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BUTTER の商品レビュー

3.7

574件のお客様レビュー

  1. 5つ

    106

  2. 4つ

    207

  3. 3つ

    175

  4. 2つ

    38

  5. 1つ

    5

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2024/05/15

図書館にて。 強烈だった。 引いた目線じゃなくて当事者目線で描かれている感じで、飲み込まれていくようだった。 実際の事件と酷似して書かれているようで、実際の事件の方の犯人にブログで関係ないとコメントされていて、逆に当たらずとも遠からずだったのかなと思った。 獄中結婚したという編集...

図書館にて。 強烈だった。 引いた目線じゃなくて当事者目線で描かれている感じで、飲み込まれていくようだった。 実際の事件と酷似して書かれているようで、実際の事件の方の犯人にブログで関係ないとコメントされていて、逆に当たらずとも遠からずだったのかなと思った。 獄中結婚したという編集者の人とはどうなったのだろう。 読んでから実際の事件の方を思わず調べてしまった。 そしてバターが食べたくなり、買ってきてしまった。

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2024/05/11

とても濃厚な物語だった。 年度またぎの時期ということでバタバタしていたのもあるけど、読み終わるまでに2ヶ月弱もかかってしまった… 決してつまらないわけじゃないんだけど、キリのいいところまで読むとお腹いっぱいというか今日はここまででいいか、となる。まさにバターのような印象だった。 ...

とても濃厚な物語だった。 年度またぎの時期ということでバタバタしていたのもあるけど、読み終わるまでに2ヶ月弱もかかってしまった… 決してつまらないわけじゃないんだけど、キリのいいところまで読むとお腹いっぱいというか今日はここまででいいか、となる。まさにバターのような印象だった。 美味しそうな食事の描写がたくさんあったけど、カジマナの存在が不穏だからか純粋に美味しそう!というポジティブな見方だけでは読みきれない。カジマナに引っ張られる主人公にハラハラしているのも理由かも。 カジマナの実家の描写が(くしゃみが出る、テーブルに敷かれている白レースや赤飯のくだりとか)一つ一つはそんなでもないのに、なんかリアルでぞわぞわとして居心地悪い感じ。その表現力がすごいなと思った。 不穏な感じで読み進めていったけれど、少しずつグラデーションのように変化していって後半はある種の爽やかささえ感じたのにはびっくり。里佳が前向きな感じで着地して良かった。 いろんなメッセージが内包されているように思えたけど、自分の中に落とし込むには私には難しかったかも… 特に印象に残ったのは、「自分にとっての適量を知り、それぞれ楽しむ」ということ。 あとエシレバターはいつか食べてみたい!

Posted byブクログ

2024/05/07

柚木さんは食べるのが好きなんだろうな 緻密で堪能な語彙力で表現される、料理の描写がとても好きだった その分サスペンスや謎を解いていくスピード感を感じられず、読むのに時間がかかってしまった どんなに関係を構築していても人はわからないものだなと思った 久しぶりに小説読んだ!

Posted byブクログ

2024/05/04

木嶋佳苗の事件を下敷きにしていると知り、興味が湧いて3日で読了。事件の謎解きをテーマにしているわけではなく【被告人の梶井真奈子(カジマナ)】と【週刊誌記者で主人公の町田里佳】の刑務所での面会を通した心理的な攻防戦がメイン。実際には檻の中にいて手を下せないのに、じわじわと主人公に実...

木嶋佳苗の事件を下敷きにしていると知り、興味が湧いて3日で読了。事件の謎解きをテーマにしているわけではなく【被告人の梶井真奈子(カジマナ)】と【週刊誌記者で主人公の町田里佳】の刑務所での面会を通した心理的な攻防戦がメイン。実際には檻の中にいて手を下せないのに、じわじわと主人公に実害を加えていくカジマナの薄気味悪さと迫力に圧倒された。【親友の狭山伶子】も含めて主要人物が全員少し狂気を抱えている様子が、バターや生理的な描写とあいまって絶妙な熱を帯びている。 事件というよりその裏にあるジェンダー論に主眼を置いており、主人公を応援したくなった女性読者は多いのではないか。少なくとも個人的には、その意味で読後の爽快感はあった。 食事シーンの描写や比喩的表現は美味しそうで大変惹きこまれたが、同じ調子の料理シーンは過剰というか冗長に感じた。

Posted byブクログ

2024/05/02

バターのように重い。後からじわじわともたれてくる。実際に起こった事件を生地にして、スパイスがかなり効いている作品。 事件の被害者にとって、カジマナは紛れもなくファムファタールだったのかもしれないが、彼女を悪女としてただ断罪するにしては、被害者男性がやわすぎる。作中の言葉通り「生...

バターのように重い。後からじわじわともたれてくる。実際に起こった事件を生地にして、スパイスがかなり効いている作品。 事件の被害者にとって、カジマナは紛れもなくファムファタールだったのかもしれないが、彼女を悪女としてただ断罪するにしては、被害者男性がやわすぎる。作中の言葉通り「生命力のない」「死んでいる」人間でしかない。そういう男性に限って、「家庭的な」女性を求めがちだが、家事が「才能とエゴイズムとある種の狂気が必要な分野」だというパラドックスに気づかない。果たしてこれは他人事なのか? 『ナイルパーチの女子会』と合わせて2冊目の柚木麻子だが、どうも織り目正しい隠喩・直喩を用いたり、教科書的な情景描写を使いがちだったりする。そうして丹念に作った土台を急転直下で決壊させるのが持ち味だったりする。それもインタビューを見るとありとあらゆるタイプを試した名残なのかもしれない。 https://bunshun.jp/articles/-/191?page=1 それはそうと、これだけ人を意のままに操縦出来るスキルというのは、それはそれで得難いもの。伊藤計劃の『虐殺器官』でジョン・ポールは「虐殺には文法がある」とする。作中で具体的な文法表現は描かれていないが、このカジマナのやり口は虐殺ではないにしろ、実用的な例として興味深い。これは木嶋佳苗『礼賛』も合わせて読んでみたいところ。

Posted byブクログ

2024/05/02

前半で食の描写にうっとりし、後半にかけてのシスターフッド、フェミニズム、ジェンダー、人間の心理を巡る諸々にドキドキした。 純文学もいいけど、こうやって感情をストレートかつスリリングに書いていくのもいいなっておもった。 ミステリと思って読むと最後は釈然としないかも。事件をきっかけに...

前半で食の描写にうっとりし、後半にかけてのシスターフッド、フェミニズム、ジェンダー、人間の心理を巡る諸々にドキドキした。 純文学もいいけど、こうやって感情をストレートかつスリリングに書いていくのもいいなっておもった。 ミステリと思って読むと最後は釈然としないかも。事件をきっかけにして人間の感情を深掘りしていく小説。

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2024/04/28

梶井真奈子のモデルとなった人のことが気になり、以前読もうと思って断念していたのを思い出して読んだ。久々にのめり込んで読めた。桐野夏生のグロテスクに通ずるものがありながらも、こちらのほうがハッピーエンド寄りですっきりと読める。自分を追い詰めるやり方は周りの人を責めるているようだって...

梶井真奈子のモデルとなった人のことが気になり、以前読もうと思って断念していたのを思い出して読んだ。久々にのめり込んで読めた。桐野夏生のグロテスクに通ずるものがありながらも、こちらのほうがハッピーエンド寄りですっきりと読める。自分を追い詰めるやり方は周りの人を責めるているようだっていうのが響いた。

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2024/04/30

実際の事件が元となっていることを 読み終えた今知りました なんだか不思議。 こんな小説みたいな人がいるんだ 読み進めるにあたってだんだんとカジマナに親しみを 向けるようになってしまった 私もまんまとハマってた〜小説でよかった。 良くも悪くも台風のような人はいると思う でもその台...

実際の事件が元となっていることを 読み終えた今知りました なんだか不思議。 こんな小説みたいな人がいるんだ 読み進めるにあたってだんだんとカジマナに親しみを 向けるようになってしまった 私もまんまとハマってた〜小説でよかった。 良くも悪くも台風のような人はいると思う でもその台風を凌げるのは 自分なりの思考と周りの人たちの添木なのかなと。 。。いうことを学んだかなと思うけど、 んーでも 私の中ではまだこの本が言語化できない もう一度読みたいな 小言 ただ乱視のせいか、事細かな描写のせいか とても時間をかけた(つまらないとかではなく)ので 毎日の暮らしのお供がいなくなり寂しい あと上等なバターを買いたいな ひんやりしたバターを齧る描写、、うーん太らせたいのっ?

Posted byブクログ

2024/04/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一人称視点の小説は認知がズレていく様を一緒に追っていく感じで、感じる違和感の答え合わせをあとでする所が面白いです。私は七面鳥パーティに招待した時のカジマナの涙は本物だと思ったんですがどうなんでしょうか。愛憎入り混じるカジマナの心中が予測不可能で引き込まれました。里佳と怜子の絆もすごく良かったです。

Posted byブクログ

2024/04/20

読了後の疲れ、ワクワク感。 なんだろうな不思議感じは。 カジマナにハマっていく、のめり込んでいくステップと描写が綿密に練られてて、カジマナと話ししてるような錯覚に陥るほど丁寧だし、リアルさを感じた。 料理はもちろん詳しくないけど こんなに美味しそうに表現できるのは 作家さんの執念...

読了後の疲れ、ワクワク感。 なんだろうな不思議感じは。 カジマナにハマっていく、のめり込んでいくステップと描写が綿密に練られてて、カジマナと話ししてるような錯覚に陥るほど丁寧だし、リアルさを感じた。 料理はもちろん詳しくないけど こんなに美味しそうに表現できるのは 作家さんの執念なのか、気合いが感じられて 凄いとおもった。

Posted byブクログ