旅のつばくろ の商品レビュー
割と国内旅行はしている方だが、この本を読むとまだまだ知らない土地や名所があるなぁと思う。 読みやすく分量も少ないが、ついつい場所を調べたりしてしまうので意外と読むのに時間がかかった。 そういう寄り道の価値を認識させてくれる本。
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私が時々しているのは『旅行』であって、この本に書かれているのは『旅』 そんなふうに感じた。 旅をしながら目の前に見えるものだけでなくその先の何かにまで思いを馳せる。こんな『旅』をしてみたい。 旅の「性善説」いいなぁ〜
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成行き旅(遊佐),縁を感じ縁が生れる旅(宮城),近くて遠い旅(奥多摩湖)等,国内旅エッセイ。温泉の話(厄災齎す自然が恵み齎す)や,人生で面として知る土地が豊かさに直結等味わい深い内容。旅の追体験。
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沢木氏の文章は、ありきたりの日常の景色を旅の視点に変えてくれる。 国内のちょっとした旅行でも見方、感じ方で格段に素晴らしいものにするのは、自分の心の持ち様だと気づかせて貰えた。 2023.03.13読了
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筆者のいつもの本。常にこの身一つで経験を重ね、そのことについて感じたことを文章にして、そしてそれが毎度読まれているのは素晴らしい。文才とスター性があってこそ。
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物書きと言うのは、自分だけしか知らないちょっとした体験、行動、それに伴う理由までもを記録して置けるから羨ましいと思う。自分だけしか知らないままじゃ勿体無いことが沢山ある気がするから。1人で行動していて勿体無いと思うのは共感する相手がいないこと。見聞きした感動、人との出会いをだれか...
物書きと言うのは、自分だけしか知らないちょっとした体験、行動、それに伴う理由までもを記録して置けるから羨ましいと思う。自分だけしか知らないままじゃ勿体無いことが沢山ある気がするから。1人で行動していて勿体無いと思うのは共感する相手がいないこと。見聞きした感動、人との出会いをだれかに伝えたい、シェアしたくなるこの気持ちは、物書きなら難なく果たせるのだろう。自分の旅の承認が欲しい! 自分が住んでいる東北の話が多くあり、なんだか嬉しくなった。自分にとっては何ともないものでも、文化人にとってはわざわざ遠くから足を運ぶ程価値のある物だったりするんだよなあと。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
目的地を決めず日本地図を眺めた中で、ふと目に止まった文字「遊佐」に、小説の登場人物の出身地が決定する話からいきなり面白い。そのまま興味をもって実際に現地に赴き、「最も心を動かされたのは、朝日を浴びた鳥海山が、どこまでも続く田植え直後の田圃の水に映っていた」というシーンに出会ってしまう。その場所に行ったことで結果的に何かに偶然出会うことができるセンスはやはり存在するような気がする。「旅運」が1番ほしいものかもしれない。 ・着いてみると、その白米の棚田は、海に向かってなだらかに落ち込んでいる斜面にいくつもの小さな区画の田圃が連なる、なんということもないものだった。(中略)ところが、その棚田のあいだを歩いて海の近くまで下り、ふたたび上に登ってきて、全体を眺め渡して驚いた。すっかり暮れ切った斜面には、鮮やかさを増して黄色に変わったライトに照らされ、深い闇の中に無数の棚田が浮かび上がるという、まさに幻想的な風景が広がっていたのだ。(p.118) ・旅に出ると、予期しないことに出くわし、楽しい思いをしたり、逆にがっかりするような目に遭ったりする。それを金運や結婚運のように「旅運」と言うとすると、確かに旅運のいい人と悪い人がいるかもしれない。 どちらかと言えば、私は旅運のいい方だと思うが、それも、旅先で予期しないことが起きたとき、むしろ楽しむことができるからではないかという気もする。たぶん、「旅の長者」になるためには、「面白がる精神」が必要なのだ。(p.141) ・震災後は、この周辺はどこででも、私が50数年前に見た別れの風景とは異なる、だがさまざまに深い哀しみに満ちた別れの風景が繰り返されたことだろうな、と。 そしてさらに、こうも思った。 その別れのあとに、希望につながる新しい出会いが生まれていればいいのだが、と。(p.176) ・「平山郁夫シルクロード美術館」 私は中央にひとり立ち尽くし、しばらく眼を閉じてじっとしていた。すると、いつの間にか、私の体の中に砂漠の砂が満ちてきた。そして、駱駝の背に揺られ、砂漠を歩んで行くような感覚が生まれてきた……。 だが、残念なことに、それは「偽」の感覚だった。私はラクダの背に揺られて砂漠を歩いたことはなかったからだ。(p.195)
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年齢を重ねても、軽やかにツバメのように旅に出る澤木さん。深夜特急の頃から全く変わらないよう思える。 自分にはできない旅だなと思うからこそ、楽しく読める。 それは日本国内でも海外でも変わらないのだな。
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新幹線に乗った時に読むのを楽しみにしていた『トランヴェール』の連載をまとめたもの。 青年時代に東北を旅した思い出と、その時に行けなかった場所を大人になって訪問した時に感じたこと、不思議な縁などについて書かれています。 「この地に来るのが遅すぎたのではないか、もう少し早くきてい...
新幹線に乗った時に読むのを楽しみにしていた『トランヴェール』の連載をまとめたもの。 青年時代に東北を旅した思い出と、その時に行けなかった場所を大人になって訪問した時に感じたこと、不思議な縁などについて書かれています。 「この地に来るのが遅すぎたのではないか、もう少し早くきていればもっとすばらしい旅になったのではないか」とマラケシュに行った時に感じた著者ですが、十六歳の時にいけなかった奥入瀬を訪れた時に、「いや、むしろ今が自分にとって相応しい『時』だったのではないか」と思い直すようになったという話が印象的でした。いつ行っても『その場・その時』だよね。 『トランヴェール』連載時は、たしか文章に写真かイラストが添えてあって、その全体的な雰囲気だ好きだったのだけど、本になったら文字だけで残念。 【がんばれ。宇都宮線!】という電車の乗り換えが奇跡的にうまくいったという肩肘張らない系のエピソードなどもあって楽しかったです。
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いい意味で軽く、読後には清涼感を感じる一冊でした。忙しなく追い捲られる日々の中でも、旅を楽しむ心の余裕は持ち続けていたいですね。
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