フジモトマサルの仕事 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
亡くなってからその存在を知った。(享年46歳) 村上春樹や穂村弘の本の装丁、イラストは知ったけど、 白血病なんて今は不治の病ではなくなってきてるのに。 にょっ記、ずーっと続いてにょにょにょにょにょっ記くらいまで彼のイラストで読みたかった。
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自分でもなぜだか分からないのだけれど、フジモトマサルさんの絵を見ていると、心の奥が激しく揺さぶられる。 ちょっと普通じゃないくらいに。 とくに、せりふのない絵。 どの絵からも「穏やかな静けさ」を感じる。 だけど、時は止まってなくて、その空間で時間がゆっくり動いているのも感じる。...
自分でもなぜだか分からないのだけれど、フジモトマサルさんの絵を見ていると、心の奥が激しく揺さぶられる。 ちょっと普通じゃないくらいに。 とくに、せりふのない絵。 どの絵からも「穏やかな静けさ」を感じる。 だけど、時は止まってなくて、その空間で時間がゆっくり動いているのも感じる。 とても不思議。 この感じ…夜中、田舎の家にいて、遠くで電車がガタゴト通り過ぎていく音がかすかに聞こえるような静けさと時間の流れ? 本を読んでいるバクや、スーツケースを持って電車に揺られているウサギの表情に妙に親近感を覚える。 この絵と同じ時間・空間に自分もいることがある、などと思ったりもする。 本好きの人というのは、書庫にたくさん本がたまって困るものだと思うけれど、私は本だろうと何だろうと家に物が蓄積されていくことにひどくストレスを感じるタイプで、たとえ気に入った本でも、読み終わったらすぐ処分してしまう。(引っ越しが多い家だからかも) 一度読んだ本を読み返すより、まだ読んでない本を読みたいし、もし仮に読み返したくなったら、その時にまた本屋さんか図書館、ネットを当たればいい、とも思う。(…と言いつつ、先日、三岸せいこさんの漫画を読み返したくなったが実家にもネットにもどこにもなくてショックを受けたところであるが…) でも、この本は例外的に、「手元に置いておくため」に買った。 亡くなられてしまったので、もうカレンダーは発行されないんだなぁと思うと、遅れてファンになった私はとても悲しい。(「村上さんのところ」で名前を初めて知った) いつか、引っ越しの日々が終わり、ほんとの自分の家を持つことができたら、この本の表紙をひっぺがして額装して、廊下に飾りたいなぁ。 あるいは、中の絵も切り取って美しく額装すれば…などと、たくさんの本を大切に手元に保管し続ける人からすれば考えられないようなことを考えていたりする。 ああ、どの絵を飾ろうか、悩む。 ポスターとかあれば、手っとり早くそっちを買うんだけどなぁ。
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フジモトマサル氏と認識せずに、フジモトマサル氏のたくさんの作品にたゆたっていたのがわかった。 氏の作品と、作家さんたちから氏への思い出と追悼の文章。 かわいいだけではなく、少し皮肉や影を効かせたマンガや挿絵。 1枚ものでも、どんな物語が前と後にあるのかなと好奇心が疼く。 刊...
フジモトマサル氏と認識せずに、フジモトマサル氏のたくさんの作品にたゆたっていたのがわかった。 氏の作品と、作家さんたちから氏への思い出と追悼の文章。 かわいいだけではなく、少し皮肉や影を効かせたマンガや挿絵。 1枚ものでも、どんな物語が前と後にあるのかなと好奇心が疼く。 刊行されている作品は未読のものが多いので、こらから読んでいけるという幸せと、もういないという寂しさの穴。 大切な1冊になると思う。 ・本のある風景。 ・言葉遊び。 ・ほんのりSF。 ・フジモトさんの蒸し豆腐、食べる! →蒸したところにネギをのせて、熱々の胡麻油を回しかけて、塩か醤油で食べる。 ・おしゃれ番長。 ・日本の少年向けのイラスト、女性の胸がデカいのは、手塚先生が戦犯の一人でしたか。
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フジモトマサルさんの絵はあたたかで、愛すべきキャラクターばかりです。 敬愛する安西水丸さんが亡くなり村上春樹さんの挿絵担当になった時は大喜びでしたが、すぐに亡くなられたことを知り愕然とした記憶あります。 これから、これまでの作品に触れていこうと思っています。
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ちょっとずつちょっとずつ読んで、時々既に読んだページに戻ったりして牛歩のごとく読み進めていたけど、とうとう読み終わってしまった…。 もう氏の新しい作品には出会えないんだということを、読み終わって改めて強烈なまでに実感し、とてつもなく淋しくなりました。 悲しいではなく淋しい。なんだ...
ちょっとずつちょっとずつ読んで、時々既に読んだページに戻ったりして牛歩のごとく読み進めていたけど、とうとう読み終わってしまった…。 もう氏の新しい作品には出会えないんだということを、読み終わって改めて強烈なまでに実感し、とてつもなく淋しくなりました。 悲しいではなく淋しい。なんだか勝手に置いてけぼりにされたようなたとえようのない淋しさ。そんな心持ちです。 豊崎社長とのインタビュー対談でのお話は、これをここで読めて本当によかったと思えるくらい引き込まれました。
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ノンタン、ぐりとぐら、ミッフィー、キティーちゃん、マイメロディ、トムとジェリー、ミッキーマウス、銀河鉄道の夜のアニメ映画…動物が人間みたいに暮している物語を確かにおかしなことだと感じていない子どもの頃。その頃のままにイラストを描けたら、フジモトマサルさんになる。手ぬぐいが欲しいで...
ノンタン、ぐりとぐら、ミッフィー、キティーちゃん、マイメロディ、トムとジェリー、ミッキーマウス、銀河鉄道の夜のアニメ映画…動物が人間みたいに暮している物語を確かにおかしなことだと感じていない子どもの頃。その頃のままにイラストを描けたら、フジモトマサルさんになる。手ぬぐいが欲しいです。
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2015年に亡くなったイラストレーター、フジモトマサルの仕事を通覧する1冊。巻頭言は村上春樹氏。寄稿は森見登美彦氏ほか。
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昔から好きだったフジモトマサルさんの突然の訃報をネットニュースかなんかで見たとき、物凄くショックだったのと、彼の最近の作品を追いきれていなかった自分をすごく悔いてしまった。 その時、自分の持っている作品を読み返し、彼のWEBサイトを確認し、全く実感のないまま、また数年過ごしました...
昔から好きだったフジモトマサルさんの突然の訃報をネットニュースかなんかで見たとき、物凄くショックだったのと、彼の最近の作品を追いきれていなかった自分をすごく悔いてしまった。 その時、自分の持っている作品を読み返し、彼のWEBサイトを確認し、全く実感のないまま、また数年過ごしました。 今回、Twitterでこの本が出ていることを知って、コロナで自粛だし、Amazonで買おうと思ったら、まさかの売り切れ。 自粛の中、何限か本屋を回っても手に入らない。 何日かして、Amazonでどうにか買うことができた。 この本は、彼の作品の紹介と、インタビュー記事、そして彼とゆかりある人たちが寄稿した文章など作品集と言うには結構読み応えのあるものです。 フジモトさんの人柄に触れることもでき、私の知らなかった病のことについても書かれています。 一番印象的だったのは、藤本さんは40代後半でなくなったのですが、本人は40代前半で亡くなると仮定して過ごしていたと言うこと。 これは、30代に病気になって入院した時に「あと10年ぐらいで死ぬと思っておこう」と決めたらしい。 彼の作品の、どこか潔さというか、ちょっとシニカルな部分だったり、ちょっと暗い部分が垣間見える理由が少し分かった気がしました。
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フジモトマサルさんの作品が好きだ。特に『二週間の休暇』はとても好きだ。今回、この本を読んで、フジモトマサルさんの思考みたいなものを知ることができた。なんというか日々を大切に生きたいと思った。よい一冊だった。
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フジモトマサルさんの作品(絵、マンガ、エッセイ、なぞなぞ、回分など)が大好きで、村上春樹の挿絵(『村上さんのところ』)になったときは、「そろそろ世の中もフジモトさんの良さに気づき始めたな。これからすごくメジャーになってグッズとか出るようになるに違いない。ああ嬉し寂しい」と思ってい...
フジモトマサルさんの作品(絵、マンガ、エッセイ、なぞなぞ、回分など)が大好きで、村上春樹の挿絵(『村上さんのところ』)になったときは、「そろそろ世の中もフジモトさんの良さに気づき始めたな。これからすごくメジャーになってグッズとか出るようになるに違いない。ああ嬉し寂しい」と思っていたので、亡くなったと知った時は本当にショックで、叫んだ。「フジモトさんが死んじゃった!」って。若すぎる。早すぎる。 フジモトさんの絵ほど「この世界でずっと暮らしたい」と思える絵はない。 本好きな動物たちが、自然や音楽や温泉や小旅行を愉しみながら穏やかに暮らす世界。暴力も騒音もなく、小さな音で流れるクラシック音楽と自然の音と生き物が暮らす生活音だけが聞こえる世界。(たまに電車は通る。)そういう世界で、動物たちとたまにお茶を飲んだりしながら、いい本だけを読んで生きられたら、どんなに幸せだろう。 この本を読んで、見て、またあの世界に行きたくなってしまった。 白血病の闘病は辛かっただろうに、作品はそれを全く感じさせなかった。ちっとも乱れたり、粗くなったりしなかった。最後まで。 インタビューを読むと、42歳で死んでもいいように仕事していたとあるが、そんな、悲しすぎる。欲がなさすぎる。すごく才能があったのに。 この本で、小さい頃から好きだった本は、うさこちゃんとひとまねこざる、エルマーの冒険、ブリッグスのサンタと知って、すごく納得。デッサンはしっかりしていながらシンプルな線。子ども心とファンタジーと冒険、そして孤独と皮肉。 私としてはやっぱり、大きいポスターみたいなものが欲しい。カレンダーや『という、はなし』の絵をいつも見ることができたら幸せ。あと、本も再版してほしい。出版社の方、よろしくお願いします。
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