移民の経済学 の商品レビュー
移民を受け入れることによる影響を経済学の観点で多面的に分析している。冒頭で筆者は「人道的な観点は入れない」と明言しており、タイトル通り経済面のみで論じている。 経済学であると同時に、本書は統計学の本だ。よく言われる「移民が仕事を奪う、治安を悪化させる」という論議に対し、数々のデ...
移民を受け入れることによる影響を経済学の観点で多面的に分析している。冒頭で筆者は「人道的な観点は入れない」と明言しており、タイトル通り経済面のみで論じている。 経済学であると同時に、本書は統計学の本だ。よく言われる「移民が仕事を奪う、治安を悪化させる」という論議に対し、数々のデータを元に異を唱える。その人にとって「損か得か」でものの見方は都合よく切り取られ、結局は地域、職種、個人などなどの状況(都合)で移民受入れの善し悪しが変わるということをこれでもかと挙げている。 「自分にとって損か得か」だけで世間を判断していないか、客観的に振り返ることが肝心。
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日本の場合は同化主義に賛成な人がどちらかと言うと移民に肯定的という研究が個人的な感覚とかなり乖離していて興味深かった。この国では多文化主義が殆ど無感心と同義でネガティブに響くのだろうか。同質性を重んじる国民性こらして、たとえ移民が増えたとしても、この国の将来の形として「多文化共生...
日本の場合は同化主義に賛成な人がどちらかと言うと移民に肯定的という研究が個人的な感覚とかなり乖離していて興味深かった。この国では多文化主義が殆ど無感心と同義でネガティブに響くのだろうか。同質性を重んじる国民性こらして、たとえ移民が増えたとしても、この国の将来の形として「多文化共生」が生じることはなさそうだと感じざるを得ない。
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【印象に残った話】 ・移民が職業、賃金、予算や文化的同化に及ぼす影響についての学術論文を確認すると、以下のことが言える ・職業の面では、後進国で単純労働に就いていた人でも、先進国に移住し頭脳労働に転身することも可能となる ・賃金の面では、流出した移民からの送金が、本国に残された住...
【印象に残った話】 ・移民が職業、賃金、予算や文化的同化に及ぼす影響についての学術論文を確認すると、以下のことが言える ・職業の面では、後進国で単純労働に就いていた人でも、先進国に移住し頭脳労働に転身することも可能となる ・賃金の面では、流出した移民からの送金が、本国に残された住民に還流して豊かになる ・予算の面では、優秀な人材を国外輩出するために本国の学校への投資が活性化する ・文化の面では、家族が分散することで、移住先から本国へ、技術とイノベーションの国際移転がよりスムーズになる 【アクションプラン】 ・移民のマイナス面を考える
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図書館で借りた。 著者は海外で経済学を学んだようで、元データも理論もしっかりしてる印象。その辺の日本の経済評論家よりよっぽど信頼できる。 移民を受け入れたら、国内の雇用にどんな影響があるのか、賃金はどうなるのかなど、詳しく知ることができる。
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結局なにが言いたいんだ…となってしまって頭に入ってきにくい。話題や観点は面白いのだけど。 あと因果関係について疑問に感じる点がいくつかあった。
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移民の是非を考える時に争点となるいくつかのポイントについて、経済学の観点から考える本。特に面白かったポイントをいくつか。 ・移民を受け入れると雇用環境は悪化するか?→移民と"競合"しない人は賃金が下がらない。 ・移民が子育てや介護サービスにおける人手不足を...
移民の是非を考える時に争点となるいくつかのポイントについて、経済学の観点から考える本。特に面白かったポイントをいくつか。 ・移民を受け入れると雇用環境は悪化するか?→移民と"競合"しない人は賃金が下がらない。 ・移民が子育てや介護サービスにおける人手不足を補い、日本女性の社会進出を促進するか?→そうしたサービス料を支払う余裕のある高賃金の人はその料金をペイできるほどに生産性のある仕事ができるため、女性活躍は促進される。 ⇒少子高齢化が進み労働人口が減少するなかで、移民を受け入れることによるマンパワーが必要なのでは?と思うことがあるが、受け入れた場合移民と"競合"してしまう国民にとっては厳しい展開が待ち受けているのかもしれない。移民のマンパワーに取って代わられないほどに高技能、高学歴、高レベルの資格等、高いスキルがある人にとっては寧ろ良いが、取って代わられる可能性のある人にとっては自分のポジションを脅かすこととなる。そうなると今まで以上に日本人同士の間の格差が拡大する可能性はあるのかもしれない。 また、本書では触れられていなかったが、日本は将来的に「移住したい国」で在り続けることができるのだろうか。「安全で住みよい国」として選ばれることはあったとしても、「稼げる国」として選ばれるだろうか。中国やシンガポール等、わざわざ海を渡らなくても賃金が上昇傾向にある国が他にあって、平均賃金の上がらない日本に移民はやってくるだろうか。…というそもそも論を考えてしまった。
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いろんな視点から移民政策について議論がされていたので、この本を読めば広い視野を持って移民政策について議論ができるようになると思います。あまり経済学の知識を必要とするところが少なかったので、あくまで移民政策についての視野を広げるために読む本だと思います。
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ようやっと。 アメリカ、イギリスが中心だけど、移民に関する経済学研究を広く紹介。 前提やら分析単位によって、かなり結論が左右されるのは仕方ないとして、その違いを丁寧に説明してくれてました。 また、経済学では捉えきれてないことが何かも説明。 「教育には、自分と違うものに対して...
ようやっと。 アメリカ、イギリスが中心だけど、移民に関する経済学研究を広く紹介。 前提やら分析単位によって、かなり結論が左右されるのは仕方ないとして、その違いを丁寧に説明してくれてました。 また、経済学では捉えきれてないことが何かも説明。 「教育には、自分と違うものに対しても寛容な態度を育む効果があることが分かる。」(p202) 結局、ここかな。 次は、どんな教育かって問いか。
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移民が増えると私たちの生活はどう変わるか。雇用や賃金、経済成長や物価、貿易、税と社会保障、治安・文化まで経済学の視点で分析。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
移民の受け入れによって、賃金や雇用機会が奪われるかどうか。YESもNOもどちらの研究結果を存在するが、それは分析手法・観点の違いによるところが大きい。たとえば移民の受け入れ前後での賃金変動を、(もろに賃金下がりそうなイメージの)高卒者を対象に調査したとして、結果「下がる」となったとしても、分類をもっと細かくしていわゆる職人系の技能就職者に絞ったとすると彼らの賃金は下がってなかったりする。 おおざっぱにいうと、代替的な仕事は移民に奪われるし、非代替的・補完的な仕事は移民に奪われない。つまり移民の受け入れによって賃金や雇用機会は減らないという結論になる。さらにここに地域の議論も絡んでくる(労働不足の都市部は影響ないけど地方は影響あるな)ので、事態は複雑。総合的かつ局所的に判断する必要がある。 結局相手が移民であれ市民であれ、差別化できてる人間になれているかどうかで人の経済的価値は決まるってこと。 またより広義な解釈で、移民が経済にどう影響するかも記載あり。たとえば移民を受け入れた国にとって、その外国との貿易は輸出より輸入が増えることになり、経済的にはマイナスになる。ただし知的財産権など無形資産に関する収入は増えるプラスの面もある。また非技能労働者が増えると技術革新が遅れるなど、もっと俯瞰的に影響を観察することもできる。観点が多すぎて理解と結論づけが難しいが、移民をフックに経済活動を学ぶことができ良書。
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