NHK100分de名著ブックス 実存主義とは何か サルトル の商品レビュー
精神の自由について関心があり、自由という単語から、サルトルを連想してkindle版を購入。副産物として『嘔吐』の理解が深まって良かった。 ◆実存は本質に先立つ サルトルの実存主義のスローガン「実存は本質に先立つ」は、人間一般の本質は存在せず、各個人が生の中で「人間になっていく」...
精神の自由について関心があり、自由という単語から、サルトルを連想してkindle版を購入。副産物として『嘔吐』の理解が深まって良かった。 ◆実存は本質に先立つ サルトルの実存主義のスローガン「実存は本質に先立つ」は、人間一般の本質は存在せず、各個人が生の中で「人間になっていく」という理論だが、自身が生まれる前の世界に既に存在した価値観から自己自身を切断する強力なパワーを秘めていると感じた。 一方で、これだと永遠に「人間になる」ことはできないのではないだろうか。「人間になった」という到達点は、それが新たな人間の本質を意味するからである。20代、30代はいけるかもしれない。しかし、50代、60代はどうだろうか。死ぬまで宙ぶらりんの価値観で人間は耐えきれるのか。サルトルが政治にアンガジュしたように、政治的な人間になるというところに帰着するのではないだろうか。(それは決して悪いことではないが) ◆『嘔吐』の実存 以前読んだことのある『嘔吐』について「実存」がかなりネガティブなものとして描かれていることが分かった。(分かっていなかったことが恥ずかしい、、) 実存=偶然の産物=ぶよぶよの無秩序の塊 ロカンタンは偶然性の地獄から「必然的なもの=音楽」に救われ、自らも「必然的なもの=物語」を執筆することを決断する。 しかし、ロカンタンが存在の問題として扱う「偶然性-必然性」の判断は、実際は体験の問題であり、体験の「完全性-不完全性」の問題であり、体験者であるロカンタンの感性の問題ではないだろうか。 ロカンタンは、マロニエの木をぶよぶよの偶然性の産物と感じるが、感受性が優れた人にとっては、もしかしたら、マロニエの木は美しい完全なもの(必然ではなく)かもしれない。 『嘔吐』は「人間の存在の偶然性-必然性(意味の世界)」と「体験の完全性-不完全性(感性の世界)」の問題が混ざっており、ロカンタンは自身を苦しめた意味の世界から、意味を必要としない感性の世界に救われるという話なのかと思った。 この話題の最後に、偶然を美しいと感じる感性があることを山崎ナオコーラの『人のセックスを笑うな』から引用したい。 -自然は美しいことがあるけれど、美しさには向かっていない。 見上げると、枝が伸び、葉っぱが重なり、見たことのない模様を作っている。美しいと感じるけれど、枝は美しさに向かって伸びてはいない。枝は偶然に向かって伸びている。たまたまそういう形になっている。偶然を作り出そうとしている。偶然を多発している。- やっぱり、感性の問題だよね。 ◆『嘔吐』の他者 ロカンタンが肖像を見つめ返す場面は『嘔吐』の名シーンとされており、裁かれる側から裁く側への転向をポジティブに捉えているが、他人を裁く権利など誰にもなく、寧ろ、裁く-裁かれる関係の外側に出るべきなのではないかと思った。 その意味で、九鬼周造やレヴィナスの他者を無限と見做す他者論の方がピンとくる。 ◆主体性、他有化 サルトルの主体性の概念について、コントロールできる世界(精神的な世界)とコントロールできない世界(他者、環境)があり、コントロールできない世界に絶えず「まなざし」を向けることで自身の主体性を失わないことだと理解した。 この「まなざし」を向けるという、見る行為は、必ず見られる対象と私の間に距離が必要とされる。つまり「まなざし」を向けるという行為は絶えずコントロールできない世界(他者や環境)から距離を取り、コントロールできる世界(精神的な世界)を、その都度展開するという行為ではないだろうか。 つまり、身体は世界や他者に対して剥き出しになっており、どうしても他有化されていくが、精神はそこから距離を置くことができる、という話かと思った。
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※このレビューにはネタバレを含みます
『存在/しないあなた、と私』でサルトルが引用されていたので、引き続き色々あさってみたり。 深堀はされていないけど(新書的な解説本だからね)、全体的にまとまっていてうまく整理できたと思う。 『サルトル 失われた直接性をもとめて』でも示されていたように、人は何かの目的があって生きているわけではない。それを指して、「実存は本質に先立つ」や「人間は自由の刑に処されている」と語るわけだけど。 ただ、だからどうしようもないと悲観するのではなく、だからこそこの世に生きて他者と関わらなければならないという力強さ。社会に対し自己の意見を主張し、社会の中で生きていかなければならないという部分を思想だけでなく、生き様として実践していたのがサルトルの素晴らしいところだね。 (もちろん、他者から本質的なラベルを貼られるからこそ「他者とは地獄である」なんて語られるのだけど) うん、やっぱりサルトルの思想はだいぶ好みのところがあるので色々読んでみよう。
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『実存主義とは何か』の解説本だったが、サルトルの人物や全体的な思想も網羅的にわかりやすく解説してくれており、非常にためになった。 サルトル理解の第一歩として良かったと思う。 次はサルトル本人の著作を読みたい!
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「自分の身に起こることを受け入れるのではなく、身に起こることを引き受けること」 アンガジュマンについての説明は覚えておきたいです。物事に対し主体的にアンガジェし、希望を持っていきたいです。 ど素人ですが、「実存は存在に先立つ」というのは、アドラーの言説と通じるものを感じました。ま...
「自分の身に起こることを受け入れるのではなく、身に起こることを引き受けること」 アンガジュマンについての説明は覚えておきたいです。物事に対し主体的にアンガジェし、希望を持っていきたいです。 ど素人ですが、「実存は存在に先立つ」というのは、アドラーの言説と通じるものを感じました。また、アンガジュマンについてはフランクルのロゴセラピーも脳裏にちらつきました。思想、恋愛、最初は政治に無関心で芸術こそ自分の存在を作るものだと信じて疑わないところなどなど複数の面で、共感できる人だなと感じます(笑)大学生のときに哲学の入門書でサルトルはいいな〜と思ったのですが、今も、「分かる…」という感じがしました。
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意外と魂には響かなかった。 実存主義といえば、サルトルといえば、本質などなく自分で選択し、それを引き受けて生きていくんだという熱いメッセージを期待していたが、期待してしまったがゆえにあまり響かなかった。 眼差しや嘔吐、そして実存についてはサルトルの半生とともによくまとまってはいる...
意外と魂には響かなかった。 実存主義といえば、サルトルといえば、本質などなく自分で選択し、それを引き受けて生きていくんだという熱いメッセージを期待していたが、期待してしまったがゆえにあまり響かなかった。 眼差しや嘔吐、そして実存についてはサルトルの半生とともによくまとまってはいると思う。
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この本は、サルトルの「実存主義とは何か?」について書かれた本です。 「本質は実存に先立つ」とは、サルトルの有名な言葉ですが、サルトルの考えがとてもよくわかる言葉だと思いましたー! 過激な思想等にも使われた哲学という感じも、ありますが内容的にはとても理解できるものでした! サルトル...
この本は、サルトルの「実存主義とは何か?」について書かれた本です。 「本質は実存に先立つ」とは、サルトルの有名な言葉ですが、サルトルの考えがとてもよくわかる言葉だと思いましたー! 過激な思想等にも使われた哲学という感じも、ありますが内容的にはとても理解できるものでした! サルトルの考えの概要がわかりやすく掴めて参考になりましたー❗️
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ハイデガーとの対比を知りたくて入門書的な感覚で読了。サルトルの実存主義思想はなんとなく理解できたけど筆者の思想が強く前に出過ぎている感があって最終章は正直斜め読みでした。サルトル的実存主義の基礎は分かるかなと言った感じです。
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サルトル“実存主義”を知る入り口になる本で、わかりやすく書かれていて、役に立った。 最近読む本には、普通に“実在”“実存”という言葉が説明もなく頻繁に出てきて、小説の内容を深く理解する上で、どうしても無視できなくなってきていた。1960年代に流行だった思想なのかな。 自分が世界に...
サルトル“実存主義”を知る入り口になる本で、わかりやすく書かれていて、役に立った。 最近読む本には、普通に“実在”“実存”という言葉が説明もなく頻繁に出てきて、小説の内容を深く理解する上で、どうしても無視できなくなってきていた。1960年代に流行だった思想なのかな。 自分が世界に向けて積極的に“アンガジェ”できているかというと、実際してないと思う。 また、自分の本質は自分の意思で自由に決められる(他人の自由も含めた上で)とは言っても、いい方に自分を作っていくのは、やっぱり努力が必要。 なので、自分はどうしても偶然性の生き物でしかいられないなと思う。 個人の視点から始まり、他人が存在する社会に参加して、相互に影響を与え合い、それが発展していって民主主義にまで広がっていく考え方がすごいし、口だけじゃなくちゃんと体現するサルトルさんが、市民から慕われていたのも納得。 こういう考え方を知ることによって、少しでも今の自分の生き方を見つめて、アンガジェできる努力をしたい。
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サルトルの実存主義とは何かの解説本。他の書籍も引用しながら、サルトルの思想を述べている。 以下、自分用のメモ。 サルトルは実存主義を以下のように定式している。 第一の定式が、「実存は本質に先立つ」。 第二の定式は、「人間は自由の刑に処せられている」。 実存とはこの世界に存...
サルトルの実存主義とは何かの解説本。他の書籍も引用しながら、サルトルの思想を述べている。 以下、自分用のメモ。 サルトルは実存主義を以下のように定式している。 第一の定式が、「実存は本質に先立つ」。 第二の定式は、「人間は自由の刑に処せられている」。 実存とはこの世界に存在することであり、本質とはどのように作られたかや、その存在理由といった総体。 仮に全知全能な神が存在すれば、本質が実存に先立つ。しかし、神がいないのであれば、人間は存在が先にあり、その後に本質がわかる。つまり、人間は、後天的に作られていく。 ここに主体性や投企、自由が絡んでくる。サルトルが希望にこだわっているのも、こういうことなのかもしれないと感じた。 人間が後天的に作られていくのであれば、いつでも自分を良くも悪くも変えることができる。
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サルトルの思想である実存主義の二つの定式「実存は本質に先立つ」と「人間は自由の刑に処されている」をサルトル自身の小説から引用したり、彼の生き方に触れて解説してもらった。 また、後半にはアンガジュマン(自分自身を参加させる(拘束する)の概念や戦争時代のサルトルが感じていたこと、政...
サルトルの思想である実存主義の二つの定式「実存は本質に先立つ」と「人間は自由の刑に処されている」をサルトル自身の小説から引用したり、彼の生き方に触れて解説してもらった。 また、後半にはアンガジュマン(自分自身を参加させる(拘束する)の概念や戦争時代のサルトルが感じていたこと、政治などへの参加していた歴史について語られていた。 ボーヴァワールとの自由契約も興味深かったが、サルトル自身のド派手な生き方にも驚きが走った。 実存に先立ち、自由の刑に処されているからこそ、 人間はどうあるべきか?現代に置き換えて思考し、その上で来る未来に向けて準備すること(時代がどう移ろいでどのように捉えていくべきか?→AIが革新的に進み、ロボットに代替されることが当たり前になってくる→途上国も発展し、現在の先進国では、高齢者過多になっていき、労働力が低下していく。→その先に待っているものは?) 先人達の知恵を知り、その上で自分で人間とは?の解をもっていくことが大事だと感じた
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