死んでもいい の商品レビュー
「死んでもいい」 自分の手で殺したかった。 ここまでの事をしていたのに、学校は何も関与しなかったのだろうか。 いくら参考人として呼んだだけだとしても、身体検査はしなかったのだろうか。 「ママがこわい」 全て計算通りに進んでた。 自分の娘が巻き込まれたのは偶然といえど、手引きした...
「死んでもいい」 自分の手で殺したかった。 ここまでの事をしていたのに、学校は何も関与しなかったのだろうか。 いくら参考人として呼んだだけだとしても、身体検査はしなかったのだろうか。 「ママがこわい」 全て計算通りに進んでた。 自分の娘が巻き込まれたのは偶然といえど、手引きした罪はあるだろ。 人質は居なくなったと思った矢先に、しっかりと人質と共に現れるのは怖いな。 「からたねおがたま」 止めたのは見知らぬ人で。 性的なものは気付きずらいだろうが、知った時の衝撃は凄いだろうな。 どういう意味を持つ行為か理解していなくとも、遊び感覚なのは悲しい事だな。 「その一言を」 無意識にものを盗む手に。 注意はしか出来なかったのだろうが、実害が出てからでは遅いだろう。 逃げる事が出来なかったのは仕方ないが、一人で行動させるのは危険だったろ。 「彼女は死んだ」 物語の結末は二人の秘密。 作者ではなく読者が見入るのは嬉しい事だが、透過し過ぎたのだろう。 作中から導き出した答えだったのだろうが、主人公のモデルは誰だったのだろ。 「タイトル未定」 読みましたと問われる度。 確認せず軽率にした事が、自身の身を危険に晒すなんて有り得るだろ。 誰がどこで何を見ているなんて、簡単に気付くことができないからこそ怖いな。
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★★★ 今月3冊目。 いやーこの人の本はだいたいわかってきた。 家系とか桐野夏生みたいな気持ち悪い文章。 女性作家だけど、頭はだいぶぶっ壊れてるな。好きだけど。 まだまだこの作家さん掘ってきます。
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表題作の「死んでもいい」を読んで ちょっと嫌な感じの作品だなぁと思ったが 全体的にイヤミスならぬイヤ本だったが いろんなバリエーションの嫌な話がおもしろかった! 技巧に満ちた嫌な感じの「その一言を」 意外に読後感はいい「からたねおがたま」 逆に読後感の悪い「ママがこわい」「彼女...
表題作の「死んでもいい」を読んで ちょっと嫌な感じの作品だなぁと思ったが 全体的にイヤミスならぬイヤ本だったが いろんなバリエーションの嫌な話がおもしろかった! 技巧に満ちた嫌な感じの「その一言を」 意外に読後感はいい「からたねおがたま」 逆に読後感の悪い「ママがこわい」「彼女は死んだ」 メタ的な「タイトル未定」
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※このレビューにはネタバレを含みます
短編も悪意が凄い…どす黒い気持ちのままで終わるお話も、当人たちには救いだったのかも?となるお話もありました。 「その一言を」と「タイトル未定」、どちらも電波…と思いました。「その一言を」の締めの一文がいちばん狂気。でも「その一言を」、本人たちは悪くなくて育てられた相手と育った環境がかなり悪かったのが原因という心苦しさはありました。 「タイトル未定」は作者が自身で遊んでいて面白かったですがよく考えたら怖い。盗作されたと思いこんで起こってる事件あるから現実的じゃなくはないので…商業作家じゃないけど身近でもあったので、本当にこういう人いるよね…という恐怖でした。妄想を信じ込んでる人はその世界に生きてるから極力関わらないどこうと思うけど、ひょんな事で関わられたりするので。わたしも気を付けようという自戒を込めて。 「彼女は死んだ」はほのぼの読みました。櫛木理宇でわりとほのぼのするとは思わなかったです。
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1作づつ、それなりにまとまった短編集。 さすがに、どれも上手い。 とはいえ、個人的には、長編のほうが活きる作者だと思う。
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屈折した闇の心が怖かった。 本人達しかわからない闇。 ママが怖い。は、女性の執念が最後に見えて本当怖かった。。その一言を。や、タイトル未定。は、なんとも言えない、現実的にありそうでいて、でも非現実的で、背筋がぞっとする怖さだった。 短編集で読みやすく、面白かった。
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なんとも毒々しい短編集。何これ大好き。 ゾッとするような人間の闇をこれでもか!と見せてくる短編6話。一つ残さず面白かった。 なんとなく全体的に気味が悪くて気持ち悪いんだよな。よくこんなに色んな種類の人間の歪みを気持ち悪く、切なく、腹立たしく描けるもんだなあ。 期待よりも...
なんとも毒々しい短編集。何これ大好き。 ゾッとするような人間の闇をこれでもか!と見せてくる短編6話。一つ残さず面白かった。 なんとなく全体的に気味が悪くて気持ち悪いんだよな。よくこんなに色んな種類の人間の歪みを気持ち悪く、切なく、腹立たしく描けるもんだなあ。 期待よりも更に斜め上をいくどんでん返しをバシバシ叩きつけてくる。毎話読んでて本当に気持ちがいい短編集でした。 イヤミスと呼ばれるのかもしれないけど私にとっては全然イヤじゃないです。 最後の「タイトル未定」はまんまと作者に弄ばれた感があってやだもう、好き。笑 櫛木理宇さん、好きな作家の仲間入り。
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6篇の短篇集。 ここまで人間の暗部を抉り出してくるとは…。 想像外の世界で、先入観をことごとく打ち砕いてくれる。 「ママがこわい」なんてある意味誰を指して言っているのか…ラストでまさか⁇と思わせてしまうところがもっとこわい。
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初めましての作家さん(多分)タイムラインで見かけて気になっていた一冊です。 これはいいイヤミスを読んだ。特に「ママがこわい」がお気に入り。厭な女を描くのがお上手だ。どの話も意外な結末が用意されており、面白かった。
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登場人物がなんだか厄介で嫌な人ばかり! 読めば読むほど嫌な気分になってくる、だけれど読む手を止められないミステリ短編集。毒がたっぷりなのだけれど、なんだか読後感はすっきりするような気がしなくもありません。 お気に入りは「その一言を」。一番嫌な話だと思うのですが、一番結末が収まるべ...
登場人物がなんだか厄介で嫌な人ばかり! 読めば読むほど嫌な気分になってくる、だけれど読む手を止められないミステリ短編集。毒がたっぷりなのだけれど、なんだか読後感はすっきりするような気がしなくもありません。 お気に入りは「その一言を」。一番嫌な話だと思うのですが、一番結末が収まるべきところに収まったように感じました。傍目には恐ろしい惨劇であり悲劇としかいいようのない事件なのですが。普通ならば到底理解できないであろうと思えた最後の一文がすとんと腑に落ちてしまったところが凄いです。 「ママがこわい」も本当に怖い。ここまで極端でないにしろ、こういう人っていそうだもの。そしてその裏に隠された作為と、それが招いてしまう結末。これは案外、喜劇として読めるかもしれません。
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