鬼遊び 闇の子守唄 の商品レビュー
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鬼遊び、冬バージョン。黒い表紙が印象的。星や雪も舞っていて綺麗さも感じる。ただ『鬼遊び』のタイトルに引きずられて、勝手に怪しい表紙なのかなと思ってた。髑髏も怪しいものもないどころか、動物たちが見ていて楽し気。 ・凧あげ 見知らぬ男から貰った凧を使って、けんか凧をした少年の物語。 凧あげで勝った後も、凧が勝手に子供を空に持ち上げてしまう……。わかりやすい『怪しい男』も、見た目は普通なので『鬼』とは思えない。ドキドキした。 最後には子どもたちでちゃんとルールを作ってけんか凧を続けるのもいいなと思う。 ・かるた 川に手紙を流して、かるた遊びの相手を探す少女の物語。 手紙を受け取ってやって来た少女は『鬼かるた』で遊ぶことを提案する。 かるたが『もじをとる』という遊びだという事を活かして、その札をとってできた言葉の通りになるのは面白いなと思った。ただこの場合『同じ文字にならない』ことにも気を付ける必要があるけど。 ただこれは『あと出しのルール』なので、普通に考えたら『ズル』なんだよな。鬼が『ズル』するのは当たり前かもしれないけど。他にも文面を思いつけば『抜ける』文字列があるのかもしれないとも思う。 ・羽根つき 羽根つきで遊びたい少女の物語。 こちらも『かるた』と似た『文字遊び』になっている。羽根つきで負けると『顔に筆を入れられる』という罰を活かして、『文字を書く』 そこに描かれた文字とは……なんだろうと思って最後までワクワクしてしまった。なるほど、そうなるのか。こちらは人間側の勝ちですっきり。 ・かた雪わたり 固まった雪の上を一番に歩くかた雪わたりが好きな少年の物語。 足跡しかない化け物に追いかけられて……。 よくある『化け物話』にも見えてしまう。前の話が面白かっただけにちょっと少子抜けしてしまった。 あと、この世界観で『用水路』の単語も違和感がある。小川なのでは? 用水路って『人工的に整えた川』だろうけど、そういう世界観じゃない気がする。 ・かまくら かまくらで遊ぶために真夜中に集まった少女たちの物語。 お友達の中の誰かが声をかけて、準備までしてくれたんだと思っていたら、それは『鬼』の誘いで……。 ん?かまくらって、こういう作り方だっけ? と思ってしまった。雪玉を作って転がすより、その場で雪を積み上げた方が簡単。小屋くらいの高さって書いてあるけど、それ、どうやって掘るのよ?と思ってしまった。 さらに『かまくらには神棚が必要なのに作ってなかった』って。えええ?? 神棚??どうやって作るの? 雪国暮らしには不思議なことばかりが書いてあって、首をかしげてしまった。 『ファンタジー』だから、あまり突かない方がいいというのもわかるのだけど、そんなかまくらの作り方したことないわ……と思ってしまった。 怖いシーンはなく淡々と鬼が「春までかまくらでお喋りしよう」と誘うだけ。春になったら、どうなってるんだろう。 ・節分 節分の豆まきで鬼が豆に仕掛けをする。少年と少女がそれに気が付いて、村の人たちを助ける物語。 最後の物語が『鬼は外』なのは、いいなと思った。鬼を払って、春に続く。 最初と最後の歌は物語に絡んでる?のかな。次は春へ……となって巡る形。 4冊。読み終えた。 ホラー風味は美味しかったので、ごちそうさまでした。
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カルタ取りの鬼、上手いなあ…(話として) やっぱり廣嶋玲子先生のストーリーテリングぢからはすごい… あと鎌倉の鬼、冬が終わったら出してくれるんか?? なら良くない??(こなみ)
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四季をまたいで綴られてきた鬼と人の子との物語。冬の章を締めくくるのは皆が知ってるあの伝統行事。鬼とは、遊びの時間から抜けられなくなった人の姿なのかもしれないですね。
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鬼遊びの最終巻、読み終わりました。1冊目、2冊目と怖かったのですが、怖いといってもお化けや妖怪の類いではなく、ゾンビ系の類いでもなくましてや任侠ものや、殺人等のものでもなく、なんと言っていいのか人の琴線に触れるような怖さ(使い方合ってましたっけ)でした。最終巻になるにつれて少し表...
鬼遊びの最終巻、読み終わりました。1冊目、2冊目と怖かったのですが、怖いといってもお化けや妖怪の類いではなく、ゾンビ系の類いでもなくましてや任侠ものや、殺人等のものでもなく、なんと言っていいのか人の琴線に触れるような怖さ(使い方合ってましたっけ)でした。最終巻になるにつれて少し表現等が子供向けになったのかなぁという感じでした。あ、もともと子供向けの本でした。
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一つ一つ別のお話になっている本でした。どれも鬼から逃げ切れるか、ドキドキする文章です。2つ目の「かるた」では、まさか主人公が捕まって鬼になるとは思いませんでした。人になって逃げられればいいな…。この本は他にシリーズもあるそうなので、読んでみたいです。
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冬を越えると春が来る。 最後が節分の話で良かった。 鬼に負ける話もあれば、勝つ話もある。 でも、一番は自分の心の鬼に気づけるかということ。 本当に怖いのはそっち。
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県の冬休み推薦図書(3、4年生向)。 凧上げやカルタ取り、かまくら遊びや豆まきなど、冬の遊びや行事を楽しむ子どもたち。遊びに夢中でふと気づいた時には、すっかり鬼の手中にいる。日常のすぐ隣に異界のものが住み、その気配を感じながら生きていた、ほんの少し前の時代。遊びの途中、急に心細...
県の冬休み推薦図書(3、4年生向)。 凧上げやカルタ取り、かまくら遊びや豆まきなど、冬の遊びや行事を楽しむ子どもたち。遊びに夢中でふと気づいた時には、すっかり鬼の手中にいる。日常のすぐ隣に異界のものが住み、その気配を感じながら生きていた、ほんの少し前の時代。遊びの途中、急に心細くなったり、恐怖が胸をよぎった子どもの頃を思い出す。 鬼ブーム便乗か?と思いきや、どれもスリリングで面白かった。かまくらに水神様を祀るのは秋田など東北の風習と知った。 おとないちあきさんの挿絵がかわいい。
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喧嘩凧、かるた遊び、羽根つき、かた雪わたり、かまくら、節分。 昔遊び(あるいは、行事)に夢中になっていると、スルリと鬼がやってくる。 遊び相手を探しにくるのだ。 雪わたりって、そういう遊びがあったんですね。かた雪かんこ。 シリーズの他の本も読みたい。季節ごとの遊びが楽しい。…...
喧嘩凧、かるた遊び、羽根つき、かた雪わたり、かまくら、節分。 昔遊び(あるいは、行事)に夢中になっていると、スルリと鬼がやってくる。 遊び相手を探しにくるのだ。 雪わたりって、そういう遊びがあったんですね。かた雪かんこ。 シリーズの他の本も読みたい。季節ごとの遊びが楽しい。…鬼が出てくると怖いけど。
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