マトリ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ニュースではよく見る「覚醒剤」の事件をはじめとして、麻薬や危険ドラックを取り締まっている組織に長年勤めた方が、日本の麻薬取締の歴史と自分の活動を重ねて語る一冊。 ドヤ街の猟犬、とかイラン人組織との攻防のような、章ごとのタイトルを見るだけで只者ではないという感じがするのだが、書かれている内容もかなり壮絶だ。今では映画やドラマでしか見られないような足で情報を稼ぎ、実際の場に踏み込むという経験がこれでもかと詰め込まれている。 奥付の年代を見ると、自分が大人になってからもかなりの数の事件があったことがわかるのだが、正直にいうとそこまで麻薬や危険ドラッグなどを意識したことなどなかった。危険ドラッグとの戦いなど2010年代の話なのだが、そこまでニュースで取り上げられていたっけ・・という感じですらある。 一般の市民(といっていいかわからないが)が意識しない裏側で壮絶な戦いが行われているという意味において、まさに日本を裏で支えるという組織という感じがする。言い換えると、著者のような方がいるおかげで我々が意識せずに暮らすことができるのだろう。 ・・・ただ、この著者、明らかに「狩ること」を楽しんでるよなぁ。
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