない、知ろうとしなかったベトナムの歴史について、様々な本を読み、祖母、伯母、その友人らの話を聴き学んでいく。 そして、ベトナムで出会ったガイドの人たちや、言葉の通じない遠戚の人々との心の交流を通して、自分のルーツと幾多の困難を乗り越えて自分へとたどり着いた命の尊さに、新しい自分を発見する…。 また祖母のスアンの、若かりし頃のベトナムの心象風景は、日本人の自分にさえも郷愁を感じさせる。戦争が終結しても直ちに平和が訪れるわけではなく、すさんだ人々の心は新たな傷を生み出してしまう。 日本語を話すときは小声で片言、小柄でほっそりしたスアンが、奈月にベトナムの話をすることで、新たにエネルギーが注がれたように溌溂としていく…。 2人に比すると母の真依子は、自分というものがないように見えてしまう。けれど、彼女が5才という年齢で日本へ来たこと、家族の中で自分だけがベトナム語をほとんど理解できないことなどを考えれば、アイデンティティの確立が難しかったのだろうと思う…。 真依子はおそらく私と同じくらいの年齢だろう。 私自身、幼いころテレビのニュースで見たボートピープルの映像がいまだに脳裏に焼き付いている。 大波に揺られ、今にも壊れそうな小さな船に鈴なりに人が乗っていた…この人たちはどうなるの?このテレビの人が助けたの?と同じような映像を見るたびに、不安で母に尋ねた記憶がある。 彼らの多くは、アメリカやフランスなどに受け入れられ、わずかだが、今よりははるかに多く日本にも受け入れられた。 日本では取り上げられることがあまりない、戦争や紛争の犠牲になる難民の問題。 3世代に渡る女性の物語を通して問いかけられる。 2020.9.27

Posted byブクログ

2020/09/24

全体に幼い印象。奈月も、奈月と御蔵くんの関係もびっくりするほど幼いし、賢人の反抗も幼い。 地の文も丁寧にかなり噛み砕いて説明していて、最初は中高生向けのヤングアダルト物?と思った。 爽やかでいい話なんだけれど、少々物足りなかった。

Posted byブクログ

2020/09/23

 何かしらのきっかけで心に引っ掛ったことを追求する。腑に落ちるということ。心からの納得。  知らなければ済むこと、知らなくてはいけないこと。選択肢が多過ぎてめまいがする感じがすることがある。 けれど。 第七章260ページ。 “ただ順番に繰り返されていく日々の営みの美しさ。それで...

 何かしらのきっかけで心に引っ掛ったことを追求する。腑に落ちるということ。心からの納得。  知らなければ済むこと、知らなくてはいけないこと。選択肢が多過ぎてめまいがする感じがすることがある。 けれど。 第七章260ページ。 “ただ順番に繰り返されていく日々の営みの美しさ。それで十分だ。それこそが正解だ。”  海外に行くのも、つまみ細工を始めるのもフラダンスを始めるのも、美しい日々なんだ。  

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2020/09/14

真依子は、スーパーマーケットの惣菜売り場でパートタイムで働いている。惣菜を揚げたり、棚に並べたりする。賢人と奈月の二人の子供の母親だ。奈月が友達と海外旅行に行くという。それもベトナムへ。パスポートを取るために真依子はは奈月の代わりに市役所に行って戸籍謄本と抄本を取ってきた。抄本だ...

真依子は、スーパーマーケットの惣菜売り場でパートタイムで働いている。惣菜を揚げたり、棚に並べたりする。賢人と奈月の二人の子供の母親だ。奈月が友達と海外旅行に行くという。それもベトナムへ。パスポートを取るために真依子はは奈月の代わりに市役所に行って戸籍謄本と抄本を取ってきた。抄本だけでパスポートには十分だったけど、真依子は謄本が見たかった。戸籍謄本には、【出生地】の記載があった。そこにはカタカナで国名と市名が書かれてあった。奈月の海外旅行の件で色々なことが分かってくる…。

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2020/09/12

たまたま娘の奈月が友達との初海外旅行先がベトナムになったことから、ずっと出自を話せずにいたボートピープルとして来日した真依子が、出自を「打ち明けた」ことから、進んでいく物語。 奈月が、わからないことを真正面から受け止め、さまざまな文献を読んだり、話しを聞いたりして、理解をしよう...

たまたま娘の奈月が友達との初海外旅行先がベトナムになったことから、ずっと出自を話せずにいたボートピープルとして来日した真依子が、出自を「打ち明けた」ことから、進んでいく物語。 奈月が、わからないことを真正面から受け止め、さまざまな文献を読んだり、話しを聞いたりして、理解をしようと行動していくところがいいなぁと思った。

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2020/09/07

ベトナム戦争もボートピープルも、教科書で学んだはずなのに、何にも知らなかった。 知ろうとしてこなかったんだなぁ。 奈月の母とおなじだ。 奈月を通して、私も少しだけ知ることができた。

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2020/09/05

さらっと読めるけれど、ちゃんと考えさせられる一冊。ベトナム戦争って重たいイメージが有るけれどそれをそこまで感じさせない。でもちゃんとあり方などを考えることができた。ベトナムへのとっかかりになりそうな本であった。ベトナムに行ってみたくなった。

Posted byブクログ

2020/09/03

ベトナムで生まれボートピープルとして日本に来た真依子は、自分の名前の由来など考えたこともなかった。ホアマイ、テトの花。南ベトナムのお正月を象徴する花。45年間知らないまま、知ろうともしないまま、ここまで来てしまったという。 娘の奈月から「お母さんって、甘いっていうか、適当、いつも...

ベトナムで生まれボートピープルとして日本に来た真依子は、自分の名前の由来など考えたこともなかった。ホアマイ、テトの花。南ベトナムのお正月を象徴する花。45年間知らないまま、知ろうともしないまま、ここまで来てしまったという。 娘の奈月から「お母さんって、甘いっていうか、適当、いつも曖昧、いつもどっちつかず。その場を無難にやり過ごせば、問題が解決できると思っている。」と痛烈に非難されてしまう。 奈月からベトナム旅行をすると告げられた時、出自を初めて明かす。 奈月は、ベトナムの歴史を調べ、家族のルーツを訪ね、たくさんのことを考える。奈月の若者らしいまじめさ、正義感に胸打たれる。 そんな奈月だが、南北に別れて戦ったベトナムの歴史に触れ『正しさって何なのだろう』と考える。弟、賢人への頭ごなしの態度も反省する。 真依子はそんな娘に感心し、少しだけ変わっていく。真依子の生き方に寄り添えなかったが、いつのまにか大きくなった子どものハッとする言動に触れた時の喜びには頷く。それがたとえ自分に向けられた批判でさえも。 話の各章は、真依子、奈月、おばあちゃんの春恵の母娘三代の視点で書かれている。 家族は影響しあい、繋がっている。連綿と受け継いできた営みがある。 人は『日々の営みの美しさ』を守るために生きているのかもしれない。

Posted byブクログ

2020/08/30

ベトナムのポートピープルとして日本にやってきた母 日本での暮らし ベトナムの昔と今 そんなに昔のことじゃないのにまだまだ色々あるということを知った娘 軽いタッチで書かれている本だった

Posted byブクログ