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本屋を守れ の商品レビュー

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30件のお客様レビュー

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2021/03/21
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小学校の時には「読み」が大事 読み:書き:話す:聞くの割合は 20:5:1:1でいい(笑) 小さいころに「読み」を徹底して、先人の利絵に学び、個人では経験できないさまざまな観桜に涙を流す。これなくして教養は育たない。 教養がないと大局観が得られない。教養とは、分化とか歴史とか思想・芸術とか。実利とは縁遠い役に立たないような精神性の総体 人間の判断力は自分の経験を通じて形成されるけれど、いかんせん一人の人間の経験は限られている。そういう中で、唯一時空を超えさせてくれるのが読書なのだ。 大切なのは、好きな本を読むこと。 スマホ最大の罪は「孤独になる時間」 人間の深い情緒は、孤独な時間から生まれる。 人間は思考の結果を語彙で表しているばかりではない。語彙を用いて思考している。 好きと嫌いしかなかったら、ケダモノのような恋しかできない。語彙がない=思考も情緒もない。 黙って本を読む、ただそれだけのことが大人も子供もできなくなっている。 教養がないと大局観が生まれない。 理系出身のリーダー・大統領は教養がない。読書量が足りない。論理的に考えられても大局観に欠ける。そうなると対処療法しかできない。 日本が植民地にならなかったのは町人が本屋で立ち読みしているのを見かけて震撼したから。幕末には江戸に800軒、京都に200軒もの本屋があったそう。 江戸末期の識字率が9割を越えるというのはヨーロッパ人の想像を超えていた。 みんなが本を読むというのは、それほどの防衛力になる。つまり、読書とは国防である。 人間は本を読むことで初めて孤立した情報が組織化され知識となり、体験や情緒によって知識が組織化され教養となる。この階梯は、インターネットの画面を何百時間眺めていても踏むことはできません。 AIに毎分1億句の俳句をつくる能力はあったとしで、そのなかで1番優れた句を選ぶことはできない。 無限=0、無限とは空である。 適正に選択されない情報はいくらあっても無価値 詩や俳句を選択するには、その良し悪しを判断する「情緒」が必要。 デジタル本と活字本の違い 「自然に目に入ってくるかどうか」 デジタル本はクリックしなければ内容を見れない。しかし、本棚にある本は何もせずとも自然に表紙のタイトルが目に入ってくる。 「視界に入るか否か」が人間の記憶や情緒と深く関わっている。 昔は写真もアルバムにして見返していたが、ケータイに入れるようになって見返す機会が減った。 人間の想像力や創造力の源となるのは「孤独」 たった1人で自分自身と向き合い、本と向き合うことは他の行為では替えが効かない ロシアの劇作家 アントン・チェーホフ 「書物の新しい一頁、一頁読むごとに、私はより豊かに、より強く、より高くなっていく」

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2021/01/16

 読書は、習慣だと思う。歯を磨かないと気持ち悪いように、本を読まないと1日が終わらないように習慣づけて仕舞えば良い。 文科省は、教科書デジタル化などとつまらないことを提案するより、小学校から大学まで、読書の時間を必修にすべき。  8章、移民政策は、大変考えさせられた。私も藤原先生...

 読書は、習慣だと思う。歯を磨かないと気持ち悪いように、本を読まないと1日が終わらないように習慣づけて仕舞えば良い。 文科省は、教科書デジタル化などとつまらないことを提案するより、小学校から大学まで、読書の時間を必修にすべき。  8章、移民政策は、大変考えさせられた。私も藤原先生と同じく安易な移民政策は反対です。

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2021/02/06

納得できる主張と、やや先入観で語られる主張が半々。聞きにくい程ではないが、時代やテクノロジーは変化するものであり、そこから新たな価値観を生んでいく事の必要性を懐古主義で否定しまっている事が特に残念。本屋で得られるものは、インターネットでは本当に得られないのだろうか。いつまでも対面...

納得できる主張と、やや先入観で語られる主張が半々。聞きにくい程ではないが、時代やテクノロジーは変化するものであり、そこから新たな価値観を生んでいく事の必要性を懐古主義で否定しまっている事が特に残念。本屋で得られるものは、インターネットでは本当に得られないのだろうか。いつまでも対面商売、生産物に不必要な労働を付加して金銭交換するスタイルが正しいのだろうか。もっと柔軟に語って欲しいものだ。

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2020/10/20

教養とは文学、歴史、思想、芸術など実利とは程遠く目先の利益はもたらさないが、心の奥底で効く。 情報が繋がることが知識。知識が繋がることが教養。 選択するのは情緒が必要。有限の時間ののちに朽ち果てる、という権限的悲しみが情緒の中心。 民主主義は国民の総意で決まる、政治形態。 ...

教養とは文学、歴史、思想、芸術など実利とは程遠く目先の利益はもたらさないが、心の奥底で効く。 情報が繋がることが知識。知識が繋がることが教養。 選択するのは情緒が必要。有限の時間ののちに朽ち果てる、という権限的悲しみが情緒の中心。 民主主義は国民の総意で決まる、政治形態。 見えなくなったものは忘れられる。 これからがこれまでを決める。

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2020/10/03

本屋に立ち寄って書架を眺めるのはとてもワクワクする。本屋、読書の話かと思いきや、海外に滞在された経験から、予想以上に広い話に発展して得した気分。日本の学校教育において、交ぜ書きではなくルビ打ちを提唱されている点には大いに賛同する。岡潔先生の著作の話から、一般に、意味がなく排除すべ...

本屋に立ち寄って書架を眺めるのはとてもワクワクする。本屋、読書の話かと思いきや、海外に滞在された経験から、予想以上に広い話に発展して得した気分。日本の学校教育において、交ぜ書きではなくルビ打ちを提唱されている点には大いに賛同する。岡潔先生の著作の話から、一般に、意味がなく排除すべきと思われている「情緒」が重要だという点は、山口周『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』と似ている。

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2020/08/20

「電子書籍では、本に染み付いた思い出が甦らない」と著者は言う。確かにそうだ。 スマートフォンは「眼に見えないもの」を大切にすること、「この世界にはまだまだ自分の知らないことがある」という謙虚さ、紙のにおい、質感、重量、字体の微妙な違い、行間の間、次の句までの一拍などは一切省かれて...

「電子書籍では、本に染み付いた思い出が甦らない」と著者は言う。確かにそうだ。 スマートフォンは「眼に見えないもの」を大切にすること、「この世界にはまだまだ自分の知らないことがある」という謙虚さ、紙のにおい、質感、重量、字体の微妙な違い、行間の間、次の句までの一拍などは一切省かれてしまう。知らないうちに。 とりあえず、スマートフォンの使用目的を「時間管理」「連絡」とに絞りこみ、snsアプリ、オンラインストアアプリ、ゲームアプリは削除することにした。またインストールしてしまうだろうけれど…。

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2020/08/17

教養とは、実利とは縁遠い役に立たない精神性の総体で、目先の利益は齎さないが、心の奥底に効くもの。教養がなければ大局観は磨けない。その教養を磨くには読書しかないという著者の自論が熱く語られている。

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2020/08/15

スマートフォンを使うようになってからは、紙の本だけでなく電子書籍も読むようになった。しかし著者は、「電子書籍では、本に染み付いた思い出が甦らない」という。 確かに、と思う。電子書籍では書き込みは難しいし、本の重量、ページをめくる音、紙の重量、質感、匂い、字体の違いなどが味わえない...

スマートフォンを使うようになってからは、紙の本だけでなく電子書籍も読むようになった。しかし著者は、「電子書籍では、本に染み付いた思い出が甦らない」という。 確かに、と思う。電子書籍では書き込みは難しいし、本の重量、ページをめくる音、紙の重量、質感、匂い、字体の違いなどが味わえない。それに、スマートフォンは本が何より教えてくれる「見えないものを大切にすること」つまり想像力、「自分にはまだまだ知らないものが世界にはある」という謙虚さ、次の行、文の間にある時間的、空間的な「間」をことごとくそいでしまう。 とりあえずオンラインストアアプリ、ゲームアプリは削除した(またインストールしちゃうだろうけど…)。スマートフォンから離れ、読書をすすめる本に齋藤孝「ネット断ち」(青春出版社)があるが、こちらの方が、私にとっては説得力がある。

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2020/08/13

さすがの知見と爺の戯言が半分半分に配合されて、いい具合に熟成しているワインのように読める。「読書とは国力」この言葉がパワーワードで、すべての説得力を産んでいるのがさすが。しかし、本屋を守るかどうかは爺の趣味では。

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2020/07/20

読書習慣の喪失による国語力の低下の弊害を嘆き、子供期の読書を推進する本。思想の強めな表現も散見されるが、メッセージには説得力があり読書の重要性を再認識できた。 対話形式ではあるが、インタビュアーは多くを語らず、著者の言葉が多いためわかりやすかった。

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