応天の門(12) の商品レビュー
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無実の罪で疑われているのに、訴え人を恨まない道真が偉い。 自力で解決したのに根回しが良いなどと言われるのもどうにも不愉快だ。自分たちが間違えたのに道真の話を聞かず、偉そうな坊っちゃんとはご挨拶である。 基経は吉祥丸との思い出が分かってからちょっと印象が変わってきた。 隠り世の話の中でそんなに京都に憧れるのかという道真に 道真が唐を夢見るのと同じと言う業平の言葉が中々厳しい。 お前はそうすればいい、お前の番になったらなというのも痛い。 祠とはなるほど、流石道真である。 是則の忠誠心も見上げたものだ。 タマちゃんが元気そうで嬉しいが、災難なことだ。
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前巻までの展開、すっかり忘れてたけど、そう言えば確かに道真捕まってたわ。そしてまともに機能していない地方の実態などを目の当たりにして、悩まないまでも考えるところがあったのでしょうね。「隠り世」に繋がる村なんてのも、今昔物語で「奇譚」とされそうなものを、至極現代的な解釈で成立させているところが魅力的です。巻の後半で登場した甲斐国の土師忠道。見るからに善人そうな巨漢だけど、この後どうされてしまうのだろう…?貞観の富士山大噴火と絡んでいくみたいだけど。タイトルロールとも言える伴大納言がなんかしようとしているし。
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菅原道真、盗人に疑わるる事 藤原基経はわかりやすく怖いけど、島田忠臣は忠臣で怖いな。顔が無表情で怖い。 在原業平、山中に桃源郷を見る事 税金がうまく集められなくなって国が滅ぶってのは、洋の東西を問わず言われている事ですが、この事態の日本なんてひどいものだったんじゃなかろうかと勝...
菅原道真、盗人に疑わるる事 藤原基経はわかりやすく怖いけど、島田忠臣は忠臣で怖いな。顔が無表情で怖い。 在原業平、山中に桃源郷を見る事 税金がうまく集められなくなって国が滅ぶってのは、洋の東西を問わず言われている事ですが、この事態の日本なんてひどいものだったんじゃなかろうかと勝手に想像。 土師忠道、菅原道真と遇する事 864年の貞観大噴火の6月の話、どうも土師忠道は翌年の865年に源信の武力を削ぐ目的で昇進して飛ばされる模様。 最後の伴善男の顔が悪いな。これは完全に悪者。 まぁ、あと2年で応天門の変だし悪者顔にもなるか。
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道真が基経に明らかロックオンされてて危ない危ない。 現実的な業平となるだけ理想を追いたい道真のコンビも毎度心地よい。 土師忠道、この人はいい人だ(確信)。
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前巻からの続きである、道真が硯を盗んだとの疑いをかけられる話、業平が山の中に見た「隠り世」の話、そして次巻へと続く富士の噴火の話が収められています。 隠り世の話が特に(この巻だけで完結しているのもあって)印象深かったです。ほぼ破綻しているとはいえ、この頃からちゃんと税徴収の仕組...
前巻からの続きである、道真が硯を盗んだとの疑いをかけられる話、業平が山の中に見た「隠り世」の話、そして次巻へと続く富士の噴火の話が収められています。 隠り世の話が特に(この巻だけで完結しているのもあって)印象深かったです。ほぼ破綻しているとはいえ、この頃からちゃんと税徴収の仕組みはあったんやなあ(当たり前か!?) 振りかざしすぎる正義、正論は鼻につき、時として敵も作りがちなものですが、道真のそれは見聞きしていて気持ちがいい。 それはきっと彼がまだ若いということと、学問に対してまっすぐに取り組み、より良い人間たろうとし、より良い社会たらしめんと願う姿がそう思わせるんだと思います。 ただ、弱者に寄り添う姿勢は見せても、彼が貴族側すなわち「恵まれた側」の人間であり、それは、「時折彼自身が憤りを覚えざるを得ない」側の人間でもあるということは如何ともしがたく、その辺りの矛盾に彼がイラつく様なども共感が持てます。 業平の方は大人で、人の狡さや醜さを許しはしないまでも、それらを認め理解しているところがあり、道真にも、それを押し付けがましくなく説いたりする。学問を教えることはできないけど世間を教える役割を担っているような感じです。 それでお前はどうするのだ、何をするのかと道真に問うてみたりもする。道真への期待を感じさせるセリフも吐いたりします。 世を拗ね、女に弱いところはありますが、なかなか業平もいい男です(この辺り物語が始まったころと、僕の彼に対する評価も変わってきました)。
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