1,800円以上の注文で送料無料

嫌な奴 の商品レビュー

3.7

17件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    4

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2020/07/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「嫌な奴」はどっちだよ、というのはありつつ、主人公に同情してしまいしんどかった。嘘でも思い込みでも好きになってしまえば幸せだったかもしれないのに。

Posted byブクログ

2020/05/20

題名のとおり嫌な話だった。小説としては面白いけど、誰も幸せにならない嫌な話。嫌の書き方がうまい。なかなか感情移入できないけど、普通じゃない感じが登場人物の魅力になる。

Posted byブクログ

2020/03/22

やっぱり執着と登場人物の性格の悪さを描かせたら木原さんだなって原点回帰なストーリー。三浦の暴力や執着はあからさまだけど、偽善や体裁そういう誰も持つ闇の部分を持つ杉元もまた嫌な奴な訳で。でもそれも含めて嫌悪感を抱きつつも読み進めていくうちに何故だかキャラに感情移入してしまう。ハッピ...

やっぱり執着と登場人物の性格の悪さを描かせたら木原さんだなって原点回帰なストーリー。三浦の暴力や執着はあからさまだけど、偽善や体裁そういう誰も持つ闇の部分を持つ杉元もまた嫌な奴な訳で。でもそれも含めて嫌悪感を抱きつつも読み進めていくうちに何故だかキャラに感情移入してしまう。ハッピーエンドに見えて本人たちは気づいてないのが滑稽で切なくてまた愛おしい。

Posted byブクログ

2020/02/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本筋は前のと変わらず、スマホが加わったくらい。ヒロインの外見も変わったかな。 杉本と三浦の心情もそのままなので、前と同じようになぞりつつ、昔の作品を読んだ時のようにどんどん三浦に対しての気の毒さが強まった。 最初は三浦が「嫌な奴」に見えたけれど、読み進めていくうちに杉本のほうが「嫌な奴」では?と気づけて面白い。暴力を振るわれたら嫌だから言いなりになる、友達面をするのはわかるけれど、あんなに慕われているのに親友面を続けるのがわからない。小野寺の指摘通り優越感を覚えていたのだと思う。なんだかんだ、杉本は三浦から執着されることに満足感を得ていたのかもなあと思った。さすがに火事で死んだと聞かされた時の対応はひどすぎるとは思ったが、そのときの杉本はどんな気持ちだったのかわからない。そして生きていたと知った時も。反射で逃げているように思えた。 一番の救いは特典のSSで、杉本のほうから三浦に触れたこと。それだけでなにもかも許してしまいそうなほど、ため息が出た。なにを許すのか自分でもわからないけど、どちらかが死ぬまで穏やかに生きていて欲しい。 おそらく、三浦が杉本から離れた様子を見せた時、杉本が動揺しすがり付くようなことになれば、三浦もまた多少報われるんじゃないかと思う。 一方的なものが、双方向へと変化していったのが良かった。 三浦は杉本はこんなに「嫌な奴」なのに、どこがいいのだろう。三浦視点の小説も読みたかった。

Posted byブクログ

2020/02/22

男同士の愛情(執着?)のお話。男同士であろうと男女であろうと、お互いの愛情の大きさは同じっではなく、必ず大小がある。一方がすごく想っているのに、片方はそうでもない場合に悲劇がおこる。愛情というものの切なさを考えさせられた本。

Posted byブクログ

2020/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1998年4月ビブロス初出の20年以上前のノベルス版を、今風に大幅加筆修正。しかも、「箱の中」「美しいこと」「秘密」に続いて講談社文庫からの出版です。 現在の木原作品の特徴をギュギュっと濃縮した、原典のようなストーリーです。 これっぽっちも好きじゃない相手(♂)に異常に執着され拒絶し続けるも逃げ場のない状況に追い込まれ嫌々受け入れるけど、ドロッドロの愛憎の渦中で気がつけばほだされてしまっている…という展開。 息つく暇もなく読み切ってしまいました。 それで思ったのが、杉本視点で三浦という男がいかに粗暴で自己中で恐ろしい存在かということが書き連ねてあるけれど、実は一番自己中で冷酷で「嫌な奴」なのは三浦じゃなくて、杉本だよね?ということでした。 そもそも気の合う親友のふりなんかして、なのに急に行方をくらますとか、相手が傷つくのは当たり前なのですよ… 何か事情があったならいざ知らず、小野寺にはちゃんと色々話してたとか知ったらショック以外の何ものでもないですよね~ ま、そんなことは杉本の主観でストーリーが進行しているのでいっさい語られていないのですが、小野寺の言葉によって徐々に読者にはどっちもどっちなことに気づかされるのです。 杉本は、三浦を怖がりつつも相当振り回しているような。 そんな風にに逃げ回ったり冷たく接したりしたら、ますます執着されちゃうのですよ… 三浦が「同情もしてくれない、友達にもなれない。そこにいないみたいに無視される」と本音を暴露したところは切なかったです。身体しかくれないから身体だけでも、というのはちょっと…と思いましたが、最後で三浦の心情をうかがい知るともう同情しかなかったです。 このお話がさらに進化したのが「FRAGILE」かな。 テーマは似ているけど、まだ「嫌な奴」の方が衝撃はソフト(笑) あれほど痛くはないので、読みやすかったです。 木原作品の醍醐味を存分に味わうことができました。

Posted byブクログ

2020/02/16

恋愛でも友情でもない、なにかわからない、嫌で仕方ない、一緒にいると苦痛しかない、でも離れられないという、この関係が好き。とくにこの作家さんの描くこのどうしようもない関係が好き。今まではそこに結局ハッピーエンドがあって、それもそれでめちゃくちゃ好きだったけど、今回はそれが全てだった...

恋愛でも友情でもない、なにかわからない、嫌で仕方ない、一緒にいると苦痛しかない、でも離れられないという、この関係が好き。とくにこの作家さんの描くこのどうしようもない関係が好き。今まではそこに結局ハッピーエンドがあって、それもそれでめちゃくちゃ好きだったけど、今回はそれが全てだったな。それもそれでいい… この二人は、お互いにとってお互いが嫌な奴なんだろうな。なんかもうどうしようもないな。でも、こうなっちゃうんだろうなと思わせる二人が好き。 ただ、どこかで三浦に少しでもなにかを、と願ってしまったわたしにとって、初回限定の書き下ろしSSがあって、読めて、読んで、ほっとした。

Posted byブクログ