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巴里マカロンの謎 の商品レビュー

3.9

234件のお客様レビュー

  1. 5つ

    48

  2. 4つ

    92

  3. 3つ

    68

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    0

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2020/03/01

ここにあるべきではない四番目のマカロンの謎、マスタードが入った当たりのあげパンの行方。なぜかスイーツがらみの謎に巻き込まれがちな、小鳩君と小佐内さんの探偵行。「小佐内先輩が拉致されました!」「えっ、また?」お待たせしました、日々つつましく小市民を目指す、あの互恵関係のふたりが帰っ...

ここにあるべきではない四番目のマカロンの謎、マスタードが入った当たりのあげパンの行方。なぜかスイーツがらみの謎に巻き込まれがちな、小鳩君と小佐内さんの探偵行。「小佐内先輩が拉致されました!」「えっ、また?」お待たせしました、日々つつましく小市民を目指す、あの互恵関係のふたりが帰ってきます。人気シリーズ11年ぶりの最新刊、書き下ろし「花府シュークリームの謎」を含めた番外短編集。四編収録。 雑誌は全部買っていたのでもう11年もたつの!?とびっくり。短編集ですが3編はリンクしていてまとまりがある印象。どれも面白かった~~!小佐内さん可愛いよおお!!一番好きだったのは書き下ろしかな。こういう複雑でビターな感情を描くのが米澤先生の真骨頂だと思っているので。そういう意味ではマカロンも闇属性あるけど。小鳩くん小佐内さんのタッグが光る場面もあったし、表紙も可愛くて大好きな小市民シリーズですが、冬期限定もまだかなああーー。早くも待ち遠しいですが、それでも首を長くしてずっと待っていようと思える作品。

Posted byブクログ

2020/03/01

小市民シリーズ最新作。今作は小鳩くんと小山内さんの一年の間に起こった様々な日常の謎を、スイーツを添えて送る連作短編となっている。久しぶりの小市民シリーズではあるのだが、その甘くも苦い筆致は少しも衰えておらず、その謎のどれもが魅力的である。どれもが単独では謎のスケールそのものは小さ...

小市民シリーズ最新作。今作は小鳩くんと小山内さんの一年の間に起こった様々な日常の謎を、スイーツを添えて送る連作短編となっている。久しぶりの小市民シリーズではあるのだが、その甘くも苦い筆致は少しも衰えておらず、その謎のどれもが魅力的である。どれもが単独では謎のスケールそのものは小さくはあるのだが、外的要因や証言などによる変数、そして状況設定によって立派な謎として成立しており、この辺りに作者の本格への敬意といたずら心を感じることができる。また小市民シリーズは探偵役たる小鳩くんの己の性向に対する自嘲があるが、これが現実における探偵役の需要やその影響力、関わった人間の顛末などを思い返すと非常に胸に迫るものがあり、早く中学時代の小鳩の話、つまりは過去エピソードを読みたいと痛切に願ってしまった。 個人的に一番を挙げるならやはり「伯林あげぱんの謎」で、マスタード入りのあげぱんを食べたのが誰か?という犯人宛てなのだが、これが意外にも入り組んだ謎となっており、単純な犯人宛てだと思うと足元を掬われる出来である。パズラーとしても秀逸であり、最初の前提条件をきっちり踏まえた上で各々の証言を照らし合わせて浮かび上がる真相は意外な角度からのロングパスであり、読者への挑戦状となってはいたものの、終幕一歩手前にならないと当てられなかった。 バランスが最もいいのは表題作の「巴里マカロンの謎」であり、こちらは動機、手がかりの配置、その解に至るまでの手続きがシンプルなだけに非常に分かりやすい。ほんのささいな状況の謎を論理でじっくりと詰めていく様は往年のミステリの息吹を感じられる。 「紐育チーズケーキの謎」は文化祭という場所ながら、遺失物をめぐるトラブルが実にスリリングで、消えたCDの所在に加え、それに対する小山内さんの暗躍の意図を探るという二重に贅沢なミステリである。また真相が表題のお菓子とも関連しており、スイーツであることの意味がちゃんと伝わる名作である。 書き下ろしの「花府シュークリームの謎」は書き下ろしだが、これらの連作を束ねる終幕としての意味もさることながら、連作を通じて関わってきたパティスリーの娘という脇役が実にいい味を出していて、また生じた謎も他の短編とは違う悪意に満ちたものであるのが非常に良かった。解に至るまでの導線が素晴らしく、謎が浮いておらず、物語にちゃんと組み込まれている点も評価が高い。オチはとても美しく、謎と綺麗な写し鏡になっており、お節介焼きの探偵という小鳩の自重や小山内の遠慮に対する一応の解答になっており、シリーズのファンとしてもニヤリとする出来だろう。 総じてクオリティの高い本作だが、出たばかりだというのに早くも続きを読みたくなってたまらない。次は11年と言わず、数年後には出て欲しいと信じ、今日のところは筆を置く。

Posted byブクログ

2020/02/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

目次 ・巴里マカロンの謎 ・紐育チーズケーキの謎 ・伯林あげぱんの謎 ・花府シュークリームの謎 11年ぶりのシリーズ新作。 楽しみにしていたのでわくわく読み始めたのですが、いや、読んでいて楽しいのですが、謎…こんなに簡単だったっけ? 小山内さんの闇、薄まってない? ところが最後まで読むと、やはり小山内さんはちょっとブラックだし、謎も…うん、まあ…。 っていうか、私は最初から小鳩君のことも小山内さんのことも嫌いではない。 賢らなことを口にする癖があろうと、思考がブラックだろうと。 この二人の噛みあっていない会話と、息のあった行動が読んでいて愉快。 それにしても冬季限定のスイーツを考えずに、外国の都市名+スイーツの謎で短編集を出していけば、このシリーズは無限に続くね。 安心しました。

Posted byブクログ

2020/02/29

「そう、小鳩くんはこしあんなのね。わたしたちがもう少し親しかったら、シェアをお願いするところよ」 友人関係ではない、恋人関係でもない、互恵関係なふたりの日常ミステリ、小市民シリーズ待望の第4巻。四篇収録の中編集です。 互恵とは、それぞれが心に誓ったことを破らないためにお互いを...

「そう、小鳩くんはこしあんなのね。わたしたちがもう少し親しかったら、シェアをお願いするところよ」 友人関係ではない、恋人関係でもない、互恵関係なふたりの日常ミステリ、小市民シリーズ待望の第4巻。四篇収録の中編集です。 互恵とは、それぞれが心に誓ったことを破らないためにお互いを見張り合い、また誓いを脅かす厄介ごとからお互いの身を守り合うこと、です。 手掛かりはすべて作中に提示される類のフェアなミステリ小説ですが、面白くてページをめくる手が止まらないので謎を解くヒマが無いのが難点。 ふたりの関係性がなんか可愛くてですね。 発売日に買ったのに他の本に押されて今頃までかかってしまった。 タイトルが「冬季限定」でないのはなぜだろう。   パリ ①巴里マカロンの秘密 (小佐内さん待望の)パティスリー新規出店に出向いたふたりが、ちょっと目を離したすきに一つ増えてしまった皿の上のマカロンの謎を解くお話。 ニューヨーク ②紐育チーズケーキの謎     コスモス マカロン事件で知り合った中学生、秋桜に誘われて文化祭へ出かけたふたり。 突然小佐内さんがさらわれてしまった(また)!さらわれた小佐内さんはどこに?誘拐犯が探していたCDはどこへ消えてしまったのか?チーズケーキは別に謎じゃないのね!  ベルリン ③伯林あげぱんの謎 新聞部が、記事のために自分たちで食べたロシアンルーレットあげぱん(一つだけ超辛い)。しかし部員の誰もが、当たりを引かなかったと言い張っている。 誰かが嘘をついているのか、それとも…? 冒頭、小佐内さんが涙を浮かべているシーンが、儚くてかわいくて、心情を想像すると可哀そうで、でもふふっと微笑んでしまうような印象的な場面でした。 フィレンツェ ④花府シュークリームの謎 秋桜が、無実の罪で停学になったとのSOSを小佐内さんに送ってきた。ふたりは彼女の無実を証明しようとする。解決はややビター。シュークリームも別に謎じゃなかったね…。 というお話でした。 一番謎解きっぽくて面白かったのはあげぱんでした。 小鳩君と一緒に考えながら読みました。 ミステリ作家って、米澤穂信以外は追いかけてないんだけども、日常の謎モノはもうちょっと読んでみたいとずっと思ってます。 あれ、小佐内さんが復讐しなかったですね。だから限定じゃなかったんでしょうか。秋季限定読んだの11年前だから、全部復讐してたかどうか忘れちゃったけど…。 パリ・ニューヨーク・ベルリンは読めたし変換できるけど、フィレンツェ花府は読めないし変換も出来ないよ!…と思ったら検索範囲内では出てこないな花府。英名フローレンスからの造語かしらん。

Posted byブクログ

2020/02/26

11年ぶりの続編って! 読み進めるうちに 主人公2人の「あの感じ!」が蘇ってきた。 短編で読みやすく、 サクサク面白く読めた。 タイトルに『冬季限定』がないのはなんでだろう?

Posted byブクログ

2020/02/26

帯に「11年ぶりシリーズ最新刊」とあったので、シリーズを全然読んでないけど…と迷いながら読んでみる。 全然心配無用だった。小佐内さんと小鳩君、二人のキャラクターがすんなり想像できて、お話も面白かった♡ 今は「シリーズ好評既刊」というのを読みたいような読みたくないような……

Posted byブクログ

2020/02/24

米澤穂信の小市民シリーズ、11年振り?の最新作! 今回も小山内さんに振り回され、スイーツ探訪を起点に日常の謎を解く羽目になってしまう小鳩常悟朗君の活躍を描いています。久々に小鳩:小山内コンビの妙を堪能しました。 古典部シリーズもですが、彼らはいつまで高校生なんだろう・・・ ちな...

米澤穂信の小市民シリーズ、11年振り?の最新作! 今回も小山内さんに振り回され、スイーツ探訪を起点に日常の謎を解く羽目になってしまう小鳩常悟朗君の活躍を描いています。久々に小鳩:小山内コンビの妙を堪能しました。 古典部シリーズもですが、彼らはいつまで高校生なんだろう・・・ ちなみに・・ 「巴里」と「紐育」は知ってましたが「伯林」と「花府」は読めませんでした(^_^;)

Posted byブクログ

2020/02/24

伯林あげぱんの謎 好きだなあ(笑) 待ちに待った小市民シリーズの最新刊! しかも「冬季限定」ではない! 米澤先生…次があるのなら 今度は何年も待たせないでくださいね。

Posted byブクログ

2020/02/22

古典部より小市民派だったわたし。過去のエピソードはほとんど覚えてなかったけど、小山内さんと小鳩くんに久しぶりに会えて嬉しかった。むだにあざといよね笑。スイーツ欲しくなる。

Posted byブクログ

2020/02/20

このシリーズはそれほど好きでもなかったけど、今回は洒落た感じでよかった。新たな登場人物パティシエの娘に関わる四つの謎。

Posted byブクログ