韓国現地からの報告 の商品レビュー
そんな古い本じゃないのに、もう「少し前の話題」感があります。それだけ情報の伝わり方がはやくなっているのかなと、読みながらびっくりします。
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朝日新聞のウェブメディア(WEB RONZA)での連載をまとめたもの。セウォル号事件から朴槿恵大統領の失脚、そして文在寅政権の誕生。一方では、「慰安婦」問題や徴用工問題に絡んだ日本側の経済制裁など。そしてコロナの兆しが見え始めた頃までの時事ネタを韓国の巷の空気を交えて紹介している...
朝日新聞のウェブメディア(WEB RONZA)での連載をまとめたもの。セウォル号事件から朴槿恵大統領の失脚、そして文在寅政権の誕生。一方では、「慰安婦」問題や徴用工問題に絡んだ日本側の経済制裁など。そしてコロナの兆しが見え始めた頃までの時事ネタを韓国の巷の空気を交えて紹介している。 著者の威を借りると、日本のおとなげなさやガラパゴス感が感じられもする。書中でも日韓の間で当時起きていた数々の事象が紹介されているけど、日本の過剰な居丈高な被害者的感情に対し、韓国側の落ち着いた成熟ぶりよ(なかには韓国らしいなという感情の発露に出会ったりもしているが)。心の広い韓国と独善的な日本を感じる本だった。 韓国を好きになってから15年余り。風の強弱はあれど、日本で暮らしていると嫌韓者に出会うことがままある。「えっ、あの人ですら」と残念な思いをしたのも一度や二度じゃない。意見は平行線をたどるばかり……というか通じ合わないのが常だが、一方で(何の根拠もなく情緒ばかりのことが多いのだが)韓国をけなされると自分の信じるものが揺らぎそうになることもある。 長く韓国に暮らし人としても居住地としても、多様な日韓との関係をもつ著者の視点は広く、日本人受けをねらったようなところもなく、気持ちよく読めた。まあ、自分がふだん思っているのと同じような考えだから気持ちよく読めたというのもあるだろうけど。
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第2次安倍政権(2012年〜20年)下で進行した「嫌韓」ブームを背景に、日本のワイドショーによる一面的な報道に反発して(池上某も批判されている)韓国側の目線で時事トピックを解説した連載のまとめ。 映画やドラマでは統制と抑圧が過剰に描かれがちな学校生活だが、現実には2010年以降、...
第2次安倍政権(2012年〜20年)下で進行した「嫌韓」ブームを背景に、日本のワイドショーによる一面的な報道に反発して(池上某も批判されている)韓国側の目線で時事トピックを解説した連載のまとめ。 映画やドラマでは統制と抑圧が過剰に描かれがちな学校生活だが、現実には2010年以降、各地方において児童生徒人権条例が成立して、体罰禁止、茶髪化粧携帯電話の自由などが保証されているという話題には驚かされた。成立の過程には児童達も参画しているという事情を知ると、18歳選挙権を与えられた日本の高校生達が見習って頑張ればブラック校則の撤廃も可能なのではないかと……。 【蛇足】今では聞かなくなった「キーセン観光」を取り上げて、「韓流ブーム」をその裏返し(リベンジ)と説くくだりはなるほどと。
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韓国は「不動産階級社会」であるとか、韓国人は常に「学ぶ」ことにこだわるなど、推しが韓国にいるので文化風土や政治状況、教育環境や考え方など色々と知ることができて推しの理解の一助になった。
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全部読んだけど、個人的には冒頭のセウォル号事件と社会問題の話が印象的だった。乗組員の見方が大きく変わった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
韓国の人たちの生の反応を知ることができて良かった。この本の出版がコロナ直前の2020年3月。当時の韓国での、労働や住宅、政治の腐敗などの問題がいろいろ取り上げられているけど、今の日本これと同じじゃん…と驚愕する。 徴用工や慰安婦問題なんかは、日本だと韓国の反応に対してずいぶん批判的な報道ばかりだけど、批判されるような反応をする人は韓国でもごく一部で、普通の人はもっと冷静に対処しようよと思っているのがよく分かる。 なのに日本では、悪意を感じる報道を真に受けて、一般の人でも韓国に冷たい視線を向けるようになってしまって悲しい。 あと、かつてのキーセン観光の話が本当にひどい…。日本がいわゆる先進国だった当時、現地の人に“キーセン観光を楽しみに来る日本人は、自分の国では最下層の労働者。かかる費用は自国の5分の1だった”と言われているのがイタイ。いまの日本なんかどこよりも物価が落ち込んじゃって、後進国ってそういうことなんだな…と。
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予想以上に面白く読み進めました。 2014~2020年の韓国について大きな出来事(日本でも大きく取り上げられた出来事)を時系列で現地に住んでる日本人の視点で出来事の内容とそれについてが書かれてあります。 私自身、この期間に韓国に住んでいた、いち在韓日本人だったのでその時の記憶...
予想以上に面白く読み進めました。 2014~2020年の韓国について大きな出来事(日本でも大きく取り上げられた出来事)を時系列で現地に住んでる日本人の視点で出来事の内容とそれについてが書かれてあります。 私自身、この期間に韓国に住んでいた、いち在韓日本人だったのでその時の記憶が思い出され懐かしさを感じました。 そして面白かったのは同じ韓国に住む日本人なのにある出来事についての捉え方が違ったことでした。 「あーそういう風に考えるのか」と私にはない視点を垣間見るのはやはり新鮮でした。 とは言え、著者の意見は新鮮でありつつも、「やっぱり私はそうは考えない」と思う部分ももちろんありました。 著者の意見については、読者の判断にはよりますが、その時現地ではどうだったのか?という現地に住んでいる人しか分からない実情というのはこの本を読んで知ることができると思います。 韓国について知りたい方は読んで損のない本だと思います!
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韓国通の日本人というより、殆ど韓国人の目線。 日本の嫌韓が理解できず、韓国の一般ピーポーは冷静だ的な展開だが、そうだろうな、こんなふうに思ってんだろうなとは思えた。 ちょっと不愉快。 こりゃ、当分無理だと思う。
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ここ数年日韓関係では新聞やネットで情報を見ていると腹が立つことばかりだった。17年から20年は徒歩1分の近さで美味い店があったので、韓国料理は毎週食ってた。ソウルに遊びにも行った。韓国に30年住む著者が2014年から20年1月くらいまでの日韓関係を韓国現地から普通の韓国人の生活、...
ここ数年日韓関係では新聞やネットで情報を見ていると腹が立つことばかりだった。17年から20年は徒歩1分の近さで美味い店があったので、韓国料理は毎週食ってた。ソウルに遊びにも行った。韓国に30年住む著者が2014年から20年1月くらいまでの日韓関係を韓国現地から普通の韓国人の生活、思いをまとめた本。本当にこー言う普通の内容が知りたかった。伊藤さんの著書は韓国留学の前後でも何冊か読んで勉強した記憶がある。定期的に出版して欲しい。
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現地に暮らしている人の視点で近年の韓国のリアルな状況を伝えている好著と思う。日本で一定の存在感があるステレオタイプな韓国・韓国人へのイメージを払拭する良薬(ただし少し苦いかも)。
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