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ポロック生命体 の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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2023/05/07

圧巻で、難解で、なによりもとても美しい作品 ChatGPTが日常生活に紛れ込んできたのが2023年。本作は2020年。原型は2013年から続いている。 将棋の「負ける」、人間?ロボット?の「144C」、これってパスティーシュ?って思う「きみに読む物語」、ラストの超大作「ポロッ...

圧巻で、難解で、なによりもとても美しい作品 ChatGPTが日常生活に紛れ込んできたのが2023年。本作は2020年。原型は2013年から続いている。 将棋の「負ける」、人間?ロボット?の「144C」、これってパスティーシュ?って思う「きみに読む物語」、ラストの超大作「ポロック生命体」。 後半2作が鳥肌ものだった。 ヒトには小説を理解、共感するスコアがある。スコアが低いやつにはスコアが高い小説が理解できない。語弊あるけどこんな感じ? 私はスコア低いのかな?と真剣に思ったよ。IQならぬSQって発想に感服。共感指数、シンパシー・クォーシェント。まいった! ラストの表題作は、さらに驚愕。AIが絵を、小説を書く。それを世の中は受け入れるのか?将棋等のゲームではすでにヒトを超えているAIの侵略が侵攻する?いや、そうじゃない。共存なのだ。 ChatGPTについて、ビジネスでは駆逐みたいな表現が通ってる。使い方次第ってのが今の着地点かな。でも、まだ共存という概念は無い。これ再読必須だな。

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2023/02/25

三章の途中で挫折。難しい。 難しいけど少し面白い。今の自分には合っていない、でも理解したい。テーマはすごく好き。いつかもう一度挑戦する

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2021/05/28
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※このレビューにはネタバレを含みます

読書備忘録588号。 ★★★☆。 久しぶりの瀬名さん。パラサイト・イブが最後だったかな?テーマはAI。AIは人間を超えることが出来るのか? AI対将棋、AI対小説、AI対書評、そして作品に宿る生命。 独立した4篇から成りますが、流れがあるのである意味連作短編と言っても良いかもしれません。 [負ける]AIと人間の将棋の戦い。将棋や囲碁は、この先自分に勝機は無いと判断すると"参りました"とか"負けました"と投了する。AIは王を取られるまで負けない。負けを認めるAIは成立するのか? [144C]編集者の会話だけの短編。哲学か?AIは小説を書けるのか?将棋もそうだが、AIを成長させるのは学習。機械学習と呼ばれている。多くの過去の事例を覚えさせることで、ある状況において正しい選択肢を選ぶという単純なもの。人間にはできない。では小説とは?過去の作品を覚え込ませて、そのエッセンスから新しい小説を書けるのか?それは人の心を打つのか? [きみに読む物語]感動する小説とは?多くの人間が感動するレベルを数値化。人間が感動する平均的なレベルを超える傑作はいくら傑作でも人を感動させることはできない。人間の平均レベルに合わせて傑作だと評論する。そのレベルに合わせた小説をAIが執筆すれば人々が感動する傑作になる。 [ポロック生命体]先の3編の集大成。人は老いる。画家でも作家でも全盛期から老いるに従い、作品のレベルは落ちる。AIはレベルを落とさず永遠に成長させることが出来る。既に故人となった小説家の新作を発表する。その本の表紙画も個人の画家のもの。まさに最高傑作であるとブームになる。しかし、人々は最終的にそれを無視し始める。無かったものとして。 まあ、そんなもんなんだろう。 ちょっと読むのがシンドイ小説でした。

Posted byブクログ

2020/12/12

AIの将来像の事例を示した短編が4つ.「負ける」では将棋プログラム≪舵星≫を使った対戦につかうアームロボット≪片腕≫を開発する久保田の話が展開するが、人間の棋士が"負けました"と頭を下げる行為はAIにはできないとの件が印象的だった.表題作を読んでジャクソン・ポ...

AIの将来像の事例を示した短編が4つ.「負ける」では将棋プログラム≪舵星≫を使った対戦につかうアームロボット≪片腕≫を開発する久保田の話が展開するが、人間の棋士が"負けました"と頭を下げる行為はAIにはできないとの件が印象的だった.表題作を読んでジャクソン・ポロックの抽象画をネットで見てみたが、AIでも書けそうなものだった.本の装画と小説をAIに作らせた石崎博史と研究者の水戸絵里のやり取りは部外者が入り込めない感じだった.AIの不気味さを感じた.

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2020/08/14

人間の能力に迫るAIの進歩を題材にした4作が収録されるSF短編集です。 人間が創造し進化させてきた盤ゲームや文学・芸術において、近い将来に起こり得る人工知能による敗北を描き出しています。 自分達にしか出来ないと思われていたことやアイデンティティを喪失した時、AIとどう折り合いをつ...

人間の能力に迫るAIの進歩を題材にした4作が収録されるSF短編集です。 人間が創造し進化させてきた盤ゲームや文学・芸術において、近い将来に起こり得る人工知能による敗北を描き出しています。 自分達にしか出来ないと思われていたことやアイデンティティを喪失した時、AIとどう折り合いをつければ良いのでしょうか。 人類より有能な知性に負けることは、自分より有能な他人に負けることとはスケールが違います。 新たな機械を作るのか、新たな生命を創るのか、我々が岐路に立たされるのは遠くありません。

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2020/06/26

人工知能をテーマに収録された中短編集。人間らしいAIを追究する「負ける」。AIと人間らしさを考察する「144C」。本の評価が数値化される世界を描く「きみに読む物語」(この作品だけ毛色が異なる)。AIと人間の位置づけを再構築する表題作の「ポロック生命体」。もっとも考えさせらたのは「...

人工知能をテーマに収録された中短編集。人間らしいAIを追究する「負ける」。AIと人間らしさを考察する「144C」。本の評価が数値化される世界を描く「きみに読む物語」(この作品だけ毛色が異なる)。AIと人間の位置づけを再構築する表題作の「ポロック生命体」。もっとも考えさせらたのは「ポロック生命体」だ。創作ができるAIが登場すると、人間の方が逆に機械にしか見えなくなる様が、真実をついていそうで、人間が小さく見えてくる。

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2020/06/24

AIと人間社会との関係をテーマに書かれた小説。 SFといえばSFかもしれないが、より哲学的な考察が印象に残る。 「きみに読む物語」などは興味深い思考実験だ。

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2020/06/05

AIと人間の関わりを書いた4つの短編集である。 SFチックなAIを期待して読んだが現実的に起こり得る内容の小説だった。

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2020/05/28

随分前にチェス名人がコンピューターに負け、続いて将棋名人がAIに敗れ、遂には囲碁名人もAIの軍門に下ったことは、まだ記憶に新しい。この傾向の行き着く先は、所謂シンギュラリティである。この本ではまず将棋、次に文学、更には絵画という芸術の世界のAIによる浸透を、恰も人間との戦いの如く...

随分前にチェス名人がコンピューターに負け、続いて将棋名人がAIに敗れ、遂には囲碁名人もAIの軍門に下ったことは、まだ記憶に新しい。この傾向の行き着く先は、所謂シンギュラリティである。この本ではまず将棋、次に文学、更には絵画という芸術の世界のAIによる浸透を、恰も人間との戦いの如く描く。それぞれに於いて、遂にはAIの絶対的優位が示唆され、文中でも「既にシンギュラリティが到来している」との発言もあるが、文意からすれば、AIと人間の共存の可能性にも若干の含みを持たせているとも取れる。

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2020/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

瀬名秀明の最新作。 AIと人間の関係性が主軸になってはいるが、基本的にはオーソドックスな人間ドラマだった。ふと思ったが、『パラサイト・イヴ』で鮮烈なデビューを飾った作家が、こういう作風に変貌を遂げたというのはけっこう不思議だ。『BRAIN VALLEY』とか好きだったんだけどなぁ。

Posted byブクログ