マトリ の商品レビュー
【目的】 「マトリ」とはどんな職業なのか なぜ、薬物逮捕者が減らないのか どのようにして薬物と接してしまうのか 【内容】 知らぬ間に「運び屋」にされたり動く「薬物コンビニ」が存在し、売る人も普通の人がほとんど 日本で麻薬を取り締まる組織としては、薬物取締りを任務とする「マトリ」...
【目的】 「マトリ」とはどんな職業なのか なぜ、薬物逮捕者が減らないのか どのようにして薬物と接してしまうのか 【内容】 知らぬ間に「運び屋」にされたり動く「薬物コンビニ」が存在し、売る人も普通の人がほとんど 日本で麻薬を取り締まる組織としては、薬物取締りを任務とする「マトリ」、「警察」(警視庁等地方警察の薬物捜査専門部署)、「税関」(各税関の禁制品取締部門)、及び「海上保安庁」(各海上保安本部の密輸事犯取締本部署)の4機関があり、それぞれが専門性を生かした対策を講じている(p.19) 国連等国際機関の調査結果や各国の分析資料から、その取引総額は優に50兆円を超えていると推計できる(p.31) 世界の麻薬ビジネスの売上げは、既に国内の情報通信分野を超えている(p.31) 日本でも欧米諸国と同様に多くの薬物が出回っている。だが、実際に使用される薬物は覚醒剤が圧倒的に多い。日本では、犯罪組織が密輸・密売する薬物も覚醒剤が大半を占める(p.47) 【まとめ】 日本は最大の「覚醒剤市場」で、世界で毎年「243万人」も薬物使用者が急増中 マトリは、精鋭300名の薬物犯罪捜査専門組織で薬剤師、捜査官、行政官の顔をもつ
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違法薬物の実態や歴史、流れがすごく理解できたし、市場規模に愕然とした。また、日本の市場規模や蔓延の実態にも驚愕した。
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薬物犯罪捜査と医療麻薬等のコントロールに特化した専門家的公務員であり、約300名の精鋭からなるおそらく世界最小の捜査機関である厚生労働省麻薬取締官、通称「マトリ」。本書は、その実質上の本部である関東信越厚生局麻薬取締部部長等を歴任した著者が、知られざるマトリの実像を紹介。日本の薬...
薬物犯罪捜査と医療麻薬等のコントロールに特化した専門家的公務員であり、約300名の精鋭からなるおそらく世界最小の捜査機関である厚生労働省麻薬取締官、通称「マトリ」。本書は、その実質上の本部である関東信越厚生局麻薬取締部部長等を歴任した著者が、知られざるマトリの実像を紹介。日本の薬物犯罪を時系列で振り返りながら、それぞれの時代に麻薬取締官がどのような捜査を行ってきたのかを、著者の実体験からのエピソードを交えつつ解説している。 日本の薬物犯罪がどのように変遷してきたのかや、麻薬取締官はどのような捜査をしているのかなどについて、普段薬物犯罪があったときの新聞報道くらいでしか知らなかったので、とても理解が深まった。ドラマを見ているような臨場感のある描写が多く、読み物としても面白かった。 薬物犯罪は思っている以上に身近な存在であることに驚かされた。一方で、著者をはじめとする麻薬取締官の薬物犯罪捜査のプロとしての矜持を感じた。もぐら叩き的ではあるが、マトリの薬物犯罪撲滅に向けた尽力に敬意を表したい。
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激増する薬物犯罪に敢然と対峙するのが厚生労働省の麻薬取締官、通称「マトリ」だ。麻薬、覚醒剤、MDMAなど違法薬物の摘発、密輸組織との熾烈な攻防、「運び屋」にされた女性の裏事情、薬物依存の子供の救済、ネット密売人の正体の猛追、危険ドラッグ店舗の壊滅・・・元麻薬取締部部長が薬物事犯の...
激増する薬物犯罪に敢然と対峙するのが厚生労働省の麻薬取締官、通称「マトリ」だ。麻薬、覚醒剤、MDMAなど違法薬物の摘発、密輸組織との熾烈な攻防、「運び屋」にされた女性の裏事情、薬物依存の子供の救済、ネット密売人の正体の猛追、危険ドラッグ店舗の壊滅・・・元麻薬取締部部長が薬物事犯の実態と知られざる専門組織の実像を全解説。薬物犯罪撲滅のために明かされた本邦初の稀少なドキュメント。 「マトリ」の存在は知っていたし学生の頃に薬物の危険性については学んだので全く知識がないわけではなかったけれど、事件の裏側にあるイラン人の存在や国際郵便、ビットコインなどを利用した背景は実際に現場に立っている人間だからこそ書ける内容だなと思います。素人にも分かるよう簡潔に記載してあり入門には良かった。こんな大胆な手段を使うのかと怖くなったけど、これからも犯罪撲滅のために頑張ってほしい。もう少し人員増えるといいね。
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厚生労働省管轄の麻薬取締官を40年間勤め上げられたとあって内容は今まで知らなかった事実がたくさん。 麻薬との戦いが世間に知られることなく、でも確実に悪を駆逐するという意気込みで今日まで続けられていたことに敬服する。 危険ドラッグ販売店を壊滅に追い込むための途中、法規制が厳しくなり...
厚生労働省管轄の麻薬取締官を40年間勤め上げられたとあって内容は今まで知らなかった事実がたくさん。 麻薬との戦いが世間に知られることなく、でも確実に悪を駆逐するという意気込みで今日まで続けられていたことに敬服する。 危険ドラッグ販売店を壊滅に追い込むための途中、法規制が厳しくなり中身が水のリキッドを売るようになった…のくだりで「詐欺まがい」と書かれてたのがジョーク効きすぎてて笑った。
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自分は本業が新聞記者で、たまにライター、趣味で小説を書いています。 つまり日々、言葉を扱っている。 そのためか、46歳といういい年したおっさんにも関わらず、言葉を駆使してラップを歌う「ヒップホップ」というジャンルが大好き。 韻を踏む(ライミングと言います)という制約があるにもかか...
自分は本業が新聞記者で、たまにライター、趣味で小説を書いています。 つまり日々、言葉を扱っている。 そのためか、46歳といういい年したおっさんにも関わらず、言葉を駆使してラップを歌う「ヒップホップ」というジャンルが大好き。 韻を踏む(ライミングと言います)という制約があるにもかかわらず、いいフレーズ(パンチラインと言います)を聴くと、心底感激します。 一方で、ヒップホップ界には、「薬物」というダーティーな側面があります。 先日も、ジャパニーズヒップホップ界を長らく牽引してきたラッパーの「漢a.k.aGAMI」が、大麻取締法違反容疑で逮捕されたばかり。 その前には、テレビのバラエティー番組にも一時期、出演していたラッパーの「D.O」が同容疑で逮捕されています。 そんなわけで、薬物の問題に興味があって(薬物に興味があるわけではありません。断じて)本書を手に取った次第です。 日本の薬物犯罪と捜査の実態を、厚労省麻薬取締官(通称・マトリ)の立場で明らかにしたのが本書。 リアリティーはまさに圧倒的で、迫真性に富んでいます。 それよりも、日本にこれほど薬物が蔓延していたのかと愕然としました。 日本は世界最大の「覚醒剤市場」として知られ、各国の密売組織から狙われているそう。 さらに、インターネットでの密売が横行し、取り締まりが難しくなっている現実があります。 私はこれまで薬物を見たことすらありませんが、隣近所で薬物を使用していても不思議ではない状況なのでしょう。 本書では、マトリがどのようにして薬物事犯を捜査しているのかも、つまびらかにしていて、飽きさせません。 特に、かつて日本で一大勢力を築いたイラン人組織との攻防や、危険ドラッグ店を壊滅させた捜査は実にスリリング。 新書でこんな感動を味わったのは、初めてではないでしょうか。 さて、冒頭に紹介したラッパーの漢ですが、保釈後、今回の件についてYoutubeで謝罪しました。 アーティストとして一から出直すつもりだと。 期待しています。 と同時に、ヒップホップ界から薬物が一掃されることを願ってやみません。
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「マトリ」とは厚生労働省麻薬取締部および取締官を指す略称。 本書はそのマトリに38年間従事した著者の経験と、違法薬物の日本における歴史と現状を記した一冊。 実際の捜査に携わってきた人ならではの、事件描写のリアリティ、違法薬物の使用の悲惨さや、違法薬物に対する強い憤りが本書からひ...
「マトリ」とは厚生労働省麻薬取締部および取締官を指す略称。 本書はそのマトリに38年間従事した著者の経験と、違法薬物の日本における歴史と現状を記した一冊。 実際の捜査に携わってきた人ならではの、事件描写のリアリティ、違法薬物の使用の悲惨さや、違法薬物に対する強い憤りが本書からひしひしと伝わってきた。 本書によれば、違法薬物はインターネットや携帯電話の普及により、以前より入手しやすくなったことから、使用する人は若年層を中心に年々増える一方とのことだが、ぜひ本書が広く読まれるようになり、違法薬物へ気軽な気持ちで手を出さないよう、歯止めとなる事を強く期待する。
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厚労省麻薬取締官を40年にわたり続けてこられた方のノンフィクション。下手な刑事モノより迫力、怖さがあったし、ご苦労とかもつぶさに伝わった。
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名前は聞いていても、具体的に何をやってるかはなかなか分からない麻薬取締官。 その実情は凄まじい。 今後の捜査を考慮し細かく書けないとしつつ、ここに書かれた内容だけでも非常に濃密。冒頭の話から、まるでドラマを観てるかのように感じた。 薬物乱用防止はポスターなどで啓蒙されてるが、ある...
名前は聞いていても、具体的に何をやってるかはなかなか分からない麻薬取締官。 その実情は凄まじい。 今後の捜査を考慮し細かく書けないとしつつ、ここに書かれた内容だけでも非常に濃密。冒頭の話から、まるでドラマを観てるかのように感じた。 薬物乱用防止はポスターなどで啓蒙されてるが、ある程度以上の方はこの本も読むと、やってみようという気が起きなくなるのでは…と思う。
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「薬物禍」という言葉が耳目に触れる場面が時々在る。主に、何かの分野で著名な方が違法な薬物を所持、使用というようなことで逮捕されてしまうというような報道の場面であるが…そういう報に触れる都度、誰でも出来るというのでもないことを成して一定の名声も得た人が「何故?!」というように、誰で...
「薬物禍」という言葉が耳目に触れる場面が時々在る。主に、何かの分野で著名な方が違法な薬物を所持、使用というようなことで逮捕されてしまうというような報道の場面であるが…そういう報に触れる都度、誰でも出来るというのでもないことを成して一定の名声も得た人が「何故?!」というように、誰でも出来そうなことさえうまく出来ない場合も多々在るような自身は思ってしまう。そして、違法薬物の所持、使用で逮捕というのは“著名人”であったが故に報じられているのであろうが、それは恐らくは「氷山の一角」であろうとも思う。こういうような問題は「どういうことになっている??」と時々考える。 本書は“マトリ”という通称で一部に知られる「厚労省麻薬取締官」の仕事を40年間近くに亘って務めていたという筆者が、「違法薬物を巡る問題がどういうことになっている?」ということが判るように、「日本の薬物犯罪の変遷」、「薬物犯罪に対峙する取締部署の仕事の経過」というようなことで、或る種の“歴史”として読むことが出来るように纏めたものである。最終盤の辺りは「危険なモノから人々を護る」という仕事に携わる後輩達への応援、そしてそういう仕事に全力で取り組む人達が在ることを少し広く知って欲しいという呼び掛けの意味も籠っていたように感じた。 筆者は1980年代初めに「駆け出しの取締官」として大阪での任務を振り出しに活動を続け、2010年代に東京で「取締部長」を務めて退官しているようだが、1980年代初めから2010年代の約40年間では世の中が色々と変わり、“犯罪”と“犯罪への対峙”の方法等も変わっている。そういう現場の様子も、律義に「今後の現場に差し支えが無いように」と断りながら、現場を視ている人だけが判るようなリアルな感じで語っているのが本書の魅力でもある。電話連絡用に“10円玉”を何枚もポケットに入れて街を走り回ったという1980年代から始まって、ネットを利用する密売への対峙と時代は移ろう。様々な組織が国際的な連携までして非常に大掛かりな違法薬物密輸を手掛けている事例や、追跡し悪いようにドンドン巧妙化する密売の集団、“脱法”という地点から起こった危険ドラッグの密造等、色々な事例が上っている。 「困難な現場で真摯に働き続けた人」だけが発することが出来るような言葉で綴られた一冊で、強く引き込まれるものが在り、大変に興味深く読了に至った。
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