旅人の表現術 の商品レビュー
角幡さんの存在を初めて知った。 物を書くことを前提の冒険家。 彼と似た方を知っている。 沢木耕太郎さんとの対談はヒリヒリと新しい感覚
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今の1番自分に近い感覚。 マニュアル化が進むがゆえの、不自由。 本当の自由に辿り着くには、自分の選択し、試行錯誤した先に見えてくる。
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角幡唯介(1976年~)氏は、北海道芦別市生まれ、早大政経学部(早大探検部)卒のノンフィクション作家、探検家。 『空白の五マイル』で開高健ノンフィクション賞(2010年)と大宅壮一ノンフィクション賞(2011年)、『アグルーカの行方』で講談社ノンフィクション賞受賞(2013年)を...
角幡唯介(1976年~)氏は、北海道芦別市生まれ、早大政経学部(早大探検部)卒のノンフィクション作家、探検家。 『空白の五マイル』で開高健ノンフィクション賞(2010年)と大宅壮一ノンフィクション賞(2011年)、『アグルーカの行方』で講談社ノンフィクション賞受賞(2013年)を受賞。 本書は、2011~16年の雑誌に掲載された記事や対談、単行本・文庫本の解説などを集めたもので、2016年に出版され、2020年に文庫化された。 収録されているのは、 ◆「歩き、読み、書く ノンフィクションの地平 ×沢木耕太郎」(「考える人」2012年秋号) ◆「たったひとつの信じるもの ×増田俊也」(「ゴング格闘技」(2013年11月号) ◆「開高健が求めた失われた“荒地”をカラダと心に取り戻さないか? ×石川直樹」(「BE-PAL」2013年4月号) ◆「冒険する人間と、書き手としての自分 ×石川直樹」(「kotoba」2011年冬号) ◆「危険でも行かなくてはならない場所、書かなくてはならないこと ×鈴木涼美」(「幻冬舎plus」2015年2月) ◆「神去村の世界を語る ×三浦しをん」(「読楽」2012年11月号) の対談のほか、『ライカでグッドバイ』(青木富貴子)、『日本人の冒険と「創造的な登山」』」(本多勝一)、『百年前の山を旅する』(服部文祥)、『サハラに死す』(上温湯隆/長尾三郎構成)、『冬山の掟』(新田次郎)、『外道クライマー』(宮城公博)などの解説、「『夏の闇』に見る 人間・開高健の荒地」(「kotoba」2014年秋号)、「「ここにおれがいるから」普遍的山岳小説の視点」(「小説すばる」2016年3月号)などの記事である。 私はこれまでにも、著者の『空白の五マイル』、エッセイ集『探検家の憂鬱』などを読んできたが、本書では著者の、冒険者及び書き手としての様々な思いが、対談や他の書き手の作品との対話によって、具体的に引き出されており、大変興味深く読むことができた。 特に、「行為者=書き手」である場合のコンフリクトは、「ノンフィクション」を議論する際にしばしば問題となるテーマだが、それに関する沢木や石川とのやりとりは面白い。(私は沢木、石川の著書も多数読んでいる) また、私はこれまで、著者の冒険者・書き手としてのある種のこだわりの強さがやや引っ掛かっていたのだが(本書にもそれは通底している)、「文庫版あとがき」には、「今の私は、本書の文章を書いていたときの私と問題意識を共有していない・・・この五、六年で私の感覚や思考は大きく変化した。・・・どうやらどこかの時点で、私は個人的な生の追求から、万人にあてはまる普遍的な生の追求に軸足をうつしたようだ」と書かれている。近いうちに最近の作品をぜひ読んでみたいと思う。 (2021年6月了)
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探検家であり、それを綴るノンフィクション 作家としても名高い角幡氏の「探検」以外の 作品集です。 対談や、ある著作に寄せたあと書きなどが主 ですが、表現の幅が非常に広いと感じさせる 内容ばかりです。 語彙と言いますか、表現が非常に多彩なので す。 他の作品でもそうですが、「...
探検家であり、それを綴るノンフィクション 作家としても名高い角幡氏の「探検」以外の 作品集です。 対談や、ある著作に寄せたあと書きなどが主 ですが、表現の幅が非常に広いと感じさせる 内容ばかりです。 語彙と言いますか、表現が非常に多彩なので す。 他の作品でもそうですが、「文字がギッシリ」 というページ上での見た目ですが、その内容 は飽きさせつことなく、どんどん読み進める ことが出来てしまいます。 探検体験に止まらず、これからも多くの表現 の幅を広げていって欲しい作家であると思わ せる一冊です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2020/11/21 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2023/11/22〜11/28 角幡さんが、いろいろな媒体に書いたエッセイや対談、他作家の文庫解説などをまとめた本。本人の書いた本は、探検的な部分にどうしても意識が向くが、この本を読むと相当思索的な人であることが感じられた。
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高野秀明との対談本の後、本書を読んだ。探検や執筆に対する角幡氏の考えについて、重複するエピソードもあったが、彼の作品の理解の助けには間違いなくなると思う。沢木耕太郎や増田俊也との対談に見られる作家としての価値観の違いなんかも興味深い。本書の随所に開高健についての言及があり、それら...
高野秀明との対談本の後、本書を読んだ。探検や執筆に対する角幡氏の考えについて、重複するエピソードもあったが、彼の作品の理解の助けには間違いなくなると思う。沢木耕太郎や増田俊也との対談に見られる作家としての価値観の違いなんかも興味深い。本書の随所に開高健についての言及があり、それらを読む限りやはり怪物的な存在なのだな、と開高健への関心が最も高まった。
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今現在、書ける冒険家の最右翼だと思っています。 ちなみにもう一端のトップランナーは高野秀行だと思っているんですが、最近めっきり寡作になってしまったからなあ・・・。 そして、そんな現在一番欠ける冒険家角幡唯介が、今から10年前くらいから色々な媒体で書いてきた文章をまとめた本です。 ...
今現在、書ける冒険家の最右翼だと思っています。 ちなみにもう一端のトップランナーは高野秀行だと思っているんですが、最近めっきり寡作になってしまったからなあ・・・。 そして、そんな現在一番欠ける冒険家角幡唯介が、今から10年前くらいから色々な媒体で書いてきた文章をまとめた本です。 巻末で彼も認めていますが、若くて勢い(気負い)が多大に感じられる文章です。そして「ザ・理屈」というイメージプンプンします。娘の事を書いたエッセイですら理屈が多かった位なので、これはもう生まれ持った性質なのでしょう。 そして角幡愛好家としてはこれがとっても面白いんですね。書評が多いのですが書評としてより本を触媒として自身の考えを論じているという方がふさわしいと思います。 そして論じているものが僕になじみ深いものが多いので、余計に楽しかったという事があります。出てくる度にニヤニヤしていたのですが、風呂場で読んでいたので誰にもばれなくてよかった。ひっかかったのは下記の通り。 ①「神々の山領」夢枕獏 僕の人生のベスト10冊の一つ。エベレストの初登頂は誰だったのかという謎をめぐる登山青春小説。 ②サバイバル登山家 服部文祥 負けず嫌いで、これまた理屈っぽい冒険家。どこかこの二人被る部分が有るんですよね。角幡氏が彼の事を語っているのがなんだかとっても新鮮でした。 ③「外道クライマー」宮城公博 近年まれにみるバカみたいに面白い冒険本でした。まじめな登山家が眉をしかめるような本ですが、無頼派の冒険家として大成して頂きたい。まさか角幡氏が論じているとは思わず大興奮。
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