2050年世界人口大減少 の商品レビュー
人口減少というこれまでの枠組みが変わるという前提で巨視的にものごとをとられることができた。データも豊富で説得力はある。 近代でも産業革命以降の人口爆発で社会、国家、経済の在り方は大きく変わった。これが逆回転が起きると思うと、危機であり好機でもある。傍らに置いておきたい本。
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【文章】 とても読みやすい 【ハマり】 ★★★★★ 【気付き】 ★★★★・ 2050年から人口は減少する。 飢饉、自然災害、戦争、感染症などの外圧によってではなく、自分たち自身の選択による人口減少は、人類史上初めての経験。 先進国だけでなく、発展途上国でも出生率は低下傾向に...
【文章】 とても読みやすい 【ハマり】 ★★★★★ 【気付き】 ★★★★・ 2050年から人口は減少する。 飢饉、自然災害、戦争、感染症などの外圧によってではなく、自分たち自身の選択による人口減少は、人類史上初めての経験。 先進国だけでなく、発展途上国でも出生率は低下傾向にある。 出生率低下の原因は、都市化と女性の教育水準の上昇。 経済合理性の観点で考えた場合、子供を産むことは、農業社会では「投資(働き手が増える)」であるが、都市社会では、「負債」になる。 女性に対する教育水準が上がるほど、子供の数が減る。 田舎暮らしは環境負荷が高い。 人々が暮らす場所は集約した方がエネルギー効率が良い。 人口が減れば、地球温暖化に歯止めがかかる。 日本が今の経済を維持・発展させていくには、移民の受け入れが必須。しかし、やみくもに移民を受け入れてしまうと、治安の悪化つながってしまうため、基準を設ける必要がある。 ただ、移民を出す側の国の人口も減少傾向のため、長期的には移民に頼ることはできない。 これまでのデータをみる限りでは、女性の教育水準と出生率には、負の相関関係があるおうだが、今後、さらに教育水準が上がった場合でも、その相関関係が維持されるのかどうかは、気になるところ。
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世界で出生率の低下が起きていて、2050〜2060年頃から世界人口は減り始める。 要因は女性への教育普及により子供を産む選択の権利が向上したこと。また、都市化が進み、子供を持つことがコストになることで、多く産みたいと思う女性が減ったこと。 この現象は止められることが無いという。 ...
世界で出生率の低下が起きていて、2050〜2060年頃から世界人口は減り始める。 要因は女性への教育普及により子供を産む選択の権利が向上したこと。また、都市化が進み、子供を持つことがコストになることで、多く産みたいと思う女性が減ったこと。 この現象は止められることが無いという。 本書では人口減少の解決策が移民を受け入れること以外に提示されていなかった為、残念だった。 出生率をあげるには、都市化ではなく地方に移住させ、子供を育てるコストを下げるのがいいのか?
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日本やその他先進国、それに中国、アジア。人口減少はこれらの国々で起きていること。でもなぜか将来的には人口増加をなんとかしなくちゃならない。なんだか矛盾した考えを持っていた。 しかし実はアフリカでもそうなるだろうということが実データや各国での聞き取り調査でリアルに実感できた。 キーワードは女性だったのだ。女性が教育を受け、自分で自分の運命を決められる権利を持つ社会では同じことが起きる。これは腑に落ちた。 とすると、フランスなどは人口減に踏みとどまっているように私には見えていたが(大多数の人はそう思っているだろう)、それもあくまで延命措置に過ぎないように思える。 移民を増やすぐらいしか策がない。しかしそれも移民がその国に馴染んでくると、女性が権利を持ち、教育を受けていくと早晩その国の女性と同じように子供を産むことを避けるようになるのだから移民政策も焼石に水、ただの延命措置でしかない。 それにそもそもどの国も人口減少し始めると他の国に移民する必要がなくなる。かくして移民政策も取ることができなくなる。 女性を虐げ教育を受けさせず権利も与えない社会が世界から消え去った時、全世界で同じ状態になってしまうのだろう。 とすると、先日中国で人口子宮システムを開発したとニュースで出ていたが、人類としてはいよいよ真面目に取り組むべき事柄だと実感する。もう人類は人口子宮で種を残すしか道はなさそうだ。SFではありふれた世界だが、その世界でなければならない必然性、理由ができてしまった。ロボットに人間を管理される世の中というテーマではなく人類が種を長らえさせるために必要な技術だったのだ。
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めちゃくちゃおもしろかった。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163911380 日本は政策転換しないと国として壊滅する日が近い、として海外各国から注視されているという内容。人口動態と女性の社会進出の関連はよく言われていることだ...
めちゃくちゃおもしろかった。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163911380 日本は政策転換しないと国として壊滅する日が近い、として海外各国から注視されているという内容。人口動態と女性の社会進出の関連はよく言われていることだけどさらに突っ込んで仮説を立ててるところがおもしろいし現実味がある。もうね、こんなに資源のない国でものづくりを経産省がいまだに進めてる時点で終わってるんだよね。職人技術はすばらしいけど、なぜか職人気質の崇拝になってしまいがちなのも終わってる(精神論やめて)著者はコンサル会社とジャーナリストで二人ともカナダ国籍の人のせいもあってカナダをベンチマークにしてる(カナダ人の自国愛は強い)(おわり
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原本のempty planetも読みました。国連の予測に反して世界の人口が2050年から不可逆的に減り始めることの要因、つまり統計資料と著者らが世界をめぐって再発見した「都市化と女性の権利や教育水準の向上」が世界の人口を下げる要因になっているという主張には大変説得力がある論拠とな...
原本のempty planetも読みました。国連の予測に反して世界の人口が2050年から不可逆的に減り始めることの要因、つまり統計資料と著者らが世界をめぐって再発見した「都市化と女性の権利や教育水準の向上」が世界の人口を下げる要因になっているという主張には大変説得力がある論拠となっています。 ただし、本書の問題点として、いわゆる発展途上国の人口が増えすぎて、先進国の人口が減り結局として経済や環境問題につながっているという論理を用いている感が否めません。先進国がこれまで、そして現在もさんざん地球の資源を消費し地球を破壊し続けた結果として、気候変動や生物多様性の喪失などの問題が発生しているわけで、途上国の1人当たりのエネルギー消費量や温室効果ガス排出量などは先進国1人当たりと比べてずっと少ないです。また経済に関しても今世界中で起きている、グローバリゼーションや資本主義を遠ざけ地域を守りつつ、大量消費をしなくても潤沢な社会をつくることを目指す社会運動の萌芽を見逃しているように感じます。 それはこれまでの今の経済規模を保ちたいのなら移民を積極的に受け入れよという本書全体のメッセージにも言えます。
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人口減に繋がる「しわ寄せ」は今後日本のさらなる低迷化が予測できる。その為にも早々に対策を打つ必然性があると感じた。日本経済安定化は日本独自の移民・難民受入策の見直しで経済の底辺を支える人口増を狙うしか無い(カナダの成功対策を見習うべき時期に来た)と言う。 さらに私が思う、IOT(...
人口減に繋がる「しわ寄せ」は今後日本のさらなる低迷化が予測できる。その為にも早々に対策を打つ必然性があると感じた。日本経済安定化は日本独自の移民・難民受入策の見直しで経済の底辺を支える人口増を狙うしか無い(カナダの成功対策を見習うべき時期に来た)と言う。 さらに私が思う、IOT(モノとモノの結合)にデジタル化(人と人との結合)を早急に融合させる仕組みに支援、活発化させることを優先すべきである思う。(世界のベンチャー企業を支援、優遇、日本のレガシーシステムを変換、更新、新規導入させること)
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人口は国連の予測よりも早く減るというのを各地域ごとに解説した本 色んな国の話が出てきて興味深いところもあるけど、流れはどこも同じなのでちょっと飽きが出る。
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2050年には世界人口は減り始める。国連統計では21世紀中増え続けて110億人になるとしているが、それは間違い。街の人たちのインタビューからそれを推計した。 国として、移民と多文化主義を受け入れなければ衰退する。 農村では子供は働き手になる。都市では重荷になる。都市化が進めば少子化は進む。 女性の地位向上で、出生率が下がる。 国連の低位推計は2050年にピークを迎える。この形になる可能性が高い。教育の効果を無視している。 黒死病では人口の1/3が死亡した。 都市化と女性の地位向上が発展途上国でも起きて、出生率が下がる。 緑の革命による人口増も、出生率低下の動きが後戻りすることはない。 良い環境でも悪い環境でも出生率は下がる。工業化と都市化で下がる。不況で下がる、景気が回復しても上向くが、上向くだけで回復はしない。 日本では、女性の人口は20歳より30歳、30歳より40歳が多い。低出生率の罠=1世代以上1.5以下が続くと、それが当たり前になる。 カナダは移民を受け入れて人口を維持しているが、アジアは受け入れない。 卵子の冷凍保存は、出産の可能性が低く出生率の回復にはつながらない。 移民を受け入れない、子供をつからない、では衰退と折り合いをつけるしかない。 国際的には移民は世界人口の3.3%に過ぎない。 移民は仕事を奪わない。移民は経済規模を拡大させ、平均的にはわずかに向上する。移民は最大の受益者になる。 本来であれば、政治家は経済を守るために移民を受け入れるべきだ。 インドではほぼすべての人が結婚する。結婚しないとコミュニティの中で認められない。 インドの出生率は2.4人。しかし実態はそれより下である可能性もある。 ブラジルの出生率は1.8人。男性優位社会で高学歴の女性の悩みは大きい。メキシコは現在2.3人で減少中。 アメリカの繁栄の武器は移民である。最近は逆流している可能性もある。 少数民族も例外ではない。滅びる可能性。ネイティブアメリカンは出生率が最も低い。 トロントでは市民の半数が外国生まれ。カナダは人口を増やしている。 アメリカで人口当たり二酸化炭素の排出が少ないのはニューヨーク。 田舎暮らしは環境負荷が高い。 人口減少こそ、温暖化防止の最適解。都市に集中して住む。 老年性平和。高齢化社会の問題化で、軍事的イデオロギーが弱体化する。
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女性の教育(性教育含む)、都市化、脱宗教化が進むと出生率が下がり、人口置換水準2.1かそれ以下になっていくことを様々な統計や世界中でのヒアリングから論じた本。 ・韓国、ケニア、インド、ブラジルなどの中興国〜途上国でも押し並べて出生率が下がっている。 ・移民を吸い寄せるアメリカでも、移民二世の出生率は一世より低く、黒人やヒスパニックでと白人の出生率も一般に思われているほどは離れていない。 ・田舎では子供は労働の担い手だが、都市では労働力にならず、土地も高く親の求める教育水準も高いため少子化が進む。 ・カナダは歴史的に辺境にあり人口が足りないため東欧などから移民を誘致していたことから、元々国のアイデンティティが希薄。加えて、教育レベルが高くカナダですぐに職にありつけるような優良な人材を多く受け入れてきたため、融和的。 ・都市化と人口減少は環境負荷を減らす方向に向かう。(ニューヨーク州の一人当たり二酸化炭素排出量は全米で最も低い) ・世界中の女性へのヒアリングが自分の実感と合致する点が多く、納得感のある本だった。 ・ムスリムの国ではどうなのだろうか?トルコなどは出生率が下がっていそうだけれど、原理主義的な国は女性への教育を否定しているからまだまだかかるかも。
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