Beyond MaaS の商品レビュー
携わっている分野から飛び出て視野を広げたいと思い購入。 近未来社会のモビリティサービスMaaSをさらに深掘りし、Deep MaaS とBeyond MaaS の2つの切り口から説明。 自動車業界の今後、またそれ以外の業界×MaaS を組み合わせておりかなり面白かった。
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2021.03.25 maasの未来をdeep maasとbeyond maasの視点から解説。世界の様々な事例と各界の専門家のインタビューで構成されている。とても参考になるが、一方でmaasの進展には難問がたくさんあることもよく理解できる。
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スマホ1つで交通手段の検索から予約・決済までワンストップで完結するMaaS。旅をするのも楽しくなる非常に便利なツールだが、利害関係者との調整や法律規制の壁もあり、本格的な普及にはまだまだ時間がかかりそう。(2030年代の自動運転の普及とセットか。)観光を切り口に、地方の活性化につ...
スマホ1つで交通手段の検索から予約・決済までワンストップで完結するMaaS。旅をするのも楽しくなる非常に便利なツールだが、利害関係者との調整や法律規制の壁もあり、本格的な普及にはまだまだ時間がかかりそう。(2030年代の自動運転の普及とセットか。)観光を切り口に、地方の活性化につながることを期待したい。
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伊豆MaaSの後に読んでみた。その中で否定されていた「日本版MaaS」という言葉。バス・鉄道などの公共交通が多様な事業と共に展開されてきたこと、交通をなんの協力関係もない多くの民間企業が担ってきたことがその所以だという。それは伊豆MaaSの中でまさに著者が感じた今後の可能性であり...
伊豆MaaSの後に読んでみた。その中で否定されていた「日本版MaaS」という言葉。バス・鉄道などの公共交通が多様な事業と共に展開されてきたこと、交通をなんの協力関係もない多くの民間企業が担ってきたことがその所以だという。それは伊豆MaaSの中でまさに著者が感じた今後の可能性であり、直面した困難だ。 さらには、ポジティブリスト方式に基づく日本の法令なども日本版MaaSの実現を困難にする(なぜ日本がポジティブリスト方式なのかはまた別の機会に学びたい)。その中で、「健康、地域活性化、生活の満足度」に力点を置いた日本版MaaSを実現するためには、民間企業だけでなく都道府県等までを巻き込んだ努力が欠かせない。 いまのMaaSを見ていると、先進的な企業だけが意欲的にMaaSに参加し顧客を取り囲む。多くのデータを集積して自分たちのサービスに顧客を呼び寄せる。というサイクルになっているのではないかと感じてしまう。しかし、MaaSの本来目指すべきは特定の企業を潤すことではなく、サービス全体を最適化し、都市を最適化していくことなのだ。そのためにデータはオープンでなければいけないし、データを集める「権利」だけでなく、集めたデータを何に役立てるかという「義務」もまた大切である。 MaaSを多くの生態系で成り立つ1つのエコシステムとして捉えるという考え方は非常に面白いと思った。まだ実体のよくわからないものをどう捉えるか、何と結びつけるのかという思考には学ぶところが大きい。 Deep MaaS 中でも学びになったのが、トヨタのウーブン・シティに関する記述。「トヨタが街をつくる」そのインパクトは大きかったが、正直なんのために?という疑問が拭えなかった。実在の街と対になる仮想空間=デジタル・オペレーティング・システムを作り、様々な分野の技術・サービスをまとめ上げるMaaSコントローラー(p150)を自社が担うことにこそ価値があるのだ。モビリティを軸に多様な事業との接点を持ち、多様なデータを集積するという新たなポジションを確立していきたいのだろう。 Beyond MaaS MaaSが実際にどんな産業と関わりうるのか。その可能性は思っていた以上に幅広い。中でも印象的だったのは電力(エネルギー)×MaaS。EV化の波が思いがけず電力と自動車を近づけていることを知った。電力会社が自ら事業を手がけているわけでもないのに別のサービスとセット販売しているのは、他産業が電力を結びつけて競争力を高めているのに対抗せざるを得ないからなのだろう。こうして、思わぬところにビジネスが拡大していくのならば、常に広い視野を持っておかなければと思い直した。
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2020年8月現時点にてMaasの概要、どの様な施作が打たれて、今後どうなって行くのか各国の話題を絡め、おぼろげながら述べられている。取り止めもなくいろんな方面での取り組みが書かれている。決して簡潔にまとめられ、結論が述べられているわけではない。言葉先行にならないよう考えながら読...
2020年8月現時点にてMaasの概要、どの様な施作が打たれて、今後どうなって行くのか各国の話題を絡め、おぼろげながら述べられている。取り止めもなくいろんな方面での取り組みが書かれている。決して簡潔にまとめられ、結論が述べられているわけではない。言葉先行にならないよう考えながら読まないといけない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
スマートシティについての最新の知見に触れたいと思い読んでみた。 長々と書いてあるが、通底しているものは共通していて、これまでの交通システムがそれぞれでICT化してきたものが、全体としてつながって、決済機能もついて、さらに観光など別の領域ともつながっていく世界がこれからやってくるんだ、というお話だったかと思う。 そうなると、前提として多様な交通サービスが存在することが必要となり、車とタクシー、バスぐらいしかない地方部ではなかなか難しいんじゃないと思うところで、実際におそらくは都会部に比べるとMaaSというレベルにはなかなかならないようだが、オンデマンドタクシーなども使えばうまく機能するかもしれない。むしろ需要が少ないがためにすぐに赤字になってしまう地方公共交通においては、ICTをうまく活用して需要に応じた交通システムができあがれば経済的に回る仕組みができるかも、という希望は持てた。 しかし、これを読んでいるタイミングで、グーグルがカナダ・トロントで進めていたスマートシティからの撤退を表明した。ドラスティックな変化、というのはやはり難しいのかな。利便性から徐々に広まっていくというこれまでのICT化のセオリーが結局はここでも適用されるのかな。
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前作MaaSで100年に1度のモビリティ革命について非常にわかり易く描かれており、その第2弾・続編も読んでみた。 日本における「移動」と「都市」の未来、そのプレーヤーがどのような動きをしようとしているのか、具体的な企業とその事例が描かれている。 「DeepMaaS」「Beyond...
前作MaaSで100年に1度のモビリティ革命について非常にわかり易く描かれており、その第2弾・続編も読んでみた。 日本における「移動」と「都市」の未来、そのプレーヤーがどのような動きをしようとしているのか、具体的な企業とその事例が描かれている。 「DeepMaaS」「BeyondMaaS」2つの方向性から、大きな社会変化について挑戦している企業の実例がとても興味深い。 MaaSを起点とした社会の変化、様々な業界への波及、相乗効果に、敏感となり、日々の活動を行っていく必要性、時代から取り残されない、時代を先取りする事が今後のビジネスはとても大事である事を再認識した。
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MasSとは MasSに関わる企業 MaaSにより実現されるであろう未来 MasSと各産業のつながり
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前作ではMaaSの基本的な概念や各国各社の幅広い取り組みを紹介している良著でした。でその続編にあたる本著はMaaSのネクストステップとして、Deep MaaSとBeyond MaaSという2つの切り口を紹介している。 Deep MaaSは既存の交通手段(鉄道、バス、タクシーなど)...
前作ではMaaSの基本的な概念や各国各社の幅広い取り組みを紹介している良著でした。でその続編にあたる本著はMaaSのネクストステップとして、Deep MaaSとBeyond MaaSという2つの切り口を紹介している。 Deep MaaSは既存の交通手段(鉄道、バス、タクシーなど)の進化について深掘りしていて、Beyond MaaSはモビリティと他の業界とのシナジーについて説いている。 正直、Deep MaaSパートは全く深掘りされてないように思えたけども、タイトルからもわかる通り、メインテーマはBeyond MaaSである。 日本の公共交通機関は他国と比べて極めてサービス品質は高いし、マイカー所有率が高過ぎる訳でもない。つまり、MaaSが盛り上がっている他国とはそもそもの課題点が違っている(他国は主に、都市部におけるマイカー比率を下げて、公共交通機関の利用率を上げたい、というのが大前提) そのため、日本のモビリティ事情における本当の課題に対して解決していこうというのが多分Deep MaaS(というか単にMaaSと言えばいい)だけど、むしろ日本にとって本当にポテンシャルがあるのは、モビリティが高度化することで波及的に他の業界が発展することなんだろう。すなわちBeyond MaaSのほう。 ただ、この領域ももともと日本は他国より進んでる。日本の公共交通機関は(公共とは言うものの)民間が経営していて、すなわち営利目的である。他国は名前の通り公営が多い。利益率が低い鉄道事業自体ではなく、関連する不動産や住宅や小売業やアミューズメントなどを鉄道路線沿いに配置して、そこで利益を生む。そういう構造がすでに日本には当たり前にある。 そこを更に発展させないと経済効果はない訳で、かなりハードルの高いスタートである。(実際、この本の中でも「MaaSのビジネスモデルはまだ発明されていない」と書かれている!) 本の中でもBeyond MaaSの例として、「○○ × MaaS」というのがたくさん紹介されている。しかし、いずれも現実味が今一歩という感じで、しばらく業界として模索していく段階が続きそうだと言う印象。 同じことを何度も書いているのは、著者が4人いて分担しているからだろうか。そこの読みにくさは残念。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今まで漠然と捉えていたMaasを基礎から発展まで体系だって学べる書籍だった。またどこか他人事と思っていたMaasも着実に世界レベルでおこっており、インターネットの普及期のような世の中が今後2、3年で起こりえるかもと思った。Maasによって全てのヒトに移動の自由を与え、自動車の概念が保有から利用に変わることを着実に受け止めて製造業が何をすべきか、本書の中にもでてきているBeyond Maasの視点で更に進んだところを考えていきたい。 簡単に以下に各章をまとめる。 1)日本版Maas 移動をマイカーという移動手段と同等かそれ以上を提供しようというのがMaasの定義。 日本国内でもトヨタとSBが設立したモネテクノロジやマイルートなど進歩が著しい。ただまだ民間主体で官主体の世界はもっと発展している。例えばフランスやオランダ、ドイツ(特にベルリン)等の発展は著しい。ドイツは更にダイムラー、BMWが事業に乗り出し官民一体が整いつつあるようにみえる。 まだ黒字化が難しい事業だからこそ日本も官民一体で進められるようにしてもらいたい。 2)何のためのMaasか 欧米と異なり日本は人口密度が高いため公共交通機関が黒字化しやすいため民間が請け負っている。Maasと公共事業は相性が良いため日本は土壌があるともいえる。ただ狭い範囲で競合と争っているため都市単位でMaas化しようとしている欧州比べ障害が大きい。ここを打開するのが日本Maasの最大課題である。 あとはルーラルマースやオープンデータ、実証のための法規制等の課題を解決してマイカーのいらない世の中にしていきたい。 3)持続可能なMaasとは Maas拡大のためには生態系でいうエコシステムが必要だ。ここではMaasプロバイダー/オペレータ、ユーザー、交通事業者、データプロバイダー、拡張企業(アプリの実プログラミングなど)が必要になってくる。特異的なのは自動車産業はあくまでプロバイダーの下流にあたり、今までないコントロールできない相手が提供するサービスを前提にサービス設計しなければならない新しい挑戦が必要となる。 ATP(アデノシン三リン酸)のような共通通貨はMaas事業ではデータがそれにあたる。この共通通貨をいかに発展させていくかが新ビジネスでは重要である。 INTでは93年に商品利用が解禁して、94年にアマゾン、95年にマイクロソフトのwindows、ヤフー、98年にグーグルが誕生した。この93年をフィンランドでMaasが始まった17年ととらえると、5~7年後にはグーグルのような覇者があらわあれもおかしくない。そこに日本製のプレーヤーとして生き残らなければ製造業しかない日本は没落してしまうだろう。 4)Maasビジネスのつくりかた Maas導入に関しては利用者、交通事業者、都市/周辺事業者それぞれにメリットがある。Maasビジネスの作り方は3つの領域にわけられる。 ①Maasの基本構築領域:Maasアプリの提供②DeepMaas:先端技術やビジネススキームの導入③beyond maas:異業種との連携 特に②、③は大きなビジネスチャンスにつながりうるので知恵が必要になる 5)Maasで導く交通業界の成長戦略 鉄道、バス、タクシー、航空それぞれに役割がある。Maas時代においては公共交通機関の関係性は競争から共創関係が必要である 6)自動車業界激変 CASEのような事業改革がおこるなか自動車産業が生き抜いていくためにはSのシェアリングやモビリティーサービスに取り組み、BeyondMaasの事業確立をしていく必要がある。その中で自動運転やビッグデータ、自動車の蓄電池化はスマートシティの中で活路があると考える。 7)Beyond Maas 住宅や観光、医療、小売り、電力、通信、金融、広告など多くの事業がMaasとの連携が可能となる。その中でもゲームやイベントは趣味の世界が台頭する将来は良い切り口になるのでは 8)2030のスマートシティー カナダのトロントやシアトルでも実証実験が行われようとしている。 実現に向けてはビジョンの共有、官民データの連携、データ駆動型のプロセスが重要になってくる。
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