じゃない写真 の商品レビュー
写真に対してわからないという感想を持つことを、写真家自身が肯定してくれるのはすごく意味があると思う。現代の写真家たちがいわゆる「わからない」写真を撮るに至るまで、どのような環境や評価の変化が起きていたのかざざっとおさらいできて読み応えがあった。
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写真を超えて、アート全般の「分からない」との向き合い方を、日常言葉で綴ってくれた名作本。村上隆『芸術起業論』と併せて読みたい一冊。 それこそ、読み始めは「2編構成」にする意味がわからなかったが、読み終えて大納得。前半の分析の数々が、単なる外からの現代写真の批評ではなく、作家じゃ...
写真を超えて、アート全般の「分からない」との向き合い方を、日常言葉で綴ってくれた名作本。村上隆『芸術起業論』と併せて読みたい一冊。 それこそ、読み始めは「2編構成」にする意味がわからなかったが、読み終えて大納得。前半の分析の数々が、単なる外からの現代写真の批評ではなく、作家じゃなかった一人の人物が、アート産業と悪戦苦闘しながら思考した結果としての言葉たちだったんだということが、後半で明らかにある。 巻末でYouTuberとしての挑戦宣言があるが、僕自身、写真に興味をもったのは、アルゴリズムの果てに、2BChannelに流れ着いたから。 渡部さとるという作家の挑戦と継続に、いち影響を受けた人間として、感謝。
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「旅するカメラ」の人なのね。海外にいたとき電子書籍でシリーズで読ませていただいた。 こちらは写真論。というかアートを通じた表現をめぐる考察は、面白い。 本書の主旨は、今(あるいは今後)求められるのは、 「役割を持たされた写真じゃなくて、写真が写真である写真」 ということだろう。故に 「写真の表現は、どんどんテキストから離れ、物語から離れ、写真が写真として自立していく」 と著者は言う。そのため、作者という主体の存在は薄まり、作為も表面に出てこなくなる。 「これまでの展示のような、作者には何か明確な意図があって、それを見る側が受け取るという”わかりやすい図式”は、もう存在しないと言い切ってもいい。」 とまで書く。自我を徹底的に排除した作例として、ベッヒャー夫妻とその後進のドイツ写真家たちの活躍と、主体の排除を目指す現代写真の流れを俯瞰する。 直近読んだ写真論は、『新写真論』(大山顕著)だ。大山は、写真機に代わるスマートフォンの登場と、発表の場としてのSNSの台頭から、 「自撮りが全盛の昨今、カメラを仲立ちとした、撮る者と撮られるものという関係性が崩壊している。」 と記し、被写体=撮影者というパラダイムシフトが生じているという。 片や消えゆく「私」や主体の意思、片や、撮るもの=撮られるものとし被写体として顕在化する主体。果たして、今の流れは一体どちらなのだろう。 要は、本書の中でも語られているように、「あなたはどんな流れの中で制作していますか」ということなのだろう(本書の著者は、“ヨーロッパの表現の多くは、前世代からのつながりをどのように消化し、下敷きとしているかを大切にしている”と言う)。 時の淘汰を経て、どちらの流れが生き残っていくのかはわからない。残ったほうが適者というだけで、今、この時点で、どちらが正しく、どちらが間違っているというものでもないのだろうな。 だからこその写真論。いろんな考え方があって面白い。 果たして、じぶんは、どちらの?あるいはまた別のまったく違った流れの中で制作しているのか、改めて考えてみようという気になった。好著。
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写真が写される対象から独立しようとする現代の写真の流れを写真の歴史や写真家としての著者の経験をもとに解説する内容。現代の写真の傾向を説明する際に、過去の写真史を簡単に解説してくれているため、初心者でも納得感を持って読むことができた。 「真実性」が重視されていた写真が映像にその役割を奪われ、写真にその「再現性」を奪われた絵画のように抽象化の方向に向かっているという指摘が面白かった。 現代アート展に行っても面白さが全然伝わってこないのは自分の未熟さもあるが、それだけでなくそれらが「伝えない」ことを目的に、見る人が能動的に再構築して自分の中の意味を考えることを目的にしているといった考え方はいままで想像もしていなかった。確かに自分は美術館に行くと自分から作品を見ているようで、作品が何かを教えてくれるはずという「受け手」の姿勢になっていた。この視点は読書においても当てはまり、文学作品が何かを教えてくれるという考えを持って読むより、作品に触れて自分がどう感じるかをもっと大切にしようと思った。
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現代写真の流れがわかりやすい。個人の視点で書かれているのがよい。 Topのこけら落としの展示に行っていたこともあり同じ感覚でみていた人がいたというのも嬉しかった。
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