じっと手を見る の商品レビュー
連作短編。 「覚えておいて」 「あんたのおじいちゃんはね。...まだ、死んじゃいないけど、腕のいいケーキ屋なの。だから、あんたも、将来、ケーキ屋になりなよ。 あと、大人になったら、お酒には注意すること。わかった?」 窪美澄さんの小説は、心の弱いところ突いてきて、揺さぶられる。 ...
連作短編。 「覚えておいて」 「あんたのおじいちゃんはね。...まだ、死んじゃいないけど、腕のいいケーキ屋なの。だから、あんたも、将来、ケーキ屋になりなよ。 あと、大人になったら、お酒には注意すること。わかった?」 窪美澄さんの小説は、心の弱いところ突いてきて、揺さぶられる。 フラフラしていて半端な畑中が、人と距離を詰めるのが怖くて離れられるよう嫌な事する畑中が、泣かせてきた。
Posted by
どうしてこんなにも自分を愛してくれて必要としてくれる人がいるのに違う誰かに惹かれてしまうのだろう。 恋とは本当に恐ろしいものだなと思った。 色んな人を傷つけ、巻き込んでまでも己の愛の為に突き進んでしまう。 最後に残るものは同じなのに自分の気持ちに嘘はつけずに、後悔することがあって...
どうしてこんなにも自分を愛してくれて必要としてくれる人がいるのに違う誰かに惹かれてしまうのだろう。 恋とは本当に恐ろしいものだなと思った。 色んな人を傷つけ、巻き込んでまでも己の愛の為に突き進んでしまう。 最後に残るものは同じなのに自分の気持ちに嘘はつけずに、後悔することがあっても人を愛してしまう。 切なくて苦しい話だった。
Posted by
4人のそれぞれの視点から見れば抱えてる気持ちも理解できる、けどどれも共感はしない。 もっと若い頃に読んでいたら恋することに苦しくなっていたのかな。 魅力的な宮澤さんに溺れる気持ちが今だと懐かしく感じる。 届きそうで届かない人に焦がれて、相手も届かない人に焦がれて、の繰り返し。 ...
4人のそれぞれの視点から見れば抱えてる気持ちも理解できる、けどどれも共感はしない。 もっと若い頃に読んでいたら恋することに苦しくなっていたのかな。 魅力的な宮澤さんに溺れる気持ちが今だと懐かしく感じる。 届きそうで届かない人に焦がれて、相手も届かない人に焦がれて、の繰り返し。 4人の摩擦がどこに向かうのか切なくもどんどん傷が深くなり、ひとりになった時ようやく気づくことがある。 たびたび登場する富士山も、美しく描かれがちだけど樹海の死のイメージや地元の億劫な記憶の象徴として描かれていて印象的だった。 そして海斗はすごくいいヤツ。 不器用なんだけど、優しい心を持った幸せになってほしいいいヤツ。
Posted by
不倫において情熱的な愛を描くものはよく見るけれど、その情熱が過ぎ去ってしまったあとの惰性のような関係を描くのは初めて読んだので、とても虚しく強く印象に残りました。 皆なにかを抱えた重たい心理描写も、項目ごとに登場人物の視点が切り替わるのもとても読みやすかったです。第1章の性描写...
不倫において情熱的な愛を描くものはよく見るけれど、その情熱が過ぎ去ってしまったあとの惰性のような関係を描くのは初めて読んだので、とても虚しく強く印象に残りました。 皆なにかを抱えた重たい心理描写も、項目ごとに登場人物の視点が切り替わるのもとても読みやすかったです。第1章の性描写の描き方がとても好みでした。 窪美澄さんの小説は初めて読みましたが、作風が好きでしたので他の作品も読んでみようと思います。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
極めて現代的に解釈する愛の在り方のようなものに、あまり当事者意識を持てないのは、何かが不在していることに対しての喪失感のようなものの本質から、逃げ続けているだけだからなのか。逃げ続けているつもりはなく、無意識的に目を背けている(のかもしれない)、という表現が近いか、どちらにしろそれを認めるまでには時間がかかりそうだし、というかその当事者意識みたいなものもいつか手に入れることになるのかもしれないけど、今のところはやっぱりどうでもよく、でも逆に原初状態の愛みたいなものには凄く心揺さぶられるものがあって、それとこれとはどうにかくっつかないものなのかを落ち着いて思案するためにも、磁場がほしい。ということは結局、何かの不在に過敏ではあって、むしろ、不在が不在していて、それが虚しくて、悲しいだけなのかもしれない
Posted by
一人になりたい、誰かといたい、孤独でいい、そばにいてほしい 誰かを支えたい、必要とされたい、誰も自分を知らないところに行きたい 登場人物全員の、一部分に自分が当てはまる気がして、しんどくも愛おしかった めんどくさく、愛おしい
Posted by
喉がカラカラになった。涙がジワって溢れた。死んだ親父とおふくろのことまだ終わってないんだよな。みんな元気にしてるのかな。
Posted by
それぞれの登場人物の不完全さと脆さと情けなさがあまりにも人間らしくて、仕方なくて、愛おしかった。年齢だけ重ねても大人は大人になれないのかもしれない。みんなが騙し騙し生きている現実を、赤裸々に、正直に、自分しか知らないような秘密を開示するように語られる小説でした。それぞれの人がそれ...
それぞれの登場人物の不完全さと脆さと情けなさがあまりにも人間らしくて、仕方なくて、愛おしかった。年齢だけ重ねても大人は大人になれないのかもしれない。みんなが騙し騙し生きている現実を、赤裸々に、正直に、自分しか知らないような秘密を開示するように語られる小説でした。それぞれの人がそれぞれの場所で生き、そして死ぬ。世の中って不思議。 「こんなにも間違った人間であることを自覚した上で関わり合いたいと願うほど、あなたは大切な存在なのです、という決意表明。」という朝井さんの解説での文章が素敵だなと思いました。
Posted by
地方都市の男女の恋愛模様を描いているだけなのだが、なぜか読み続けてしまう。よくある男女関係の聞き飽きたトラブル。それでもストレスなく完読できたのは著者の文章ゆえだと思う。 あえてありふれた不幸を描いたのでは、とさえ思える。退屈な人生をメリハリなく漂う登場人物たち。一方で紡ぐ文章は...
地方都市の男女の恋愛模様を描いているだけなのだが、なぜか読み続けてしまう。よくある男女関係の聞き飽きたトラブル。それでもストレスなく完読できたのは著者の文章ゆえだと思う。 あえてありふれた不幸を描いたのでは、とさえ思える。退屈な人生をメリハリなく漂う登場人物たち。一方で紡ぐ文章は上手さを感じさせないほど乗り心地が良い。 この著者はスキャンダラスな題材がウリのように思われているが、本質的には文体作家なのではないだろうか。
Posted by
介護士として働く地方民を石川啄木の短歌「働けど働けどじっと手を見る」に重ねて読んだ。一生食いっぱぐれない職と地方では謳われているけど、一生安泰かと言われたら違うもんなぁ。介護についても色々考えてしまう。正直、自分よりも未来のある若者になけなしの給料で介護されるのなら、自分の力で生...
介護士として働く地方民を石川啄木の短歌「働けど働けどじっと手を見る」に重ねて読んだ。一生食いっぱぐれない職と地方では謳われているけど、一生安泰かと言われたら違うもんなぁ。介護についても色々考えてしまう。正直、自分よりも未来のある若者になけなしの給料で介護されるのなら、自分の力で生きて行けなくなった時点で人生の終止符を打ちたいなぁと本気で思う。自分が年取るまでに日本で安楽死制度はできるのかな。 地方民と都会民の超えられない壁の描写も胸に沁みた。人生はいくらでも変えられると言う人もいるけど、結局は生まれた環境が自分の人生の基盤で、どう頑張ってもそこは覆せないんじゃないかなぁと思う。そこを覆すのではなく、その基盤でどう幸せを見つけていく事が、長い人生を過ごす上で大切なんじゃなぁかな。一人一人基盤が違うのだから、自分の価値観を人に押し付けるのは何とも烏滸がましい事なのだと思った。
Posted by
