1日でわかる心理学 の商品レビュー

ジョエル・レビー(著者),川口潤(訳者),山本富夫(訳者)

2020/05/28

いくつかの心理療法に関心があって、学んだりしているわけだが、心理学全般がどうなっているのかというのは、実のところあまりよくわかっていない。

ある程度はおさえとこうと思って、「ゼロから始める心理学・入門」という本を読んだ。さすがに、自分はゼロからではないだろうと思っていたのだが、結構、あんまり知らなかったなと思った。

いわゆる心理学って、脳科学、神経科学や実験などなどと連動した実証科学だったんだ。。。。１冊読んでも、フロイト、ユング、アドラーという名前はでてこない。あるいは、マズロー、ロジャース、セリグマンもでてこない。もちろん、ガーゲンとか、ホワイトとかはでてくるはずもない、感じ。

いわゆる心理療法的には、認知・行動療法につながるような科学的な心理学。これはこれでとても驚いた。でも、そういう世界はまさにあまり知らなかったところなので、とても勉強にはなった。

とはいえ、もうちょっと全体がみわたせる本はないかと思い、こちらも読んでみた。こっちも科学的ではあるものの、もうちょっと範囲はあ広いかな。

表紙には、フロイト、ユング、アドラーという言葉もあるので、期待して読んだ。たしかにその辺の名前もでるし、人間性心理学、ポジティヴ心理学についても言及はある。

が、やはりかなり限定的ですね。

心理学というのが、「学問的」には、どういうものなのかというのが、この２冊を読んで、わかったような気がした。

個人的には、そんな感想だけど、そういう前提で読むと、この本はわかりやすいと思う。上にも書いたように、「歴史的」な心理学者の話もあるし、それ以前の歴史的な話もときどきでてくる。そして、いろいろな本で言及される心理実験とか、有名な症例などについても、バランスよく紹介されていて、ほんと「１日でわかる」感じがする。