怪物 の商品レビュー
無彩色寄りだった前2作と比べて、禍々しい赤と黒の表紙が印象的。ブッツァーティが作家として活動した期間全体から選ばれた18作品が収録された短編集。 衰弱から起こる変身や、避けようのない破滅などブッツァーティがよく用いた要素はありつつ、よりじわじわ追い詰められるような雰囲気の作品が...
無彩色寄りだった前2作と比べて、禍々しい赤と黒の表紙が印象的。ブッツァーティが作家として活動した期間全体から選ばれた18作品が収録された短編集。 衰弱から起こる変身や、避けようのない破滅などブッツァーティがよく用いた要素はありつつ、よりじわじわ追い詰められるような雰囲気の作品が多かったように思う。気付かないうちに今までの日常から逸れていってしまっている、とか、奇妙なものを奇妙なまま置いて生きていくしかない違和感、みたいなものを感じた。 好きだなと思った話は、エッフェル塔建設を舞台に起こる、バベルの塔物語「エッフェル塔」。人間の猜疑心と時間の残酷さを描いた「五人の兄弟」。ほんのりミステリー風味も感じる「密告者」あたり。
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今回も面白かったけど今まで読んできたブッツァーティの中では一番ささってこなかったかもしれない、個人的には。 一番好きだったのは『可哀そうな子!』。 この手法のものは他にもそこそこ読んだことあるけどやっぱり好きだな。 たった一言のインパクトのでかさ。 あとは『ラブレター』、『五...
今回も面白かったけど今まで読んできたブッツァーティの中では一番ささってこなかったかもしれない、個人的には。 一番好きだったのは『可哀そうな子!』。 この手法のものは他にもそこそこ読んだことあるけどやっぱり好きだな。 たった一言のインパクトのでかさ。 あとは『ラブレター』、『五人の兄弟』、『密告者』が好きかな。 ブッツァーティお得意の、無駄に時間を浪費してしまうことや取り返しがつかないことへの恐怖と後悔があらわれてる話がやはり多かった印象。
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ブッツァーティの幻想世界を存分に楽しめる短編集です。全3巻ですがこちらの短編集が1番面白く感じました。
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短篇集。1、2巻と同じく、3巻もよかった。時間とか人生の残酷さも感じてしまうことになるけど… 「可哀そうな子!」は個人的にこういうオチに弱い。誰かが愛せばよかったのに…そうはならなかったのがつらい…。
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どういう訳だか、見掛けると手にしてきたこのシリーズ。そもそもこの人誰だっけ?「タタール人の砂漠」の人か。そうかイタリアなのね。勝手にヨーロッパで人種的に迫害されて、とかそういうイメージ持ってた。本編。現代のもあるが、昔の設定もあり、この辺りがさすが知識人という感じ。理解できてない...
どういう訳だか、見掛けると手にしてきたこのシリーズ。そもそもこの人誰だっけ?「タタール人の砂漠」の人か。そうかイタリアなのね。勝手にヨーロッパで人種的に迫害されて、とかそういうイメージ持ってた。本編。現代のもあるが、昔の設定もあり、この辺りがさすが知識人という感じ。理解できてない篇もあるが、わかるやつは面白い。人嫌い、の印象。人の揚げ足取るのが生き甲斐、新人捕まえては自分の嫌いな人物を一方的に悪く言う、そういう悪意に苛まれた人間の、さが、というか、愚かさが表現されてるかな。川に浮かんだゴミみたいなさ。。。
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