小学校英語のジレンマ の商品レビュー
非常にわかりやすく、客観的な分析。歴史的経緯の中で、小学校英語がどのように位置づけられてきたか、そして、肝心の課題とは何か、早期英語教育の効果は何か、が整理できた。早くに英語を学習することに、個人単位では意味がないと改めて認識。
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グローバル化は呪文 全ての日本人に必要なものではない グローバルビジネス、国際交渉の前線に立つ人の英語力向上させる施策が一番コスパがよい。例・企業内教育、職業訓練
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※このレビューにはネタバレを含みます
英語教育はどこに向かっているんだろう。と疑問を持って読んだ。 早期英語教育を公教育に盛り込んだところですぐに子どもが英語ペラペラになるわけではない。実生活と結びついているわけではないから。 教員の負担も増えるし研修する時間もお金もない。 だから著者は専科教員が担当するか、全廃かの案が良いとしていた。 担任て本当に忙しいし、だったら専科に教えてもらって空き時間にしたいという人が多い。だが専科は専門性はある程度あるものの、500人弱の児童を顔も名前も覚えて週1-2コマという短時間で理解しきれないまま苦しい思いをしていることもある。 個人的には教員の負担と教育効果を考えると専科制に賛成だが、それが正解とは思っていない。担任によってクラスの雰囲気や文化は十人十色で、全く違うものだから、単発ではいった教員がすべてをコントロールするというのは至難の業だということを感じている。 しかし一方で専科を経験したから強く思うこと。どんな教科でも目の前の子どもがどうなってほしいか常にありたい姿を描き、それを子どもと共に作り上げていくことが子どもたちの成長に大切だということだ。 専科制でも担任がやるのでも、ぷいっとせずに英語に歩みよってほしいと思う。
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小学校英語の問題点を丹念に調査した好著だ.結論めいた件がp204にある.「小学校英語は熟議なしで拙速に決定されたものであり、そもそも劇的な効果は望めない.また、グローバル化に対応するために小学校から英語を導入すべしという根拠も不明である.」お金がないからか担任の先生が英語を教える...
小学校英語の問題点を丹念に調査した好著だ.結論めいた件がp204にある.「小学校英語は熟議なしで拙速に決定されたものであり、そもそも劇的な効果は望めない.また、グローバル化に対応するために小学校から英語を導入すべしという根拠も不明である.」お金がないからか担任の先生が英語を教えることになり、先生の負担も増大している.第二次安倍内閣で、官邸主導の進め方が目立つとの指摘もあるが、例によって議事録がない事例が多いようだ.誰がどのような形で決めたのか、反論はあったのか、ものごとの進め方が稚拙だと感じた.
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英語が2020年度をもって小学校5年生から正式な教科として始まるに際して、そのまさに当事者の小学5年生が家族にいるものとして、その英語教育がどのような考え方を背景にデザインされてきたものなのか、その内容を確認することができた。 英語が要るのか要らないのか、ただちにその深いとこ...
英語が2020年度をもって小学校5年生から正式な教科として始まるに際して、そのまさに当事者の小学5年生が家族にいるものとして、その英語教育がどのような考え方を背景にデザインされてきたものなのか、その内容を確認することができた。 英語が要るのか要らないのか、ただちにその深いところには立ち入らず、評価の妥当性をどこに求めるべきかという論旨になっている。まあ、これはこれでいいだろう。 ただ、当事者として気になるのは、英語教育の質である。小学校教員にはもともと英語教育の資格がなく、現場は右往左往の混乱にあるようである。これで授業が成り立つのかという「?」は至極自然な感覚ではないだろうか。 入門レベルの英語を技術的に教えることぐらいならば、親の自分にでもできる。将来へと繋がる外国語教育の戦略がまるで見えない。
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小学校英語について最もよくまとまった本である。また共分散構造分析のモデルも使っていた。 研究の基礎文献になりうる本である。
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これはジレンマか?もう、ほとんど、問題だらけのなか、鶴の一声で決まったようなものではないのか?まずは早期の英語教育が英語力向上につながるかどうかが疑わしい。もちろん、良き指導者が時間をかけて取り組めば効果は望めるのだろう。しかし、英語教育の基本も知らない、下手をすると「英語なんて...
これはジレンマか?もう、ほとんど、問題だらけのなか、鶴の一声で決まったようなものではないのか?まずは早期の英語教育が英語力向上につながるかどうかが疑わしい。もちろん、良き指導者が時間をかけて取り組めば効果は望めるのだろう。しかし、英語教育の基本も知らない、下手をすると「英語なんて大の苦手でした」というような小学校教員が初学者に英語を指導する可能性もある。楽しくできるわけがない。と思う。英語専科の教員をかなりの数、採用するそうだ。それは文科省もがんばったのだろう。しかし、全小学校に1人とはとても言えない。研修にしても、たとえば専門家が全国から代表を集めて研修し、その代表が各都道府県で研修し、それを持ち帰って各学校で研修し、と言ったような、孫とかひ孫とかいうような教員たちが子どもたちを指導する。はあ、とため息が出る。学校の取り組み方、担任の取り組み方次第でずいぶんと受けられる英語教育に隔たりがある。それを是正するために教科化する。それはわかる。しかし、システムが変わっても実際に指導する人間が変わっていなければ何も変わらない。きっと。本書ではあまり言及されていないが、中1になる段階で、子どもたちの英語力には大きな差があるのは事実だ。それまでの取り組みの違いだろう。(これが、小学校高学年の担任の差が大きな原因であるならば大いに問題である。もっとも、それは他の教科についても言えることではあるが。)しかし、この差が、1,2年の中学英語の学習のもとで縮まっていくのか。最初に苦手意識がついてしまって、余計に差が広がることもあるだろう。我が家の子ども2人はともにこのケースだと思う。一方で、どうも語学には向き不向きがあるような気がしてならない。最初後れを取っていても、すぐに追いつく子もいる。いくら時間をかけても、身につかない、覚えられない生徒もいる。他教科も同じだろうが、特に英語(語学全般?)はそういう気がする。そして、道徳科についても、似たような問題があると思う。私は専科にすべきだと思うが、反対の専門家が多そうだ。担任の仕事って、とにかく大変なんだからなあ。せめて、担任手当でもつければいいのに。お金は出さないが口は出す。最悪だ。
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小学校英語教科化の歴史的経緯が、かなり詳しく記述されており、なるほど、と思うこと多数。今後の展望も説得力あり。
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