弁護士ダニエル・ローリンズ の商品レビュー
引くぐらい面白かった。星10つけたいぐらい。 物語の展開は当然のことながら、テーマ、メッセージ性、登場人物の魅力、文体、翻訳、カタルシス度などなど、すべてが完璧。 面白い本は数あれど、こんなに自分にピタリとハマる本はなかなかない。 社会の不条理や人間の非情さに怒り、悲しみ、それで...
引くぐらい面白かった。星10つけたいぐらい。 物語の展開は当然のことながら、テーマ、メッセージ性、登場人物の魅力、文体、翻訳、カタルシス度などなど、すべてが完璧。 面白い本は数あれど、こんなに自分にピタリとハマる本はなかなかない。 社会の不条理や人間の非情さに怒り、悲しみ、それでも立ち向かう一部の善良な人に心揺さぶられ続けた。感情が動き過ぎてしんどくなるぐらいだった。 なんといっても主人公がいい。最初は、大丈夫かこいつ、浮気するとか最低だし、と思っていたのに、いつのまにかダニを応援していて、読み終わった後には、万が一自分が事件に巻き込まれたら、絶対ダニに弁護してもらいたいと思うまでになっていた。 ヴィクター・メソス氏、初めて知ったのだが、邦訳されてるのはまさかのこれ一冊。信じられん。 シリーズ物もたくさん執筆されているそうなので、ハヤカワでも東京創元でもどこでもいいから、一刻も早く出版してほしい。本当にお願いします。 ちなみに、本作は2019年のエドガー賞を逃したらしく、これに勝つ本ってどんなんよ!?と逆に気になって調べたのだが、ブクログでの評価はあまりよくないしハードボイルドだし、いまのところ読む気にはならなそう。
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リーガルサスペンスというより、キャラクタードラマとしてシンプルに楽しむ。 作者は弁護士でも結構活躍した人と、作者紹介にあった。 同じような作家ではフェルデナンド・フォン・シーラッハの『犯罪』を読んだことがある。 そこでは同じ主人公目線でも「対象者(登場人物)を客観的に観察」して...
リーガルサスペンスというより、キャラクタードラマとしてシンプルに楽しむ。 作者は弁護士でも結構活躍した人と、作者紹介にあった。 同じような作家ではフェルデナンド・フォン・シーラッハの『犯罪』を読んだことがある。 そこでは同じ主人公目線でも「対象者(登場人物)を客観的に観察」していたのに対して、こちらは法廷弁護士自身の「お仕事」ドラマといったところ。 弁護士は「依頼者の味方、それも報酬分」は現実で、一部の企業弁護士等を除きけっこうな数の案件を同時進行していかないと、なかなか思った収入を得ることはできず、そんなに楽な仕事ではない。その描写は十分に伝わる。 それでも、テーマで取り上げている「少年犯罪」「人種差別」「障害者の自立」「裁判制度の矛盾」の描き方が、どこか「ステレオタイプ」に見えてしまう。 また、主人公を周辺とした「正義の味方」の白人の美男美女が、リベラルを振りかざしているところも、ちょっと……ネ。 そうはいっても終盤の裁判シーンはなかなかで、テレビの2時間ドラマのように盛り上がる。 読みやすく分りやすいので、(文句が多い割に)大いに楽しんだ。
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ミステリーというよりはリーガル社会派小説という感想。信じられないけど最悪よりさらに悪い状況が次々起きる。アメリカの司法の世界ってこんな感じなの?とドン引き。著者自身元アメリカ法曹界に携わっていた人らしく、後書きに火のないところから小説のネタは出てこない的なこと書いてあったのでガチかも…。勉強になりました。
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んー、翻訳が微妙なのかなんなのか 淡々と描かれてるなぁって感じです 描写とかにあっ!と感動するようなものはなかった
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とても読みやすく、先が気になるストーリー。「酔いどれバツイチのお人好しモテ美人弁護士(裏表紙より)」ダニエルは、そんなことよりも正義感が強く、作者が訴えたいのはいまだに強く残る人種差別問題。ユタ州って全米屈指の治安の良さ(モルモン教のおかげ)って昔聞いたことあったけど、今は他と同...
とても読みやすく、先が気になるストーリー。「酔いどれバツイチのお人好しモテ美人弁護士(裏表紙より)」ダニエルは、そんなことよりも正義感が強く、作者が訴えたいのはいまだに強く残る人種差別問題。ユタ州って全米屈指の治安の良さ(モルモン教のおかげ)って昔聞いたことあったけど、今は他と同じくワイルドな面もあるのだね。3.6
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久しぶりにこの手のミステリーを読んだなあ。 法廷シーンはグリシャムほど緻密じゃないし、ヒロインの逞しさはパレツキーほど強烈じゃない。その程々さがまず良い。 そしてユタ州という舞台を生かした政策や人種差別といったリアルさを組み込み、知的障碍者とその周囲の辛さも散りばめ、でもつまみ食いにならない感じで上手くまとめているのが、また良い。 面白くて一気読み。楽しかった!
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飲んだくれ(失礼)の弁護士が、障がい者が絡む不可解な事件に挑む。 アメリカならではなのかもしれませんね、こう言う問題は。人種にからむ問題は、今のアメリカそのものだと思います。 最後のどんでん返しは、お見事。それが、被告人の家庭に関する不可解な事情に繋がるとはね
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リーガル小説で、アメリカの司法、裁判制度についての知識が得られる。 それと共に黒人差別の深刻な根深さも知る事が出来る。 そんな結構なバックグラウンドなのに主人公は、飲んだくれの女性弁護士で、 自身の浮気の所為で家庭を壊しておきながら離婚した夫に未練が有るという。 でも周囲の登場人...
リーガル小説で、アメリカの司法、裁判制度についての知識が得られる。 それと共に黒人差別の深刻な根深さも知る事が出来る。 そんな結構なバックグラウンドなのに主人公は、飲んだくれの女性弁護士で、 自身の浮気の所為で家庭を壊しておきながら離婚した夫に未練が有るという。 でも周囲の登場人物から言わせると美人らしい。ふうん。 調査員で金持ちで、若くして(32歳?)フィジーでリタイア生活をしようとしているウィルはダニエルにぞっこん(へ~え) 話しは深刻な筈なのにコミカルな場面が続くという、もう何か凄い設定。 主人公の弁護活動もハチャメチャな感じで、法廷で検事や判事をコケにしたり、 刑務官に暴力を振るうとか、おいおい懲戒制度って無いのか?と 知的障害者である黒人少年が麻薬取引をしたということで逮捕されるが、 それを利用して少年法を変えようとする検察や、それに協力する判事の陰謀を阻止すべく、孤軍奮闘するダニエル。 形勢は不利ながら最後は勝利するんだが、ご都合主義すぎるだろ?と。 破天荒リーガル小説ってジャンルになるのかな? 内容(「BOOK」データベースより) ソルトレイク・シティの刑事弁護士ダニエルは、元夫の再婚が決まり、連日二日酔い出廷中。 そんなある日、麻薬密売容疑をかけられた知的障害のある黒人少年の弁護依頼が。 未成年なので簡単に不起訴処分に持ち込めるかに思えた。 だが、いざ調査を進めてみると、少年は誰かに利用されたとしか思えないのに、何故か検察も判事も実刑判決にする気満々で…酔いどれバツイチのお人好しモテ美人弁護士が社会の闇を吹き飛ばす! 著者について アフガニスタン、カブール生まれ。 ユタ大学法学部卒。検察官を経て、刑事弁護護士に。 《ユタ・ビジネス》誌において「マウンテン・ウェスト地区でもっとも名誉ある弁護士」のひとりに選ばれる。 2011年『The Extinct』で小説家デビュー。 2019年に本書でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞にノミネートされる。 その他50冊以上の小説の著書がある。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) メソス,ヴィクター アフガニスタン・カブール生まれ。 ユタ大学法学部卒。検察官を経て、刑事弁護士に。 “ユタ・ビジネス”誌において「マウンテン・ウェスト地区でもっとも名誉ある弁護士」のひとりに選ばれる。 2011年The Extinctで小説家デビュー。 2019年に『弁護士ダニエル・ローリンズ』でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞にノミネートされる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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読み終えて思わず、ヒュー!と口笛が出たよ。 気の利いたジョークで進んでいく軽い読み物のつもりで読んでいたのだけれど…ラスト60ページほどが読ませます。スピーディで手際いい語り口ながら、重い現実も盛り込んで、ぐいぐい来ます。 ミステリとしての弱さは少々あるけれど、シメも見事で、...
読み終えて思わず、ヒュー!と口笛が出たよ。 気の利いたジョークで進んでいく軽い読み物のつもりで読んでいたのだけれど…ラスト60ページほどが読ませます。スピーディで手際いい語り口ながら、重い現実も盛り込んで、ぐいぐい来ます。 ミステリとしての弱さは少々あるけれど、シメも見事で、楽しかった。
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「コロナによる自粛」のために「対策」として買った2冊の単行本は、読むタイミングを逃し。 そのままズルズルと文庫本を読み漁る日々に戻る。 で、読んでみるとこれが「人種差別」を扱うタイムリーな話だった。 (2020年07月) 麻薬取引の容疑で少年が逮捕される。少年に不利な証拠が多く...
「コロナによる自粛」のために「対策」として買った2冊の単行本は、読むタイミングを逃し。 そのままズルズルと文庫本を読み漁る日々に戻る。 で、読んでみるとこれが「人種差別」を扱うタイムリーな話だった。 (2020年07月) 麻薬取引の容疑で少年が逮捕される。少年に不利な証拠が多く、まともな証人もいない。少年は知的障害を持ち、厳重な売人とのコネや、計画的な犯行が不可能なのだが… 弁護士のダニエルは、調査員ウィルの手を借りながら奮闘する。 司法制度や、人種差別についてはカバーの見た目からの印象よりだいぶ重たいテーマを真面目に扱っています。 根の深い問題、巨大な敵に主人公がどのように立ち向かうのか!?で読ませます。 そしてなんといっても主人公をはじめとした登場人物が魅力的 ダニエル・ローリンズ 本書の主人公、モテ女、連日二日酔い、ボロボロのスニーカー、 元夫のステファンが、めっちゃ好き ステファン ダニエルの元夫、ペイトンと婚約中 ペイトン ステファンの恋人、狩猟が趣味 ウィル ダニエルの調査員、イケメン、実業家 ダニエルのこと、めっちゃ好き テディ ダニエルの依頼人の少年 スポンジ・ボブがめっちゃ好き (他にも妙な奴が色々出てきますがひとまず) ダニエルの悪態のつき方やセンスが好き。(嫌いなペイトンにつけるあだ名が毎回変わるのも面白かった) ウィルは男でも惚れるくらいの快男児 ダニエルは、結構感情で突っ走るタイプ、「駄目だ」と言われてもやるし 「無理だ、やめといた方が」と言われてもタックルをかますヤツ。 最後まで諦めない姿が、帯通り 読み終えてスカッとした。 2冊連続だけど、続編や この著者の作品をもっと読みたいので 星五つ
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