絶対猫から動かない の商品レビュー
地震で緊急停止した地下鉄の中で急病人が発生。乗客の連携で次の駅で搬送されるという出来事に遭遇した大原夢路。何故かその日から同じ出来事を繰り返し夢で見るようになる。変だと思っていたらその時一緒にいた友人、さらに居合わせた会社員、定年直後の男性、女子中学生集団や引率の先生までもが同じ...
地震で緊急停止した地下鉄の中で急病人が発生。乗客の連携で次の駅で搬送されるという出来事に遭遇した大原夢路。何故かその日から同じ出来事を繰り返し夢で見るようになる。変だと思っていたらその時一緒にいた友人、さらに居合わせた会社員、定年直後の男性、女子中学生集団や引率の先生までもが同じ夢に囚われている事が判明し、やがて皆で原因と思われる「三春ちゃん」と自称する人を食う存在と対決する事になる。色々な枷を背負う50代の夢路を筆頭とした大人達が中学生達を守る為に日常を手放せるのか?が肝だと思うんだけどそこがどうもあやふやに収まってしまって残念。50代版「いつか猫になる日まで」だそうだけど枷の少ない若者達との差異だと言われたらそりゃそうかなのか。守られる中学生の方がしっかりしていたり、登場人物それぞれが違う思惑で勝手に動き回ったり「三春ちゃん」が単なる敵ではなかったりと展開が独特で途中まではわくわくしたんだけど600ページ越え✕2段は流石に長過ぎた…。あ、文体は読んでいるうちに気にならなくなったなー。
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昔の前作「いつか猫になる日まで」は知らないし、著者の名前は知っていたけど、今作読むのが初めて。 けど、なんだか軽いノリだなーとは思いながらも、思わず果てしなく長いお話にはだんだん不思議とはまっていく・・・ 夢路さんが同年代ということもあるんでしょう、なんだと共感できる部分も多...
昔の前作「いつか猫になる日まで」は知らないし、著者の名前は知っていたけど、今作読むのが初めて。 けど、なんだか軽いノリだなーとは思いながらも、思わず果てしなく長いお話にはだんだん不思議とはまっていく・・・ 夢路さんが同年代ということもあるんでしょう、なんだと共感できる部分も多く、そして、意外に壮大なテーマが隠れてる! なんだかこの時代だからこそ、元気になれるエンターテインメント。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
五十代の群像劇だそうですけど、時々言われないと大人という事を忘れてしまうくらい、みんな考え方も喋り方も子どもっぽい。 なのに中学生達は、変に大人っぽいっていうか…大人に都合が良い。 三春ちゃんの正体とか、作者の地球に住う生物としての人間の在り方への懸念とかは、なるほどって思ったんですけど、そこに至るまでの登場人物のグダグダした思考や行動が、本当に読むのが苦痛でした。 集まって話してもなんにも進展してなかったような…。 大人は子どもを守るってあんなに言ってたのに、具体的に守りましたっけ…。事態を突破したの、中学生の気付きですし…。 飛ばし読みしましたけど一応最後まで読みましたし、まったく面白くなかったわけでもないんですが。 あとがきに書かれたタイトルの説明を読んでも、「猫から離れない」の意味がよく分からなくて、これは感性が違い過ぎて、そもそも私が読む本ではなかったな、と思いました。
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へー! これ、「いつか猫になる日まで」の50歳版なんだあ❗ そう後書きを読んで、めちゃめちゃ納得した。 それでも、中学生集団が出てくるところとか、三春ちゃんの存在そのものが、もろに新井素子ワールドです。 50代の、いろんな悩みも守るものもしがらみも世間体も含めた人達が、あの素子言...
へー! これ、「いつか猫になる日まで」の50歳版なんだあ❗ そう後書きを読んで、めちゃめちゃ納得した。 それでも、中学生集団が出てくるところとか、三春ちゃんの存在そのものが、もろに新井素子ワールドです。 50代の、いろんな悩みも守るものもしがらみも世間体も含めた人達が、あの素子言語でしゃべってるのが違和感ありまくりで、どうにも読み進みにくかった。 世界に入り込めると、するする進むのも、素子ワールドでした。 結局いろんな関係者が記憶をなくして、騒動自体がなかったことにされたこととか、あれ、最後は三春ちゃんが主役?みたいなぶったぎれ方も相変わらずです。 懐かしいけど、読みにくくなったな、という感想でした。
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悪くはないんですが 長かったわりには最後が説明不足…? でも、やっぱり新井素子さんの小説 大好きです。
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これぞ新井素子!って感じの小説で面白かった。 人間を捕食するものである「三春ちゃん」の結界にとらわれてしまった人達が、奮闘する話。 いきなり中学生が亡くなってたり、登場人物それぞれの現実問題(介護やら家族間交流やら)は全く解決されてなかったり、結構シビアな話なのに、重たい雰囲気が...
これぞ新井素子!って感じの小説で面白かった。 人間を捕食するものである「三春ちゃん」の結界にとらわれてしまった人達が、奮闘する話。 いきなり中学生が亡くなってたり、登場人物それぞれの現実問題(介護やら家族間交流やら)は全く解決されてなかったり、結構シビアな話なのに、重たい雰囲気が全然感じられない。そして、そこが新井素子作品の好きなところ。 基本的に、100%の悪が存在しないのも良い。 誰も悪い人はいないのに、対立や争いは起こる。そして、それを解決するのは、やっぱり対話。自己主張。相互理解。 ファンタジーだと言われてしまえば、その通りなんだけど、読み終わった後に救われる気がする。自分も頑張ろうって思える小説だった。
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小学生の時、「星に行く船」で新井素子さんにはまりました。その後、彼女の作品はかなり読んでいるつもりです。 久しぶりに素ちゃんワールド全開でした。 長編ですが、続きがきになって週末に一気読み。 50歳になった今、登場人物の多くに感情移入できる内容でした。
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私はこの作品好きです。 某所で最初にレビュー書いていた方が☆2だったのでちょっと買うのためらったのですが、結論から言うと私は買って良かったですよ。 本の評価って読んだ人の好みや読んだときの精神状態に激しく左右されると思うので、他の方のレビューを否定するわけではないのですが、私はこ...
私はこの作品好きです。 某所で最初にレビュー書いていた方が☆2だったのでちょっと買うのためらったのですが、結論から言うと私は買って良かったですよ。 本の評価って読んだ人の好みや読んだときの精神状態に激しく左右されると思うので、他の方のレビューを否定するわけではないのですが、私はこの作品好きです。 私も新井素子さんの作品ほぼ全部読んでいて、最近の作品は若い頃の鮮烈さに比べると物足りないと思ったこともありました。 中年になってこの文体は痛いと思ったこともありました。 でも今作で描かれているものは、歳を取ったからこそ書けたのだと、私は感じました。 自分も歳を取ったからそう思うのだと思います。 読んで面白くないと思う人もいるかもしれないけど、私は面白かったです。 読んで良かったですよ。
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