NHK100分de名著ブックス 実存主義とは何か サルトル の商品レビュー
サルトルの解説自体は素晴らしいのに特別編コラムで全部台無しだよ。「現代はサルトルを履き違えた活動家が跳梁跋扈してるよな」と思いながら読んでたら著者が見事にその落とし穴にハマっていたというどうしようもないオチが付いた。SEALDs礼賛とかアホかと。「3つの籠に5個の卵を詰め込むやつ...
サルトルの解説自体は素晴らしいのに特別編コラムで全部台無しだよ。「現代はサルトルを履き違えた活動家が跳梁跋扈してるよな」と思いながら読んでたら著者が見事にその落とし穴にハマっていたというどうしようもないオチが付いた。SEALDs礼賛とかアホかと。「3つの籠に5個の卵を詰め込むやつには、早めに風穴を開けるべし」サルトル自身が遺したこの言葉を著者には送りたい。 それはさておき、サルトルの哲学を理解するための入門書としては悪くないと思う。自らを社会に投げ込むことで知られる実存主義者がなぜできあがったのか、そのプロセスを丁寧に説明している。それだけに最後の蛇足が非常に残念。
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サルトル、または過去の偉人と読書を通して対話をすること、あの人なら今の現状をどう考えるかと思考することの楽しさ、知的刺激はあると感じた
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ソフィーの世界の最後を飾るサルトルは、わたしにとってかっこいい思想でした。 人間は自由を押し付けられている。だから勇気を持って主体性を持って生きていくのだ。 でも、本当はもっと美しいものなのですね。 だらだら生き延びるのではなく。 人生そのものを必然的なものにするために、物語の...
ソフィーの世界の最後を飾るサルトルは、わたしにとってかっこいい思想でした。 人間は自由を押し付けられている。だから勇気を持って主体性を持って生きていくのだ。 でも、本当はもっと美しいものなのですね。 だらだら生き延びるのではなく。 人生そのものを必然的なものにするために、物語のように生きようとして失敗した。しかしこんどは物語のように生きるのではなく、物語をつくろうとする。 59ページのここが好きです。 音楽に救われるなんて、芸術に救いを求めるなんて美しい結論だ。 人間がつくるもの以外に美しいものはない。人生それ自体は何も教えてくれない。 113ページの、アルメニア人エールの引用も良き。職人に憧れるのはやっぱりこういう発想のせいだろうか。 精霊たちの家、マスターキートン、ゲームの王国。 20世紀の歴史が暗すぎて血生臭すぎて、もうどうしたら良いのだと半年くらい落ち込んでいたのですが、サルトルは積極的に意見を出してくれた、時代の対話者であった、ということで選びました。 実存主義とは何か、を買ったまま置いていたのもあったけど。 まなざしの問題はもう少しフェミニズム的な視点でしか知らなかったので目から鱗でした。 よく考えたら当たり前なのに。 まなざしからの解放。 泥棒と呼ばれたので泥棒になる。最高ですね。 20世紀の大きな進歩の一つは、少数者や弱者が誇りを持って、多数者や強者のまなざしを引き受けるようになったことではないでしょうか。92ページ。 ちゃんと希望はありました。 ちょうど太宰を読み返して潔癖な気分を思い出したので、まなざしから異性からの値踏みが耐えられないという話を思い出したり。 だとしたらアイドルもマッチングアプリも地獄である。どうやって折り合いをつけているのだろう。 恋人や結婚が必要なのは、値踏み市場から逃げたいから。という気持ちも少しはあるんじゃないかな、誰しも。 置かれた状況にくよくよせず、主体性を持って生きてゆきます。 ただ、行動することが全てであるのなら、いつも暴力的な結論に辿り着いてしまう。だから他者という考えも重要で、結果を伴わないかもしれないが行動する、というのはある意味思いやりのあるべき形であるし、暴力を伴わない他者との関わり方、民主主義の話に収束していく。 友愛の精神から始まった革命がなぜ恐怖政治になったのか。 本当の問題は、問題は起こるものだからどう対処するのかを先に考えておくことかもしれない。 だから哲学はとても重要な学問かもしれない。エピメテウスからプロメテウスになる。
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最後の加筆した部分が上滑りしていて、残念。 サルトルそのものの人生と思想の紹介はよくまとまっていた。 「実存は本質に先立つ」 「対他的」 読んでいたら、既視感が。やはり、すでに読んでいた。2024/8/4
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実存主義については本書よりも岩波新書のものを勧める。実存主義を理解するのに、サルトルの三角関係は知らなくてもいいのではないか。 しかし、この人は知識人だ。 参考文献は隅の隅まですっかり載せた方がいいと思われる。
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kindle。 高校時代には田舎の本屋でもサルトルの著作集が並んでいた。それくらい有名な哲学者だったが、ポスト構造主義やらなにやらの時代を過ぎて本屋でサルトルの名前を本屋でみることもなくなった。耐用年数を過ぎた著者だと思われているはずだが、なにか新たな視点から救い直すことがあるの...
kindle。 高校時代には田舎の本屋でもサルトルの著作集が並んでいた。それくらい有名な哲学者だったが、ポスト構造主義やらなにやらの時代を過ぎて本屋でサルトルの名前を本屋でみることもなくなった。耐用年数を過ぎた著者だと思われているはずだが、なにか新たな視点から救い直すことがあるのだろうか、と読んでみた。 構造主義との論争についてはどう書かれているのか興味があったが、書かれてなかった。 あとがきに原発反対やらシールズ礼賛やらがあふれている。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
未来-目的-希望。 これまで実存主義のヒューマニズムを誤解していた。 20世紀にこんな力強く希望を持った哲学者がいるとは知らなかった。 21世紀、がんばろう、と思える一冊。
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無知過ぎるんだけど、実存主義は結構古くからの思想かなと思ったら、戦後からだったのか。 読むと解放と不安の時代だからこそ生まれたのだと納得。 「実存が本質に先立つ」というのは何となく分かっていたけど、 「人間は自由の刑に処されている」というの実存主義からなのね。 改めて諸々を神様...
無知過ぎるんだけど、実存主義は結構古くからの思想かなと思ったら、戦後からだったのか。 読むと解放と不安の時代だからこそ生まれたのだと納得。 「実存が本質に先立つ」というのは何となく分かっていたけど、 「人間は自由の刑に処されている」というの実存主義からなのね。 改めて諸々を神様のせいに出来ないから、自分で決定し、理由を見い出さなければならない…「人間って面倒くせえ」って事を噛みしめてしまった。 あと、私と物の関係だけでなく、他者からのまなざしによって自分の存在が規定されるとあったけど、 そういう意味では神はいないけど世間という神の逆鱗に触れないように生きているなと思った。 ただ、他者のしがらみで留まってもしょうがないので、自己完結して逃げずに他者を巻き込んで行動していくのが「アンガジュマン」という概念のように見えた。正しい理解じゃないかもしれないけど。 実存主義ってなんとなく「虚無」っていうイメージだったけど、 その要素もあるけど、希望的な側面も見受けられた。
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シンエヴァを見た後に、実存主義を知ろうと思い呼んでみた。 サルトルについて1冊でよくわかるようになっており、全体的には良かったが、途中説明不足に感じるところがあったので星4。 「実存主義」が元々フランスにおいてはみ出しものの「若者」(第二次対戦前後)を表していたということは、...
シンエヴァを見た後に、実存主義を知ろうと思い呼んでみた。 サルトルについて1冊でよくわかるようになっており、全体的には良かったが、途中説明不足に感じるところがあったので星4。 「実存主義」が元々フランスにおいてはみ出しものの「若者」(第二次対戦前後)を表していたということは、世の中への不審を抱く現代人にも通ずる。 「アンガジュマン」と「自由の受難」の概念は、逃げたってどうしようもなく、それならば主体的に生きようという立ち直りであり、なるほどと感じられた。
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