意識のリボン の商品レビュー
超久しぶりの綿矢作品は短編集。エッセイなのかと思わせる小説、独特の捻くれた視線が鮮やかな小説、どれも面白かった。
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女性の描写が本当に美しいな… 内容は正直ピンとこなかったけど、多分妻になったり母になった時に読んだら分かるのかな
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綿谷さん作品の中ではちょっと読み解くのが難しい気がした。淡々と進んでいく話が多くよく分からない。けれど、各々の話にたまに垣間見られる登場人物のちょっとした発言などは秀逸だなと思った。
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エッセイ集のような短編小説集。 「こたつのUFO」の突拍子もなさに笑いながら、姉妹の話に心当たりがあってすこし気分を害しながら(それだけ巧みだということ)。だけど「意識のリボン」表題作で、それまでのちまちまとした感情を突き抜けてしまった。 ずっと読んできた綿谷りさによる、魂と肉体...
エッセイ集のような短編小説集。 「こたつのUFO」の突拍子もなさに笑いながら、姉妹の話に心当たりがあってすこし気分を害しながら(それだけ巧みだということ)。だけど「意識のリボン」表題作で、それまでのちまちまとした感情を突き抜けてしまった。 ずっと読んできた綿谷りさによる、魂と肉体とひかりの話を読めるなんて最高としかいえない…この1篇があるから手放せない1作になりました。
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綿谷りさの表現力には脱帽。この話は小説というより、 名前の知らない女性たちの日記を読んでいるかのよう。だから、面白いではなく、共感できるといった感想が沸く。 頭の中で渦巻くもやもやに形を与えてくれた。 特に好きなのは、怒りの漂白剤。
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綿矢りさっておっぱい好きなのかなぁ… エッセイなのか小説なのか不思議になる短編集。 これ読んでると作家の考えが小説に出てくるキャラクターや設定に反映されているんだなってのがわかる気がした
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エッセイのような“岩盤浴にて”や、異色の“こたつのUFO”、あったらいいなの“怒りの漂白剤”あたりが好みかな。軽妙なタッチも重厚な哲学的思考も、どっちもいける。久々に綿矢ワールドを堪能しました。あぁ、この鬱屈したものを吐き出したい!
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8篇の短編のうち、7篇は女性の語りですすむ。 「岩盤浴にて」は、見知らぬ中年女性の会話を聞きながら、色々思う話である。 外は秋の風だというのに、なんとも湿度が高く、汗が吹き出そうな、そんな気持ちにさせた。 まあ…岩盤浴は行ったことないし、汗もあまりかかない性質なので想像力とはげに...
8篇の短編のうち、7篇は女性の語りですすむ。 「岩盤浴にて」は、見知らぬ中年女性の会話を聞きながら、色々思う話である。 外は秋の風だというのに、なんとも湿度が高く、汗が吹き出そうな、そんな気持ちにさせた。 まあ…岩盤浴は行ったことないし、汗もあまりかかない性質なので想像力とはげにおそろしげなり、なのだが。 「怒りの漂白剤」は、短気な私はよくわかる。 クーパー靭帯に例えられた時は面食らったが、わかる気がする。 舌打ちされると腹立つよね、わかるわかる。 怒りの沸点、というか、私はチャッカマン(これ、登録商標だっけか、あとで情報プラットフォームで調べてみよう)なみに火が簡単につく。 だからおっさんの「女が退くのは当たり前だろ、チッ」に「なんだ、コラ」というような態度を取ったことも若い頃にはある。 しかし喧嘩は買ったらだめだ。 そう言うわけだからあまり愛、平等、平和、みたいなことを偉そうに言えないのだ。 良い人じゃないから正しくいきたいとおもうのだ。 さてなんの話だっけ。 「声の無い誰か」は子供を持つ人には恐怖でしかない。 なんだこの終わり方。 ホラーじゃないか。 デマの恐怖と現実の恐怖。 子供が巻き込まれる事件は実際にある。 それから守ろうとしてデマが出来上がる。 デマもまた違う恐怖を引き起こす。 言葉にならない教訓のようなもの。 ざわつくこころは、私に何を伝えようとしているのだろう?
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岩盤浴にて 岩盤浴に通いながら近くのホットヨガに通う女性たちの会話などを聞きながら自己分析。 人の会話をつい聞き耳を立てて聞くとこんな感じというのがとてもリアルに描かれていてゾクゾクとしました。 そこから人生の生き方が見い出しているのが面白いです。 人間観察が鋭いです。 こたつ...
岩盤浴にて 岩盤浴に通いながら近くのホットヨガに通う女性たちの会話などを聞きながら自己分析。 人の会話をつい聞き耳を立てて聞くとこんな感じというのがとてもリアルに描かれていてゾクゾクとしました。 そこから人生の生き方が見い出しているのが面白いです。 人間観察が鋭いです。 こたつのUFO 炬燵の中でぬくぬくとしているとこんな心境になるというのがこれもリアルに伝わってきます。 そこから何故かUFOが来るというのが何とも面白い発想。 歳を重ねて色々と思いが募ることがあるけれど、 可能性はいつだって外ではなく自分の内側に 詰まっているという言葉が印象的でした。 ベッドの上の手紙 男性からのちょっと意味深な手紙です。 こんな手紙が置いてあったらぞっとするし、 この男性の行く末が気になって仕方ないです。 履歴の無い女 結婚を先にした妹が姉宅へ訪れて一緒に料理をしながら 会話をしていたらふとしたことが・・・ 主人公の女性が辛い現状になっているせいで 履歴が無いと思って過ごしているのかよく分からない設定ですが、 あんなに気丈に振舞っていたり元気だった妹が 実はあの時には酷い精神状態だったということが分かり 主人公が少し将来の事を考え始め出しているのが救いだなと思いました。 不思議な物語。 履歴の無い妹 一人暮らしをしていた妹が近々結婚をするというので 引っ越しの手伝いに行く姉。 引っ越しの手伝いをしている途中で一枚の意味深な写真を見つける。 そこから今まで一緒に過ごしていた妹が意外な過去を 探ることになる。 この姉の言うようによく若い時の写真を 沢山撮っておくと良いと聞くけれど、 時にはこの場合のように人には言えないような 過去も発見されることもあるので写真も良い思い出の ものならばいくつあっても良いけれど、 数があれば良いものでもないのと思えてしまいました。 人生で残しておく思い出は、安心して退屈な物が良いという言葉が とても印象深かったです。 怒りの漂白剤 沸々と怒りの根源、原理などが描かれていて まるで哲学書のようでもあり怒りの度合いが伝わります。 確かに日頃のストレスの解消の仕方は様々ですが、 漂白剤のようにさっと消せることが出来たらどんなに 便利かと思ってしまいました。 発想の転換がユニークでした。 声の無い誰か 住宅街の中で不審人物が現れ、被害者が出たという噂が 広まりそれに狼狽えていた主婦。 あまりにもこの噂話にリアリティがありどんどんとこの主人公が嵌ってしまい日常生活にまで支障が出てしまうという少し他の作品とは違うタイプの物語でした。 目に見えない恐ろしさ、そして噂が噂を呼んでしまう怖さがこの作品ではたっぷりと味わうことが出来ました。 ただ噂だけでなく今後の事を考えるとラストのような行動を取ることも時には必要だと思いました。 意識のリボン 交通事故に遭ってしまい一命を取り留める間に経験した 不思議なひかりの世界が綴られいます。 同じような経験はしたことが無いですが、 何故か何処かでこのような経験をしたような思いになり、 読んでいても違和感がなく、いわゆるあの世の世界などが怖いものではなく温かく包み込まれるような世界で 描かれてい本当に不思議な世界観でした。 集英社文庫ナツイチ2020で紹介されていた中で 興味深い作品だったので手に取りました。 履歴の無い私と履歴のない妹は二作品で一作品と 思って読んだ方がよく理解できるかと思います。 綿矢さんの作品は読んだ記憶があまり無いのですが、 なかなか女性の心の奥底の本音を掴んでいて 共感できる所や少し理解しずらい部分もありましたが、 それが様々あって面白かったです。 どの作品にも通じることは女性の身体と精神論といった ものを感じましたが、ラストの作品になりその二つを超越した 魂の底力というものを感じました。 今まで綿矢さんの作品を読んでいないので どんな作風が特徴的なのか分からないですが、 肉体と精神というものが根底にあって それを超える何かが奥に潜んでいるような気配を感じるのでこれをきっかけに他の作品も読んでみたいと思いました。
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全8編からなる短編小説。最初の3編を読んでこれは小説集なの? エッセイでは?とも思った。 綿谷りさは「日陰者から見た社会」みたいな視点がが本当に面白い。かなりの捻くれ者。陽キャを軽蔑と羨望の目で眺めてる陰キャみたいな。 言葉の扱い方もうまくて、たまに突拍子もない比喩を入れたり...
全8編からなる短編小説。最初の3編を読んでこれは小説集なの? エッセイでは?とも思った。 綿谷りさは「日陰者から見た社会」みたいな視点がが本当に面白い。かなりの捻くれ者。陽キャを軽蔑と羨望の目で眺めてる陰キャみたいな。 言葉の扱い方もうまくて、たまに突拍子もない比喩を入れたりするんだけど、それがすごくストンとイメージできる。文章のリズムというか緩急があるから、どんどん読み進められるし、読んでいて心地いい。 ちなみに私は『こたつのUFO』が好き。30歳独身の女性が部屋の中で悶々と自分の人生を振り返ったり、宇宙人に連れて行かれる夢を見たりする話。「20代の宿題、30代に持ち越した…」という一文が今の自分と重なる部分があり、とても苦しくなった。あいたたた…
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