生まれてきたことが苦しいあなたに の商品レビュー
「人生に意味はない」という考え方にほっとするとは目からウロコだった。 「すべての悩みは他者との関係にある」と言ったのはアドラーだったが、他者に関わらず、理想の自分、「あの時ああしていれば」、「あの時あれをしなければ」という仮定、世の中の「平均」等、不安や苦しみのネタの全ては「比...
「人生に意味はない」という考え方にほっとするとは目からウロコだった。 「すべての悩みは他者との関係にある」と言ったのはアドラーだったが、他者に関わらず、理想の自分、「あの時ああしていれば」、「あの時あれをしなければ」という仮定、世の中の「平均」等、不安や苦しみのネタの全ては「比較」にあるのではないか。 そういったもの全てを包含する「人生」に「意味なんてない」と考えてしまうことによって、「俺の人生こんなはずはない」という呪縛から解かれ、一気に気が楽になる。
Posted by
最強のペシミスト・シオランの思想を紹介した本書。 読み始めは人生の虚しさ、生きることの苦しさを強く味わっていたが、シオランの生きることに抵抗する試みが中途半端に終わっていくことを見る中で、段々と違う感情が浮かんできた。 確かに人生は虚しい。だから人生は結局暇潰しに過ぎない。全てが...
最強のペシミスト・シオランの思想を紹介した本書。 読み始めは人生の虚しさ、生きることの苦しさを強く味わっていたが、シオランの生きることに抵抗する試みが中途半端に終わっていくことを見る中で、段々と違う感情が浮かんできた。 確かに人生は虚しい。だから人生は結局暇潰しに過ぎない。全てが余暇なら楽しんでしまった方がいいや。 シオランも筆者もそのようなことを伝えたかったのではないかもしれないが、私にはそのように思えてとにかく楽になった。 本書の帯に「"生きることを嫌う"からこそ、あなたの人生は楽になる」とある。 "生きることを嫌"ったことが原因かはわからないが、確かに楽になった一冊であった。
Posted by
1:怠惰、から炸裂している。反出生主義的だが、さらに意義深い。 2:自殺、もよい。論点が豊かだ。 5:人生のむなしさ、も心惹かれる。 シオランという思想家を初めて知ったが、その生き様、思想の軌跡は私にとって計り知れない思索の糧をもたらしてくれた。
Posted by
生まれてきたことが苦しいあなたに 最強のペシミスト・シオランの思想。大谷崇先生の著書。悲観主義で生きるよりは楽観主義で生きる方がきっと楽。でも本当の意味での楽観主義を知り、楽観主義を極めるためには、悲観主義を知り、悲観主義を極めることが必要だと思う。最強のペシミスト・シオランの思...
生まれてきたことが苦しいあなたに 最強のペシミスト・シオランの思想。大谷崇先生の著書。悲観主義で生きるよりは楽観主義で生きる方がきっと楽。でも本当の意味での楽観主義を知り、楽観主義を極めるためには、悲観主義を知り、悲観主義を極めることが必要だと思う。最強のペシミスト・シオランの思想を学ぶことは楽観主義者への道なのかも。
Posted by
なぜかハマらなかった。言っていることのスケールがでかいのか、身近な感じがせず、共感することがなかったというか。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あ、シオラン関連書なんて珍しい★と図書館へ予約を入れたが、届いてビックリ。ラノベな装丁もさることながら(著者もあとがきで愚痴ってるけど)このタイトルはないよなあ。オバさんは返却するのが恥ずかしいじゃないか。何考えてるんだ、星海社。シオランをさおだけ屋と一緒にするなよ…ってアレは光文社か。 改めてシオランの生涯をさらうと、意外に健全。自転車旅行に長時間の散歩。そうか、80年代〜90年代前半って、日本でプチブームだったのか。ドンピシャだった自分に今更ながら唖然とした。尚、本題のペシミズムについてはノーコメントとさせて戴きます、悪しからず。 著者は早稲田のドクター在籍中でルーマニア留学中…ん?10年前に大学3年生??お幾つ?まあ哲学者は社会が食わせていくモンだろうけど…いい身分やなあ。
Posted by
ほぼタイトル買い。シオランやペシミズム自体、今回の本で初めて触れました。冒頭はシオランの生涯を繙く。第1部では『怠惰と疲労』『自殺』『憎悪と衰弱』『文明と衰退』『人生のむなしさ』『病気と敗北』をトピックに挙げシオランの思想を紹介。第2部では「批判編」としてシオランの思想が一体どう...
ほぼタイトル買い。シオランやペシミズム自体、今回の本で初めて触れました。冒頭はシオランの生涯を繙く。第1部では『怠惰と疲労』『自殺』『憎悪と衰弱』『文明と衰退』『人生のむなしさ』『病気と敗北』をトピックに挙げシオランの思想を紹介。第2部では「批判編」としてシオランの思想が一体どういうものなのかを批判的に展開していく構成となっています。とにかく読んでて面白い。特に『自殺』『人生のむなしさ』『病気と敗北』は共感しかなかった。第2部ではシオランの失敗、挫折、中途半端な思想家であることを軸にペシミズムを論じていく。結局、ペシミズムは幾ら生を厭うていても、生きざるを得ないということだ。『生への憎悪であるペシミズムは、自分が消滅させたがっているものを憎むことによって、生を消滅どころか復活させてしまう』という反転矛盾した結論に至ってしまう。その点がとても面白くて感じられたし、興味深い。著者があとがきで書いているように「彼を求める人とは、いわば自分の毒を持てあますあまり、もっと強い毒を摂取しないとおかしくなってしまう人たち」は生きることに違和感を覚えている人たちだ。失敗した、挫折した、中途半端な思想家、ペシミストであるシオランの言葉に触れることで何かが見えてくると思う。シオランの本は読んでみたい。
Posted by