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ふしだら奇祭村 の商品レビュー

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ムラの儀式を遂行する信心深さと現実

主人公を同じくするような続き物ではないが、表紙やタイトルの統一感として、この作者と竹書房文庫のタッグは過去に『夜這い村』『ほしがり村』『よがり村』といった作品を出している。その意味で本作は「村」シリーズの第4弾と言えなくもない。秘境のような村とそこで催される奇祭に巻き込まれていく...

主人公を同じくするような続き物ではないが、表紙やタイトルの統一感として、この作者と竹書房文庫のタッグは過去に『夜這い村』『ほしがり村』『よがり村』といった作品を出している。その意味で本作は「村」シリーズの第4弾と言えなくもない。秘境のような村とそこで催される奇祭に巻き込まれていく主人公の出会いと別れの物語である。これら4作品にどことなく似通った雰囲気と異なるテイストの両方が感じられるにつけ、作者の引き出しの多さには唸ってしまうところである。 豊穣と繁栄を占う奇祭には単なる儀式を超えた村人達の強い信仰心と願掛けがある。それは、選ばれる事の誉れであり、痩せた土地と村民の減少という現実である。選ばれた5人の男女が交合するという官能的な側面に留まらない、それ以前に人集めで苦労しているような現状も切実な願いとして込められている。これによって酒池肉林を予想する読み手を清らかに裏切るのは作者の巧みな上手さと言えよう。 ただし、これにより5人ものヒロインと体を合わせることとなり、その前には村の長と思しき宮司の妻によるチェリーボーイな大学生主人公へのオンナ指南があり、さらには序盤を状況説明とメインヒロインの手淫で費やしたことから、どの官能描写にも頁を割けなかった印象が残る。あと数頁の描写があれば興奮度も増したのに、と思えてしまう物足りなさである。多彩なシチュエーションを設けたり年上や同年代に年下の生娘まで織り交ぜるなど変化をつけてはいるものの、さすがにヒロインが多過ぎたと言わねばなるまい。そもそも奇祭のルールに結構なハードルの高さがあって、それを乗り越えることに正願成就があり、一目惚れしたメインヒロインとのようやくの対面がクライマックスにもなるのだが、竹書房文庫という一般レーベルから上梓されていることを思えば、これはこれで、これくらいで、といった纏め方だったのではなかろうかとの推測も働く。 そして、結末に至ると村人達は何を頼りに奇祭へ固執し、継続しているのだろうか?と思えてくる。ムラの風習を頑なに守り通す気丈な振る舞いは切なくもあり、物悲しくもある。エピローグに辿り着くとそういった心持ちになる。この意味においてタイトルのような「ふしだら」さは感じられず、崇高な何かに衝き動かされている人を目の当たりにするような、そんな不思議な感覚にも陥るのである。

DSK