罪人の選択 の商品レビュー
◆おすすめ度◆ ・ちょっと前のSFなのに「今」を感じるSF小説度:★★★★ ・バラエティに富んだ作風度:★★★ ・ドキドキのサスペンス度:★★★ ◆感想◆ 1987年から2017年にかけて発表された短編集。 SF3篇とミステリー1篇。 『夜の記憶』 若さと瑞々しさを感じるSF...
◆おすすめ度◆ ・ちょっと前のSFなのに「今」を感じるSF小説度:★★★★ ・バラエティに富んだ作風度:★★★ ・ドキドキのサスペンス度:★★★ ◆感想◆ 1987年から2017年にかけて発表された短編集。 SF3篇とミステリー1篇。 『夜の記憶』 若さと瑞々しさを感じるSF小説。 海中をさまよう生物の思索的パートと、地球上のカップルが「思い出づくり」をするパートが交互に描かれる。 2つのパートがどう交錯するのかが読みどころ。 哀愁がこもってます。 『呪文』 植民地惑星「まほろば」の調査に赴いた金城は、現地で不思議な信仰に遭遇する。いったい「マガツ神」とは何なのか? という人間の情念と破滅的な世界と人知を超えた存在を描いたSF。 ホラーっぽい雰囲気もおどろおどろしくていい感じ。 クール(非情)なAIの描写にも説得力あり。 『罪人の選択』 「罪人」の前に出された一升瓶と缶詰。生き残るにはどっちを選択するのが正解なのか。様々な推理と思考の結果、選んだ答えは!? 交錯する2つの「罪人の選択」が、匠の技のミステリー。 『赤い雨』 「チミドロ」という遺伝子工学で作り出された藻類が地球を覆ってしまい、生き物は絶えようとしている『赤い雨』の世界。 毎日報道される新型コロナウイルスによるパンデミックが、「事実は小説より奇なり」な現実をみると、物語の世界がリアルに思える。 というか、現実は良くも悪くも人間の思考を超えている。 自然や宇宙の前では、人間なんてミジンコと同じ扱いなんだなあ。 『赤い雨』のようなパンデミックが起きた世界から脱するには、『罪人の選択』のような究極の選択が迫られるかもしれない。 「正解」を選択できればいいが、「ハズレ」た場合は「マガツ神」に『呪文』を唱えたくなる時が来るのかも。 『夜の記憶』のような手段でしか生き残れない、なんていう事にならないよう、引きこもって本でも読んでいよう。 (うまくまとまった!)
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久しぶりの貴志祐介作品。短編を読むのは初めて。「呪文」と「赤い雨」は『新世界より』風の“らしい”SFで、引き込まれた。特に後者は今のコロナ禍と重なる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2020.4.8読了。『赤い雨』はSFで、感染症と治療法を探す研究者の医師の話で、時節柄ゾクゾクしたが、やはり貴志さんにはSFではないものを書いてほしい。『罪人の選択』しかピンと来なかった。
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久々の貴志祐介さんの作品。 思っていた程はまらなかった… 表題にもなっている、罪人の選択が1番すきだったけど、最近は衝撃のどんでん返しのある作品ばかり読んでいたからか少し物足りなかった。
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罪人の選択は引き込まれた。オチは途中でわかるように書かれていた気がしたけど、それでも抜群に面白い。 ほかは、期待が高かっただけにちょっと残念。SFより人間的な怖さを描く方が貴志祐介作品としては好きだな。
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貴志祐介さん2年半ぶりの新作(過去に発表した作品等を収録)。水生生物の”彼”が荒廃した海を突き進むSF「夜の記憶」、信仰調査の為に惑星に派遣された主人公を描いたSF「呪文」、生きるか死ぬかの選択を迫られる罪人の葛藤を描くミステリー「罪人の選択」、謎の生物チミドロによって地球が赤く...
貴志祐介さん2年半ぶりの新作(過去に発表した作品等を収録)。水生生物の”彼”が荒廃した海を突き進むSF「夜の記憶」、信仰調査の為に惑星に派遣された主人公を描いたSF「呪文」、生きるか死ぬかの選択を迫られる罪人の葛藤を描くミステリー「罪人の選択」、謎の生物チミドロによって地球が赤く蹂躙されるパンデミックSF「赤い雨」の短編4本(SF3本+ミステリー1本)を収録。個人的には表題の「罪人の選択」が最後まで緊張感があり一番面白かった。
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初期の作品からちょっと前までの作品を4編集めた短編集です。 SFを中心としていて、3編が近未来、1編が過去の世界に設定されています。個人的に全て共通していたのは、不気味さでした。読みづらさはありましたが、段々と慣れていくにつれ、独特な貴志ワールドにつれていかれるようで、貴志さんの...
初期の作品からちょっと前までの作品を4編集めた短編集です。 SFを中心としていて、3編が近未来、1編が過去の世界に設定されています。個人的に全て共通していたのは、不気味さでした。読みづらさはありましたが、段々と慣れていくにつれ、独特な貴志ワールドにつれていかれるようで、貴志さんの原点を読んだ感覚がありました。 初期の作品「夜の記憶」では、言葉の表現が堅苦しく、なかなか世界観を掴められなかったのですが、独特の世界観がありました。構成も独特で、原石を読んでいる印象がありました。 「呪文」では、「新世界より」っぽい雰囲気を醸し出していました。惑星で起きる奇妙な現象や昆虫など不気味さが文章から滲み出ていて、一種の恐怖感がありました。 「罪人の選択」が個人的には、スーッと世界観が入り込めやすく、一番面白かったです。二つの時代で起きた毒殺事件の真相が、ゾワっと後味が残る不気味さを醸し出していました。二人の緊迫した心理戦が読み手にまで伝わり、背筋が凍りました。さらに意外な展開に発展し、短編ながらも満足感がありました。 「赤い雨」では、読んでいて頭をかすめたのが、新型コロナウィルスでした。現象が似ているところがあり、もし近未来に新たなウィルスが誕生した場合、最終形態として、こうなるんじゃないかと思ってしまいました。短編でしたが、長編を読んでいるようで、ボリューム感がありました。 「鍵のかかった部屋」のようなミステリーではなく、「新世界より」のような近未来感が好きな方には、おすすめかと思います。
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【二年半ぶりの新刊は、魅力を濃縮した短編集】本格的デビュー前の?幻の短編?に加え『新世界より』刊行直後に発表したSF、歴史を越えた本格ミステリなど単行本未収録作が結集!
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