神さまとぼく 山下俊彦伝 の商品レビュー
松下幸之助の後の社長で、「松下幸之助らしくない」考え方で会社を成長させた 【感想】 松下幸之助の後の社長で、「松下幸之助らしくない」考え方を持ちながら、本格的に会社を成長させた社長となった、山下俊彦伝。 松下幸之助の次の後継者となったのは、松下幸之助の娘の婿であったが、会社を...
松下幸之助の後の社長で、「松下幸之助らしくない」考え方で会社を成長させた 【感想】 松下幸之助の後の社長で、「松下幸之助らしくない」考え方を持ちながら、本格的に会社を成長させた社長となった、山下俊彦伝。 松下幸之助の次の後継者となったのは、松下幸之助の娘の婿であったが、会社を成長させることできず、経営陣の期待に答えることができなかった。 その際に、後任として選ばれたのが山下俊彦。松下幸之助の「松下電器の社員は金太郎飴であるといい」という考えと逆行する育成論、経営論を唱えた。事業部制を採用し、本社の命令ではなく、それぞれの事業部が自主性を持って、考え、経営できるような仕組みづくりを進めた。 *事業部制とは >>事業部制とは 本社部門の下に、事業ごとに編成された組織(事業部)を配置した組織形態。 本社部門の負担を減らし、各事業で迅速な意思決定ができる。 企業が多角化したり、地理的に拡大したりすると、本社部門がすべての事業に関する意思決定を行うのは難しくなります。 *なぜアクション61は成立しなかったのか 世界屈指の家電メーカートップだった彼は、絶頂期にあって「アクション61」と呼ばれた全社的な大改革プランを打ち上げる。家電メーカーから産業エレクトロニクス・メーカーへの転換、国内企業からグローバル企業への転換を訴えたこの改革は、まさに先見の明をもつ改革であった。仮に、松下がこの大改革を実行していれば、日本のエレクトロニクス産業の姿は、現在とはまるで違うものになっていたかもしれない。 【本書を読みながら考えたこと】 ボトムアップ型の組織の成功モデルの一例か。今となっては、ボトムアップ型の組織や、サーバントリーダーシップなどの理論は一般的になっているが、松下幸之助が生きていた当時は、そうではなかっただろう。そのような強力なカリスマリーダーがいる時代において、事業部長たちの意見や主体性を伸ばす組織構築を行ったことには感嘆する。
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読んでいて何故だか仕事のモチベーションが下がった。 松下さんから脱却できず、対策も失敗しまくる。時代の変化についていけてない。 失敗から学ぶ本は多いが、自分ならどうするという教訓にはあまり繋がらなかった。
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最近のソニー関連本は、元気が出る本。 一方で松下/パナ本は、何故か松下幸之助から脱却出来ない。 立石泰則著 復讐する神話 の意味が今頃になってよくわかる。 山下俊彦とはずいぶん昔だけど、握手したことがある。 それと最近、大阪市大正区を歩く機会があり、泉尾と言う地名に遭遇し...
最近のソニー関連本は、元気が出る本。 一方で松下/パナ本は、何故か松下幸之助から脱却出来ない。 立石泰則著 復讐する神話 の意味が今頃になってよくわかる。 山下俊彦とはずいぶん昔だけど、握手したことがある。 それと最近、大阪市大正区を歩く機会があり、泉尾と言う地名に遭遇した。山下俊彦の出身学校にもその名前が付いている。 それで本書を手にする気になった。 本書の出版には、谷井昭雄が発起人代表になって編纂された 山下俊彦さんの思い出 がベースになっていると言う。 谷井昭雄より後は、松下正治が宮下を社長にし、その後、中村、大坪で現在の路頭に迷っている松下/パナソニックを作り上げた。 パナソニックの人事抗争史 にそのことが書かれていた。 秘密な事情 という本は、握り潰されたと 噂の眞相 が書いていたが、その後出版されたようだ。 これらを読むと誰が現在を作ったが見えてくる。 そんな中、山下俊彦がどう活躍したか、 本書で読めることを期待している。 余談 ソニーもいっとき凹んでいた時期があったが、 持ち直し躍進を続けている。 既にパナソニック/松下電器と雲泥の差をつけている。 ソニー本は未来につながる。 パナ本は過去の話だ。 この会社には、中興の祖と言える人がいない。
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ディスカバー山下俊彦。おととし2018年のパナソニック100周年でも「神様」松下幸之助が原点として光が当てられていましたが、「ぼく」山下俊彦についてはまったく知りませんでした。娘婿に絶望した松下幸之助から松下電器の未来を託されたノーマークの三代目社長の伝記です。経営本でもビジネス...
ディスカバー山下俊彦。おととし2018年のパナソニック100周年でも「神様」松下幸之助が原点として光が当てられていましたが、「ぼく」山下俊彦についてはまったく知りませんでした。娘婿に絶望した松下幸之助から松下電器の未来を託されたノーマークの三代目社長の伝記です。経営本でもビジネス本でもなくとてつもなく重い荷物を背負わされた一人の人間の軌跡についての物語です。著者が対象に惚れ込んで書いていことが読む側にもビンビンに伝わってきてシンクロしてしまいました。それは時代ともジャストタイミングで共振しているように思います。企業の存在価値が独占的な技術による独自性とか、市場が判断する株価とか、あるいは生産性、収益性とかの数字で示されるものだけではなく、社会の中でどんな存在であるか、といういわゆるパーパス経営の領域に入ってきているからです。山下俊彦が大切にした働く人「個」が輝くことで会社「組織」が成長する、という経営哲学(?)は極めて今日的なテーマです。それってバブル前の気づきなのだからどんだけ先駆けていたのか、びっくり。アンダーコロナの中で企業の「働かせ方」改革が、個人の「働き方」改革にうまく繋げるためにはまだまだ社会的議論を積み重ねなくちゃいけない気もしますが、自分にとっては、この夏の「はたらく」ことについて考える課題図書第五弾になりました。仕事ってなにか、を考える素晴らしい教科書だと思います。去年の日本語版が刊行された「両利きの経営」の進化と探索の実践としても先駆け感はすごい!結局、「山下俊彦伝」は伝記であり、人事本であり、ビジネス本であり、経営本であり、イノベーション本であり、企業内幕本でもありました。
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松下電器産業(現パナソニック)三代目社長・山下俊彦の評伝。 創業者であり、初代社長の松下幸之助が肩書きこそはずれたとは言え、まだ社内にいる中で社長を九年務めた山下。素人から見ても、日々相当な重圧を感じていたのではないかと想像してしまう。院生政治ではないけれど、幸之助があれこれ口を...
松下電器産業(現パナソニック)三代目社長・山下俊彦の評伝。 創業者であり、初代社長の松下幸之助が肩書きこそはずれたとは言え、まだ社内にいる中で社長を九年務めた山下。素人から見ても、日々相当な重圧を感じていたのではないかと想像してしまう。院生政治ではないけれど、幸之助があれこれ口を出してきて、山下はそれに左右されたのではないかと。 ところが、実際はそうではなかった。幸之助がいろいろな言葉や態度を駆使して、山下との距離を取ったり、近づいたりする一方、山下は幸之助経営を冷静に分析した結果を自身の礎とし、ブレない。「経営の神様」と言われた幸之助を前にしてもまったくブレない。こうなると、神様の距離感の取り方に落ち着きが感じられなくなる。山下を通して見えてきたのは、神様も人間だったということ。山下の評伝でありながら、そんな思いが強く残った。
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