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動物に「心」は必要か の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2023/08/15

動物が何を考えているのか、人間とはどう違うのか。ずっと知りたいと思っているのでこういうタイトルの本は思わず読んでしまうのだが、考えてみると妙なタイトルだ。「必要」とは誰にとって? 必要かどうかを決めるのは誰? それにはどんな意味がある? よくわからないまま読み始めて、結局よくわか...

動物が何を考えているのか、人間とはどう違うのか。ずっと知りたいと思っているのでこういうタイトルの本は思わず読んでしまうのだが、考えてみると妙なタイトルだ。「必要」とは誰にとって? 必要かどうかを決めるのは誰? それにはどんな意味がある? よくわからないまま読み始めて、結局よくわからないままだったのだが、解題はともかく、人間の心理学、動物の心理学、進化論、動物と人間の関わりに関する哲学の入り口まで、豊富な研究を例に引きながら誘導してくれるのが面白く、そのまま読み通した。著者略歴にイグ・ノーベル賞を受賞したとあるので、調べてみたら、ハトにピカソとモネの絵を判別させる研究をした人だと知った。その話は本書には出てこないが、読んでみたいな。

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2023/03/08

この本を手に取った動機は、本書にワンちゃんニャンちゃんを溺愛している人間を小馬鹿にした内容が詰まっていると期待していたからである。期待は裏切られた。内容は心理学者列伝だった。 面白かったところは、かつて日本人が南アフリカで「名誉白人」だった。の注。別役実さんの「けものづくし」っ...

この本を手に取った動機は、本書にワンちゃんニャンちゃんを溺愛している人間を小馬鹿にした内容が詰まっていると期待していたからである。期待は裏切られた。内容は心理学者列伝だった。 面白かったところは、かつて日本人が南アフリカで「名誉白人」だった。の注。別役実さんの「けものづくし」っぽい →西洋人はこの手の話が好きだ。英国では一九八六年に法律で、ある種のタコを「名誉脊椎動物」にし、ムール貝やロブスターと違って、生きたまま茹でてはいけないとしている。

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2021/06/08

動物心理学の歴史を踏まえつつ「人間と同じ」とみなして動物の心を解き明かそうとする手法=擬人主義を問題視した著作。

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2021/06/02

本書における擬人主義批判の好例として挙げられるのが賢馬ハンスの例である。これは、計算できるとして話題になった馬が、実は飼い主や観客の微細な反応を察知して正解を導いていたという有名なエピソードだ。本書の多くは実験心理学の歴史を振り返ることで、擬人主義の起源とその問題点を探ることを目...

本書における擬人主義批判の好例として挙げられるのが賢馬ハンスの例である。これは、計算できるとして話題になった馬が、実は飼い主や観客の微細な反応を察知して正解を導いていたという有名なエピソードだ。本書の多くは実験心理学の歴史を振り返ることで、擬人主義の起源とその問題点を探ることを目的とし、行動主義の発展によって衰退したはずの擬人主義が、近年において復活しつつあると指摘、危険視する。 第13章にある、「この本が問題にしているのは、擬人主義一般ではなく、動物行動の研究方法としての擬人主義である」という説明とそれへの批判には納得できる。ただ、直後の第14章ではこの宣言を自らあっさりと翻し、「擬人主義はロマン主義・浪漫主義と同根」で、ナチの動物愛護などを引き合いに、戦争賛美を生み出したとするロマン主義や感情主義を、それこそ感情的に全否定する主張には首を傾げてしまう。 「動物行動研究における擬人主義批判」という学術的なテーマを看板に掲げながら、ところどころに放談とも言えるような社会一般や他の学問分野に対する私見が多く、半ばエッセイのようでもある。個人的には、テーマや本文の流れとは関連の低い知識や意見をひけらかすような態度からは、著者のなかでくすぶる自尊心や社会に対する私怨による示威行為こそが、本書の動機ではないかと訝しく思ってしまった。巻末の自著解題で明かされる書名の意味についても、人間を含む動物全般に「独立変数としての心」は存在しないという結論で、欺瞞のようなタイトルの種明かしにも不信感が募った。 安易な擬人主義を戒めるためのリマインドとしては受け入れられるものの、全体に染み渡る著者の毒気に当てられる読後感に終わった。

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2021/04/13

心理学史、進化論から始まり、ちょっと自分には難しい本かなと思いながら読み進めたら、最後に各章を入れた理由があり、本全体を見返すことができて、納得できた。 なんだろう、ときどき私情が挟まるようなこともあるけど(某国を歴史が浅いとか笑)、擬人主義の発生素地に浪漫主義や唯物論と絡めてい...

心理学史、進化論から始まり、ちょっと自分には難しい本かなと思いながら読み進めたら、最後に各章を入れた理由があり、本全体を見返すことができて、納得できた。 なんだろう、ときどき私情が挟まるようなこともあるけど(某国を歴史が浅いとか笑)、擬人主義の発生素地に浪漫主義や唯物論と絡めている箇所が一番面白かった。

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2021/03/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルの軽さに惹かれて手に取ってみたものの、もう少し勉強してから読まないと理解しきれない気がした。内容はともあれ、そもそも文章があまり面白くなかったのが残念。

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2020/08/23

昔は(といってもつい最近)動物裁判が行われていたらしい。責任能力が動物にあると考えられていたようだ。動物がペットなどの場合、飼い主に管理責任はなかったようだ。 動物の擬人化に関する論考。

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2020/07/26

 大学の教養科目ですら心理学を履修せず知識ゼロの者でも何とか分かる内容だった。軽妙な語り口ではあるが、低俗な内容ではなく、読み応えがあった。  前半は心理学発展の歴史的な概要である。簡潔にまとめられており、時折り入る著者の持論が面白い。本書のテーマは後半からなので、心理学の素養...

 大学の教養科目ですら心理学を履修せず知識ゼロの者でも何とか分かる内容だった。軽妙な語り口ではあるが、低俗な内容ではなく、読み応えがあった。  前半は心理学発展の歴史的な概要である。簡潔にまとめられており、時折り入る著者の持論が面白い。本書のテーマは後半からなので、心理学の素養のある方は後半から読めば足りると思われる。  ヒトは自己を通してしか他者を理解できない。一方で、社会性動物として、知的動物として、他者を理解しようと試みる。ヒトが進化の過程で身につけた性質が擬人化の根源である。  単なる社会的な認知方法である擬人化的手法を「科学」のように扱いだしたら要注意である。動物が何に苦痛に感じるかを科学が目に見えるかたちで示すことは可能だろう。科学は擬人主義という生物学的制約からヒトの理性を解放するものでなければならない。  本書では最後に科学的見地とは異なる哲学的見地の「動物」についても言及される。「動物」とは「ヒト」とは何か、「人」権を認められるべきものは何か、といった問いは科学的見地とは別に、社会的な合意によって定められるものである。  それをあたかも科学が合理的に線を引けるかのごとく期待する風潮を昨今感じる。進化論、優生学、動物福祉論は取り扱いに大いに注意を要するものであり、社会と科学の棲み分けを互いに自覚せねばならないと改めて思った。

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2020/04/01

分かりづれー。 タイトルが軽い感じなのと違って、相当専門用語が躊躇いなく出てくる、心理学史を含めた著作。 人の心とは何か、動物の「心」を人の主観から考えるのは正しいのか、逆に、動物の行動から人の心理を説明できるのか、人と動物との境はなんなのか、では、機械に「人格」はあり得るのか...

分かりづれー。 タイトルが軽い感じなのと違って、相当専門用語が躊躇いなく出てくる、心理学史を含めた著作。 人の心とは何か、動物の「心」を人の主観から考えるのは正しいのか、逆に、動物の行動から人の心理を説明できるのか、人と動物との境はなんなのか、では、機械に「人格」はあり得るのか。 そんな話だと思うんだが、なんつても、頭に入らん。 初学者向けに書かれたものだと思うが、初心者向けではない。

Posted byブクログ