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鉄の門 の商品レビュー

3.6

9件のお客様レビュー

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2021/01/15

ずいぶん前の作品なのに、人間のおどろおどろしい心理や家族関係の機微がしっかり描かれていて、ふとした瞬間に私もこんな事思ってる、と愕然とする。ずっとミラー氏を読み続けてて、心が消耗されてしまった。

Posted byブクログ

2020/12/04

ドロっと暗くなる読み応え。重かった。予想外の結末とかではないのだけど、人が追い込まれていくとどうなるのか、狂気と正常の境目はどこなのか、そういうのが人ごとでなく、自分のことと曖昧に重なっていく怖さがあった。

Posted byブクログ

2021/10/05

サスペンス要素の強いストーリー。正気を失った人間の心理描写が巧みで、雪の上を裸足で彷徨うひんやりした感覚を終始味わった。絡まっている各人の行動にサンズの観察力と推理力が全体にうまく糸を通し、結末が静かに導かれていくさまにミラーの巧さを感じた。

Posted byブクログ

2020/09/01

箱の中身や犯人の謎もさることながら,ヒッチコックばりの精神的に追い詰められていくルシールの恐怖にこちらも引き込まれながら読んだ

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2020/08/15

サイコスリラーと呼べばいいのでしょうか?物理じゃなくて精神的に殺しに行く感じ怖い。でも何人かは物理で殺すのも怖い。

Posted byブクログ

2020/05/19

身知らぬ男が持って来た小箱の中身を見て、突然失踪する後妻の女性。小箱の中身は何なのか、ということが謎なのかとも思われるが、そこはあまり重要ではない。人が人を心理的に操作できるのかという見地から、全体を振り返るのが妙味だと思う。会話や手紙の一語、一文に示される表の意味と隠された意味...

身知らぬ男が持って来た小箱の中身を見て、突然失踪する後妻の女性。小箱の中身は何なのか、ということが謎なのかとも思われるが、そこはあまり重要ではない。人が人を心理的に操作できるのかという見地から、全体を振り返るのが妙味だと思う。会話や手紙の一語、一文に示される表の意味と隠された意味、その描写は作者ならではである。

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2020/02/24

古いミステリの新訳が出て、解説を春日武彦先生が 書かれたという情報が流れてきたので、 興味を持って購入。 精神科のお医者さんが解説を依頼されるということは、 つまりそういう類の小説だろうと予測し、 既読のジョン・フランクリン・バーディン 『悪魔に食われろ青尾蠅』 https://...

古いミステリの新訳が出て、解説を春日武彦先生が 書かれたという情報が流れてきたので、 興味を持って購入。 精神科のお医者さんが解説を依頼されるということは、 つまりそういう類の小説だろうと予測し、 既読のジョン・フランクリン・バーディン 『悪魔に食われろ青尾蠅』 https://booklog.jp/users/fukagawanatsumi/archives/1/448813503X を連想した――が、 もっとずっとスリリングでサスペンスに満ち、 しかも、嫌~な気分になる話だった(←褒め言葉)。 それぞれ配偶者と死別し、再婚したモロー夫妻。 以後15年が平穏に過ぎたかに見えたが、 妻ルシールは家の中でずっと 除け者の感覚を味わい続けていた。 そんなある日、謎の人物から不審な小箱が届き、 開封したルシールは悲鳴を上げた後、家出。 家族が捜索願を出し、彼女は程なく警察に保護されたが、 パニックに陥り、精神病院への入院を余儀なくされた――。 不気味な贈り物の正体はじきに判明するが、 それを見て嫌悪感や恐怖に囚われるだけでなく、 精神の均衡まで崩すとは、どういうことか。 その謎を、未解決事件を抱えたままのサンズ警部が追う。 悪意の籠もったプレゼントは、別の何かの代替物、 表象であり、普通の人は贈り主の真意が読み取れず、 精々怖れ、吐き気を催す程度で終わるだろうが、 ルシールはそうではなかったし、 犯人もその点を踏まえて事に及んだはず。 そう、彼女は物静かで我慢強く、 一見、外部からの刺激に鈍感そうな女性だが、 実は賢く思慮深いのだと、モロー家のメイドが語っていた……。 タイトルは精神病院の内と外を区切るゲートを指し、 恐らく、理解し合えない人と人の心を隔てる障壁や、 誰かを激しく憎んで呪いの言葉を吐くこと(セーフ)と、 その相手に危害を加えてしまうこと(アウト)の 境目を表してもいるに違いない。 怖いのは章題。 第一部「狩猟」、第二部「狐」、第三部「猟犬」。 狩猟はルシールが徐々に追い詰められていく過程、 狐は病院内に囲い込まれた彼女を表していると思われる。 問題は「猟犬」――つまり、 彼女を狙っていたのは誰か、ということ。 それがわかった瞬間、背筋が寒くなった。 作者はカナダ出身のアメリカの作家で、 ロス・マクドナルドの妻。 読了後にWikipediaに目を通して知ったが、 本作で謎解きを行うサンズ警部は、 他の作品でも活躍するらしい。 星は控えめに★★★としましたが、 気持ちとしてはかなり★★★★に近いかな。 (視点がコロコロ変わって入り乱れるのが、少し鬱陶しいので微減点)

Posted byブクログ

2020/02/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

新訳。 初期の長編ということだが、筆はこなれていて、既に作家性が確立されている感じがする。 ストーリーも読後感もモヤモヤしたものが残る、今で言う『イヤミス』に近いサスペンス。いや~、この一家、気持ち悪いわ~……。

Posted byブクログ

2020/02/14

読んでいて決して気持ちがいいわけではないし、ミステリ的にも気持ち的にもスッキリするわけではない。でもぐんぐん読まされちゃうんだよねー。冒頭からして不穏な空気プンプンで、人物の描写は辛辣で、私はやっぱりいいなあマーガレット・ミラー。

Posted byブクログ