秘境旅行 の商品レビュー
20240813030 昭和30年代の日本の光景としての秘境を写し、伝える。今はない風景、風土はいつも私の旅心を奮い立たせる。
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1148 芳賀 日出男 (はが ひでお、1921年9月10日 - 2022年11月12日)は、日本の写真家、民俗研究家。 関東州大連生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。日本・世界の祭り・民族・民俗芸能の写真取材を行った。 1973年、全日本郷土芸能協会を設立[1]。 1985年、株...
1148 芳賀 日出男 (はが ひでお、1921年9月10日 - 2022年11月12日)は、日本の写真家、民俗研究家。 関東州大連生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。日本・世界の祭り・民族・民俗芸能の写真取材を行った。 1973年、全日本郷土芸能協会を設立[1]。 1985年、株式会社芳賀ライブラリーを設立、取締役会長。 1989年、紫綬褒章受章。 1995年、勲四等旭日小綬章受章[1]。息子の芳賀日向も写真家。100歳を超えても活動している[2][3]。2022年11月12日、老衰のため死去[1]。101歳没。 死者に会える? 巫女市の実態 恐山 青森県大湊田名部市 青森県下北半島の 恐山 に登ると死者に会える? この話題に興味を持って東京から出かけていく人も多くなった。 恐山は高さ八二八㍍、頂上の旧火口に静かな湖水を持った死火山だ。この死火山に数万人のお婆さんが登ってきて、 円通寺 境内の地蔵堂のまわりにたむろしている いたこのところへいく。 「さあ、これを食べて元気をつけなさい」とやはりあわび貝のお皿にのせてすすめてくれた。 そのあわびのどんなにおいしかったことか。海の青さのさなかにあって、私は 象牙色のあわびをいくつもいくつも食べた。これこそ食べられる真珠である。 私は山王寺を下りて大東町の農村中心地帯へ入って行くことにした。バスで村の集落を通る時注意して見ていると、どの農家も数百羽飼えるパトリー形式やケージ形式の鶏舎を持っている。この道は神楽の写真を撮るために何回も通った道だ。それなのに全く気がつかなかった。旅の認識のひ弱さとはそういうものだ。目的を持たないと何一つ見えないし摑めない。
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秘境という言葉には若干の警戒感があるのだが、それでも筆者の写真や文章にはしっかりとした視点があるように感じた。
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作者が各地を訪れた昭和初期の当時でさえ廃れ始めていた、今ではおそらく幻に近い民族行事や風習が描かれた貴重な一作。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
昭和30年代の日本各地を写真に収めた記録集。農村史でもあり、農業史でもあると思った。 北海道から沖縄まで、民俗行事や民間信仰の豊かさに興味が尽きない。本書で紹介された各地が現在どうなっているのか、つい調べてしまった。意外にも存続している行事が多いけれど、たぶんイベント化しているんだろうなあ。 震災後の東北で民俗行事や無形文化財の保存活動が盛んになったけれど、保存させるために従来のしきたりが形骸化したりして、記録することの功罪を考えてしまったことを思い出す。 北海道の少数民族である、オロッコ族・ギリヤーク族を初めて知った。アイヌだけじゃなかったんだ…。 あと皇族の証である菊の紋章を使うことを黙認されていた木地屋一族の話も興味深い。 奄美群島と妻良の写真が個人的には特に好き。
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写真家である芳賀日出男氏の紀行文集。 本書自体は、2020年1月の発行であるが、元になっているのは、1962年(昭和37年)に発行されたものである。筆者は、本書の中で、昭和30年の初めから10年間かけて2000日間の撮影旅行に明け暮れたと書いている。全国津々浦々に深く入り込んで撮...
写真家である芳賀日出男氏の紀行文集。 本書自体は、2020年1月の発行であるが、元になっているのは、1962年(昭和37年)に発行されたものである。筆者は、本書の中で、昭和30年の初めから10年間かけて2000日間の撮影旅行に明け暮れたと書いている。全国津々浦々に深く入り込んで撮影し、記録をした紀行文集である。 本書の中で、筆者が訪れ、記録しているのは、人里離れた場所ばかり。筆者は、1962年に書いた「はじめに」の中で「今や日本には秘境などはなくなってしまったと思う」と書かれている。日本全国を知り尽くしている筆者にとってはそうかもしれないが、50年前の人里離れた田舎は、現代の人間からしてみれば、秘境と呼んでも良い場所だと思う。 日本全国の20か所弱の場所が紹介されている。どれも印象深いものばかりであるが、中でも離島、舳倉島・壱岐・福江島・甑島などの暮らしの紹介は、まさに「秘境」と呼ぶにふさわしいものである。写真ばかりではなく、文章も味わい深い。
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民族写真家が、昭和30年のはじめから10年間掛けて2千日間撮影旅行に明け暮れたその記録。戦後の日本各地の人々の暮らしや民族行事が紹介されており、当然ながら写真か素晴らしい。網走オロッコ族、恐山、舳倉島(海女さんの楽園)、甑島、沖永良部島、四国のさいはて石垣の村外泊(私の故郷に近く...
民族写真家が、昭和30年のはじめから10年間掛けて2千日間撮影旅行に明け暮れたその記録。戦後の日本各地の人々の暮らしや民族行事が紹介されており、当然ながら写真か素晴らしい。網走オロッコ族、恐山、舳倉島(海女さんの楽園)、甑島、沖永良部島、四国のさいはて石垣の村外泊(私の故郷に近く、出身の友だちもいました)等面白かった。
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昭和30年代の全国各地の民族行事を記録した貴重な記録。写真家でありルポライターの筆者の目が捉えた多くの行事はおそらく今では廃れたことだろう。 昭和30年代の日本の集落の風習を記録したルポルタージュ。何よりも写真が素晴らしい。良くぞこのような書籍を残してくれたものである。また復刊...
昭和30年代の全国各地の民族行事を記録した貴重な記録。写真家でありルポライターの筆者の目が捉えた多くの行事はおそらく今では廃れたことだろう。 昭和30年代の日本の集落の風習を記録したルポルタージュ。何よりも写真が素晴らしい。良くぞこのような書籍を残してくれたものである。また復刊した角川ソフィア文庫の企画にも感謝したい。この文庫、絶版となった名著をさりげなく復刊しており、ラインナップが興味深い。 関心しつつ楽しく読めた一冊。筆者の息子さんの後書きも良い。
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宮本常一に学んだ写真家のフォト・ルポルタージュ。1962年に秋元書房の「トラベル・シリーズ」という新書から刊行されたものを再編集の上、文庫化した貴重な一冊。北海道ノサップ岬から沖縄県久高島まで17か所が収録されている。 「秘境」というタイトルから分かるように、当時としても決して...
宮本常一に学んだ写真家のフォト・ルポルタージュ。1962年に秋元書房の「トラベル・シリーズ」という新書から刊行されたものを再編集の上、文庫化した貴重な一冊。北海道ノサップ岬から沖縄県久高島まで17か所が収録されている。 「秘境」というタイトルから分かるように、当時としても決して普遍的な光景ではなかったのだろうけれど、今とは時間の流れの違う世界が確実に存在していたことが窺える。同じく宮本から多大な影響を受けた網野善彦は、高度成長を南北朝に匹敵する日本社会の大変革と定義したが(『日本中世の民衆像』)、その正しさも本書は示しているように思われた。
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