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汚れた雪 の商品レビュー

3.6

12件のお客様レビュー

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2021/05/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

イタリアの作品。第1作目。他はまだ訳されてない。 イタリア、フランスと近いアルプス山麓の町。全住民が親戚関係ほどの小さな町。スキーシーズン。スキー場整備の圧雪車・キャタピラーに轢かれた死体が見つかる。被害者は山頂の山荘主人。妻は地元出身で、美しく、人気がある。  捜査するのはローマでの不祥事がもとで飛ばされた、40代半ば、副警察長ロッコ。口が悪く、傲岸不遜、女性が好きで、小悪党(横領など)しかし、仕事はできる。  面白かったー。事件そのものはあっさりした真相。被害者も一名。主人公ロッコが個性的で面白い。いろんな女性に目移りし、隙あらば狙う。男性の同僚部下への口は悪い。しかも軽犯罪を自らする。でも、密入国の50人ほどの集団には目をつぶり、動物が好きで、なんだかんだで仕事も一生懸命。奥さんのことを愛している様子だが、多分奥さんはもういない。最後は高笑いして終わるイタリア映画のようだった。ぜひ続編も出版してほしい。

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2021/03/15

なかなか良かった。全体的に読みやすい。古き良きモノクロ映画のハードボイルドさもあり、ミステリ、エンターテメントを扱う作品にありがちな、良くわからないけどこうゆうもん、というしがらみにとらわれていない、いい作品だと思った。話はシンプルで謎解きが絡まったりせず、登場人物も少なめで、読...

なかなか良かった。全体的に読みやすい。古き良きモノクロ映画のハードボイルドさもあり、ミステリ、エンターテメントを扱う作品にありがちな、良くわからないけどこうゆうもん、というしがらみにとらわれていない、いい作品だと思った。話はシンプルで謎解きが絡まったりせず、登場人物も少なめで、読みやすかった。つくづく話の筋より雰囲気の方が大事であり、差別云々というよりか、女が介入しない男性同士の友情でなくて、同士、という関係性が嘘くさくなくて良かった。

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2020/12/17

雪深いイタリアの山岳地で起きた殺人事件を、赴任したばかりの型破りの警察副署長が解決していく。 ローマから左遷されてきた主人公は、何とも破天荒。セクハラ、パワハラ、違法行為もしばしばで、常に不機嫌だけれど、ときおりコミカルな姿も見せる。それでも嫌味にならないのは、根が陽気なイタリ...

雪深いイタリアの山岳地で起きた殺人事件を、赴任したばかりの型破りの警察副署長が解決していく。 ローマから左遷されてきた主人公は、何とも破天荒。セクハラ、パワハラ、違法行為もしばしばで、常に不機嫌だけれど、ときおりコミカルな姿も見せる。それでも嫌味にならないのは、根が陽気なイタリアが舞台だからかしら、と昨年行ったイタリアを思い出す。 シリーズ化され、ドラマにもなっているそうで、妻との悲しい(と思われる)過去など心の暗部も興味深く、次作も読みたい。

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2020/11/14

ローマからアルプスの街アオスタに左遷されたロッコ・スキャヴォーネが、イメージどおりのちょいワルイタリアおやじぶりを発揮して事件を解決する物語の第一弾。 事件現場であるマッターホルンにも近いスキーリゾート シャンポリュックがとても魅力的。ドロミテの冬はこんな感じなんだろうな。 そこ...

ローマからアルプスの街アオスタに左遷されたロッコ・スキャヴォーネが、イメージどおりのちょいワルイタリアおやじぶりを発揮して事件を解決する物語の第一弾。 事件現場であるマッターホルンにも近いスキーリゾート シャンポリュックがとても魅力的。ドロミテの冬はこんな感じなんだろうな。 そこにクラークスのデザートブーツとローデンコートで乗り込むロッコはカッコいいぞ。 4.0

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2020/11/09

スキー場の抜け道で圧雪車に轢かれた遺体。ローマからアルプス山麓の村に飛ばされてきた副警察長ロッコが部下イタロと共に事件を追う。正直ミステリとして突出してるわけではないが、愛妻家でありながら犯罪に手を染めることも厭わないこのいけ好かないロッコという男が、ページをめくるごとに魅力的に...

スキー場の抜け道で圧雪車に轢かれた遺体。ローマからアルプス山麓の村に飛ばされてきた副警察長ロッコが部下イタロと共に事件を追う。正直ミステリとして突出してるわけではないが、愛妻家でありながら犯罪に手を染めることも厭わないこのいけ好かないロッコという男が、ページをめくるごとに魅力的になっていき、イタロとの距離感の変化がわかるころには彼自身の秘密も少しずつ垣間見え、想像がつき、切なさと愛しさで夢中になっていた。おそらく今後過去にも向き合うことになるのだろう。この魅力的なロッソとイタロのこの先も追いかけてみたい。

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2020/09/23

トンデモない警察官が出た!ローマで何やら不祥事を起こし、アルプス山脈の麓の小さな町に左遷された副警察長ロッコ。口は悪いし愛人もいる、さらには法に触れる悪事をも働く。ミステリーとしては、スキー場での圧雪車による轢殺事件というやや地味なものだが、とにかく、ロッコをはじめとする登場人物...

トンデモない警察官が出た!ローマで何やら不祥事を起こし、アルプス山脈の麓の小さな町に左遷された副警察長ロッコ。口は悪いし愛人もいる、さらには法に触れる悪事をも働く。ミステリーとしては、スキー場での圧雪車による轢殺事件というやや地味なものだが、とにかく、ロッコをはじめとする登場人物のキャラクターが素晴らしく面白かった。部下のイタロとページが進むごとに徐々に息の合う相棒へとなっていくのも良い。平気で浮気する影で奥さんへの深い愛情も見せるロッコ。大きな謎を思わせる奥さんの描写。是非とも続編を!!

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2020/10/14

多分初めて読むイタリアミステリー。 住民のほぼ全員が誰かしらと親戚関係にあるというアルプス山麓にある小さな町アオスタ。 そのスキー場でコース整備中に起きた、圧雪車による轢死事件。だが事故ではなく殺人だと分かり…。 ローマでの不祥事からアオスタへ左遷された副警察長のロッコが主人...

多分初めて読むイタリアミステリー。 住民のほぼ全員が誰かしらと親戚関係にあるというアルプス山麓にある小さな町アオスタ。 そのスキー場でコース整備中に起きた、圧雪車による轢死事件。だが事故ではなく殺人だと分かり…。 ローマでの不祥事からアオスタへ左遷された副警察長のロッコが主人公であり探偵役なのだが、なかなかの強烈キャラクターだった。 女性を見たら値踏みしアオスタに来て4ヶ月だというのにもう愛人を拵え、始終周囲に皮肉や文句を言い、部下たちや事件関係者たちにも有無を言わせぬ高圧的な物言いをする。 時には平手打ちや法を犯すことも厭わない。 2013年に本国で刊行されたらしいが、日本よりも権利に厳しいイタリアでこんなことやって大丈夫なのかとハラハラする。 はみ出し刑事物はいくつか読んだが、このロッコの思考回路は独特で終盤まで付いていけなかった。 何しろ朝から職場でマリファナタバコは吸うし、悪友と組んで盗難品の積み荷を奪って荒稼ぎしてるし、一体ローマで何をしてきたのかと呆れる。 部下たちも田舎のおおらかさなのか純朴さなのかは分からないが、ロッコの強烈な嫌味も通じず意地悪な指示も素直に聞いている。唯一ロッコが使えると思っているイタロだが、上手いことロッコに転がされた振りして付き合っているのかと思ったらロッコの裏の副業へのお誘いに乗ってるし。 イタリアの警察官の意識ってこの程度なのか?とガッカリする。 しかし豪雪地帯にも頑なにスノーシューズを履かないで凍傷になりかけたりして奇妙な人間味もあるし、捜査手法に一部問題はあるものの方向性としては基本に忠実で着実でもある。 住民ほぼ全員が何らかの親戚関係という小さなコミュニティが舞台ということで、横溝先生チックな排他的な空気があるのかと思いきやスキー客や観光客相手の商売をしている町だからかフレンドリーで、捜査はやりやすい。それ以上にロッコがグイグイ踏み込んでいるせいもあるが。 ミステリーとしてはいわゆる意外な犯人というタイプで、そこに至る過程も謎解きをするロッコも楽しめた。しかし誰もが親戚関係とは言え、隠そうと思えば出来るものだとも思った。 そして意外なことに、こんなに腹に真っ黒いものを抱えたロッコがきちんと自分の黒い部分と向き合っているということが分かりハッとする。 自分のことは棚にあげて人の罪を糾弾するというのなら何だかなと思うが、最後に犯人に言い放つロッコの言葉でロッコというキャラクターに救いを感じた。 訳者さんのあとがきによると本国ではシリーズ作品が九作も出ているらしい。 なるほど、妻マリーナとの意味深なシーン含めロッコの過去が今後明らかになるのだろう。 しかし日本語版が今後も出たとして追いかけるかは微妙。何しろロッコの悪態、罵詈雑言、強烈なブラックジョークに付き合うのは疲れる。

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2020/06/24

イタリアを舞台に、個性的な中年警察官が殺人事件の謎を解いていくミステリー。口は悪いし欲深だが、人間の暖かさはしっかり持っていて、身分にへつらう事なく当たっていく、ロッコ副警察署長が爽快だった。シリーズらしいので、次作も読みたい。

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2020/04/19

イタリアの警察官ロッコ。口は悪く、捜査のためなら違法なことも平気でする。人を見下しているような感じもありながらどこか憎めず、ユーモアに笑わされる。雪の中を頑なにクラークスのデザートブーツで動き回るのも好き。シリーズの最初ということでまだまだロッコの過去とか妻のこととかが語られてい...

イタリアの警察官ロッコ。口は悪く、捜査のためなら違法なことも平気でする。人を見下しているような感じもありながらどこか憎めず、ユーモアに笑わされる。雪の中を頑なにクラークスのデザートブーツで動き回るのも好き。シリーズの最初ということでまだまだロッコの過去とか妻のこととかが語られていないところもありそうでこの先が気になる。個性が強いけれどそれだけじゃなく事件や謎解きのようなラストと楽しめる警察小説。楽しみなシリーズと主人公で次作もぜひ読みたい。最近は『パードレ』シリーズや『血の郷愁』などのイタリアの小説が増えてきたのも嬉しい。イタリアやフランスの小説にはサッカーの話題が出てくるのも楽しい。

Posted byブクログ

2020/04/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フロスト型というか…クセが強い中年刑事と優秀な者もポンコツな奴もいる部下たちや、個性的な監察医や判事、味方なのか敵なのかまだわからない上司などやりあいながら奮闘していくという、警察小説の王道なのだけれど、特筆すべきはイタリアのミステリだということ。 セリエAやサイクルロードレースを通してイタリア好きになっているので、イタリアっぼさがたまらない。ローマっ子のローマへの思い、舞台となるスイス国境のほとんどの住民が身内という小さな村の噂にまみれた日常、美男美女への反応、イタリア人の死生観など、ミステリとしては平均的でも、イタリアを満喫できる小説としてオススメ。 特に2020年4月上旬に読んだので、胸に迫るものがあった。

Posted byブクログ