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兄の終い の商品レビュー

3.9

90件のお客様レビュー

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2021/10/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み始めから、この先どうなっちゃうの?と引き込まれる構成で、文章も読みやすくするすると読み終えることができた。迷惑ばかりかけられて縁を切りたいとずっと思っていた兄が、遠く離れた宮城県で急死したとの警察署からの連絡。「なんで私が?」と言いたい気持ちをこらえ、叔母や兄の元妻と一緒に遺体引き取り、火葬、色々な事務届出やアパートの片づけ、小学生である甥っ子の転校手続きなどを一気に行っていく。そんな中で、大嫌いな兄も必死に生きていたという事実に気づくという話。 こんな大変なことに巻き込まれながらも、こうやって文章におこすことで自分の気持ちを客観視して整理することができたんだろうなあと思う。雑多な手続きは参考になった。こんなことになりそうな親戚は今のところいないけれど。つらいだろうなあと思ったのは、兄は離婚したときに3人の子どもがおり、末っ子の小学生を引き取ってふたり暮らしだったということ。脳出血で倒れた父親の凄惨な最期を発見したのはこの甥っ子であり、その心の傷を思うと胸が痛い。そして元妻のところに引き取られることになったけれど、大事な息子にそんな経験をさせてしまった母親の心の痛みを思うと、これもまたつらい。父親の急死により、児童相談所、里親、転校と短い期間に居場所を転々とし、大好きな友達と離れなくてはいけなくなった甥っ子の気持ちを思うと悲しくなる。優しい大人がたくさんいて救われたけど。 このお兄さん、発達障害があったのかもしれないなと思った。生きにくさを自分でもどうしたらいいかわからなかったんだろうなあ。

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2021/10/20

私の50代で亡くなった次兄を思い出した。 この兄と同様にどうしようもないダメな男で、飲み過ぎで糖尿病になって色んなところに借金を作って離婚してしまった。でも優しかったな。自分に優しい分だけ他人にも優しかった。 作者の心情がなんとなく分かる、ちょっと物悲しい内容でした。

Posted byブクログ

2021/10/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

すらっと読めた 家族だから肉親だからっていう繋がりをとっぱらった上で自分の兄との最後。 知ってることと知らなかったこと、思う気持ちと今までにあったことによっておこる思い。 素直につるんとそういうものが書いてあって、家族だから家族なのに、肉親なのにっていうものがあるようでないようであって、良かった。

Posted byブクログ

2021/09/10

そうだ、これ小説じゃなくて事実だった、と途中で何度も思い返すほどの内容であっという間に読了しました。これを本にされたことが何よりのお兄様へのご供養ですね。 この方の本を初めて読みましたがとても読みやすかったので他の作品も読もうと思います。

Posted byブクログ

2021/09/07

軽くてサクサク読めた。 人一人死ぬ、ってその後が大変なんだなぁ。 すごくリアリティ溢れてた。 兄を許せない気持ち、すごくわかる。 元嫁やお子さんが一緒にいてくれて救われたんだろう。 彼女たちに罪は全く無いし。 そして 良一くんの人生に幸多かれ!

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2021/08/26

夜に知らない番号から着信 それは、疎遠になってた兄が亡くなったという警察からの知らせの電話… 小説かと思ったら、ノンフィクション ↑ この下に続きの感想書いてたのに消えてる 借金問題で疎遠になってた兄 離婚して小学生の息子を引き取ってた兄 心だけは優しいと言われてた兄 手先...

夜に知らない番号から着信 それは、疎遠になってた兄が亡くなったという警察からの知らせの電話… 小説かと思ったら、ノンフィクション ↑ この下に続きの感想書いてたのに消えてる 借金問題で疎遠になってた兄 離婚して小学生の息子を引き取ってた兄 心だけは優しいと言われてた兄 手先が器用だった兄 仕事は早く決まるが長続きしない兄 いろんな顔を持つ兄 その兄が突然亡くなってからの5日間の出来事の話 離婚して離れて暮らしてたお母さんが息子を引き取りますって言ってもなかなかすぐには引き取れないのに驚いた。 そして、遺品整理は大変。 生きてるうちに、物は減らそう。

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2021/08/21

軽いタッチではあるが、先日読んだ「全員悪人」とは違って、私にとってはとても身につまされると言うか、きついし、現実的な話だなと思いました。多分、書かれてる目線が違うからかな。どちらにしても、身辺整理は常に意識しないといけないと強く感じました。

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2021/09/21

2021/08/15予約 淡々と激動の5日を書いてある。 元お嫁さん、兄の実子である娘が手を貸してくれたおかげで、かなり物事が片付いた。 ヘビーな話だけど、自分には母親だけが存命だが、手を貸してくれる人はいない。 場所も新幹線と在来線で何時間もかけて行く場所。 いつかは、これ...

2021/08/15予約 淡々と激動の5日を書いてある。 元お嫁さん、兄の実子である娘が手を貸してくれたおかげで、かなり物事が片付いた。 ヘビーな話だけど、自分には母親だけが存命だが、手を貸してくれる人はいない。 場所も新幹線と在来線で何時間もかけて行く場所。 いつかは、これが自分の身にも起こるのだろう… 著者と兄の関係性が、自分と母の関係性に似ているので、なんとなく状況が透けて見える。 知らなかったこと。死亡検案書を書くのは、医者により金額が違う、5万から25万らしい… それに一番驚いた。

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2021/07/27

始まりは見知らぬ電話番号からの着信だった。声の主は著者に 告げる。 「お兄様のご遺体が、本日午後、多賀城市内で発見されました」 確執もあり、疎遠になっていた兄の死を知らせる警察官からの 電話ですべてが始まった。父も、母も、既にこの世にいない。 妹である著者は、「兄の終い」の為...

始まりは見知らぬ電話番号からの着信だった。声の主は著者に 告げる。 「お兄様のご遺体が、本日午後、多賀城市内で発見されました」 確執もあり、疎遠になっていた兄の死を知らせる警察官からの 電話ですべてが始まった。父も、母も、既にこの世にいない。 妹である著者は、「兄の終い」の為に住まいのある滋賀県から 宮城県多賀城市へ向かう。 と、書くと非常に重い内容だと感じるかもしれない。否、死後の 整理なのだから重いのには変わらないのだ。だが、著者の筆致と、 著者と共に「兄の終い」を共同作業する元妻の気立ての良さが 相まってぐんぐんと読ませる。 私事になるが、20年近く音信不通だった身内がいる。家族に迷惑を かけた上での失踪だった為、当初は「頼むから死んでくれ」とまで 思った。もし、著者の兄のように亡くなっていたら、私はどうした だろう…と考えてしまった。幸い(?)現在は居所も分かり、連絡 も取り合っているが…。 荷物が溢れ、油とほこりにまみれたアパートで兄の残したものを 次々とゴミ袋に放り込んでいるうちに、著者は履歴書を見つける。 その志望動機の欄には真面目過ぎるほどの文章が連ねられていた。 離婚した際に親権を得た息子との二人暮らし。体を壊し、生活保護 を受け、貧困から這い上がることなく、誰にも看取られずに死んだ 兄。だが、その部屋には、どうにか生活を立て直そうとしていた 兄の、生きた証があった。 久し振りに一気読みした作品。笑って、泣いて、考えさせられる 作品だった。

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2021/07/10

県警からの突然の電話。 関わりあいたくないたった一人の兄が 突然死したとの連絡を受けることから始まる。 発見したのは小学生の息子(甥っ子)。 重たい内容になる話だけれど 軽快な文章で、一気読み。 兄の終いを元嫁ちゃんと片づけてしまうまでの ドタバタの数日間のお話。 元嫁ちゃんが...

県警からの突然の電話。 関わりあいたくないたった一人の兄が 突然死したとの連絡を受けることから始まる。 発見したのは小学生の息子(甥っ子)。 重たい内容になる話だけれど 軽快な文章で、一気読み。 兄の終いを元嫁ちゃんと片づけてしまうまでの ドタバタの数日間のお話。 元嫁ちゃんがしっかりしていてすごい!母は強し! 兄妹でも知らないことばかりかもね。 人が亡くなるって、改めてその人のことを考えるね。 ダメダメなお兄さんだったかもしれないけれど、 頑張っていたこと。 子どものことを大切にしていたことがわかってよかった。

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