暗手 の商品レビュー
いゃ〜。あの馳君のノワール小説やんか。 今後も原点復帰してくんないかなぁ。 映画化もしてや。頼むわ。
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刮目せよ! これこそが馳星周だ。 暴力と嘘に塗れただけのノワール小説ではない。 嘘に嘘を重ねて築き上げた人間関係、愛を求める男と女の恋情。 心を深く抉られる。 決して気持ちの良い読後感では無いが、それがかえって気持ちを揺さぶる。 デビュー当時のような作品だが、流石に年月を重ねて表...
刮目せよ! これこそが馳星周だ。 暴力と嘘に塗れただけのノワール小説ではない。 嘘に嘘を重ねて築き上げた人間関係、愛を求める男と女の恋情。 心を深く抉られる。 決して気持ちの良い読後感では無いが、それがかえって気持ちを揺さぶる。 デビュー当時のような作品だが、流石に年月を重ねて表現も重さを増した。 久しぶりにヒリヒリする作品だった。
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あの女を手に入れろ、とささやく頭の中のもうひとりの自分自身。これもまた「夜光虫」でおなじみのシークエンス。最高だ。 どんどん逃げ場がなくなり愛するものからも憎悪の目で追い詰められる暗手に、感情移入しつつ、最後のページまであっという間に読んでしまった。 まさに馳ワールド、素晴らしい...
あの女を手に入れろ、とささやく頭の中のもうひとりの自分自身。これもまた「夜光虫」でおなじみのシークエンス。最高だ。 どんどん逃げ場がなくなり愛するものからも憎悪の目で追い詰められる暗手に、感情移入しつつ、最後のページまであっという間に読んでしまった。 まさに馳ワールド、素晴らしい。 やはり馳先生はノワールですよ、ノワール。
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題名の『暗手』(あんしゅ)とは、本作の主要視点人物である「裏の世界」に生きる男の“通名”である。作中、「暗手」には一部に「アンショウ」という中国語を思わせる読み仮名が在る。 「暗手」は日本人の元プロ野球選手で、台湾のプロ野球に流れた時に“八百長”に関わってしまう。それが契機で殺人...
題名の『暗手』(あんしゅ)とは、本作の主要視点人物である「裏の世界」に生きる男の“通名”である。作中、「暗手」には一部に「アンショウ」という中国語を思わせる読み仮名が在る。 「暗手」は日本人の元プロ野球選手で、台湾のプロ野球に流れた時に“八百長”に関わってしまう。それが契機で殺人を重ねてしまった経過が在り、台湾から欧州へ流れ着き、顔も変え、変名を使い分けて暮らしている。そして中国系のグループによる、サッカー賭博を巡る八百長の工作等、「殺し以外は何でも」と様々な裏仕事をしていて、「暗手」という通名になる。現在はイタリアのミラノに在る。 物語はミラノ辺りを主な舞台として展開する。 「暗手」は、“セリエA”に昇格したミラノ近郊のチームが迎えた日本人のゴールキーパーの大森を“八百長”に巻き込む工作を請け負った。 「暗手」は「ミラノで貿易を営む日本人事業家の高中」と名乗って大森に接近し、大森を絡め取ろうと工作を重ねる。そうした中「棄てた」筈である過去を強く意識させる出逢いが生じてしまう。 「暗手」が負っている過去と、立ち向かわなければならなくなった状況、そして繰り広げられる死闘…一寸夢中になる。 本作は『夜光虫』という過去の作品の続篇であることを巻末の解説で知った。全然知らずに本作を読んだが、何ら問題はない。「日本人の元プロ野球選手で、台湾のプロ野球に流れた時…」という経過が『夜光虫』では綴られているのだと想像するが…本作は独立した作品として十二分に愉しい!休日に一気に読了してしまった…
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