「言葉」が暴走する時代の処世術 の商品レビュー
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・対面のコミュニケーションには言葉だけでなくノンバーバルな部分で補っているものがたくさんある。今はSNSに代表されるようなテキストメッセージの誕生によってノンバーバルを削ぎ落とした単なる言葉がコミュニケーションに使われている。 ・単なる言葉は文脈や意図すらも割愛してしまうことがあるから言葉が暴走してしまう。 ・生の会話をもっと大切にしようというのがこの本の趣旨であった。 以下覚書 ・目の前で起こっている状況よりもスマホの画面越しに見た世界にリアリティを感じてしまう。要するに当事者性が失われている。 ・言葉は使われた前後関係やどの作品に使われたのかで意味が変わってくるが、最近は意味を画一的に捉えようとする人が多い。 ・話し言葉が無味乾燥なテキストになることで本来伝えたかった思いや熱量が削ぎ落とされる。 ・アニミズム 動植物だけでなく無生物にもそれ自身の霊魂が宿っており、諸現象はその働きによるとする世界観。 問いを立てる能力が人間の特徴。 言葉は時空を越える。 ・言葉は自分が体験していないことを疑似体験することができるけど、結局体験しないと削ぎ落とされている思いや熱量はわからないから、興味を持ったら体験しに行け。 ・対話は白黒つけるのが目的ではなくわかりあうこと。 資本主義は世界を制覇した現代の宗教。 ・食べ物はもともと争いの原因だった。だから人と一緒にご飯を食べることは争い関係ではないという証明にうってつけである。 ・言葉にした時点で言葉の範囲内に感情が押し込められてしまう。 ・会話をする時には相手は自分と違うんだということを前提にしなきゃ始まらないが最近は相手と自分が同じだという前提でコミュニケーションを取ろうとする。 ・伝える技術を学ぶより理解したいと思われる人間になれ。 ・コミュニケーションは共感と関心。
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博識な二人だが、対談なのでとても読みやすい。 SNSが普及する今、コミュニケーションとは何なのか、幸せに生きるにはどう考えたらよいのか、といったことを考えさせてくれる。
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型にハマる方が綺麗なことも ➡︎着物きる、動き制限、綺麗な作法、食も食べすぎない。などなど 型は何百年と受け継がれている深みと重みがあるもの。逆の『思考』は1人で行うもので、太刀打ちできるわけがない。 戦うのは人間の性というが、違う。政治家は理屈のために言い続ける 共感 認...
型にハマる方が綺麗なことも ➡︎着物きる、動き制限、綺麗な作法、食も食べすぎない。などなど 型は何百年と受け継がれている深みと重みがあるもの。逆の『思考』は1人で行うもので、太刀打ちできるわけがない。 戦うのは人間の性というが、違う。政治家は理屈のために言い続ける 共感 認知症もその人独自でコミュニケーションを取ろうとしている
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書いてある内容は特に変わったことはない。言葉とは人と人とが関わるためのツールの一つでしかなくて、そこに頼りすぎるのは危険だと言う話。 特になんの変哲もない話でなぜ★4か、それはコロナウィルスの影響で広まるリモートワークのデメリットを再認識出来たから。 なんとなく声だけで会話するこ...
書いてある内容は特に変わったことはない。言葉とは人と人とが関わるためのツールの一つでしかなくて、そこに頼りすぎるのは危険だと言う話。 特になんの変哲もない話でなぜ★4か、それはコロナウィルスの影響で広まるリモートワークのデメリットを再認識出来たから。 なんとなく声だけで会話することに違和感を覚えていたが、それを明確に言い表してくれた気がした。 ただ、この言葉のデメリットに迫る対談集が、書き言葉の媒体に落とし込まれ、他にその対談の様子を知る術がないのは、些か滑稽。
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すごく示唆的な話が多かったように思う。 自分がここ最近考えていた現代的なテーマにリンクし、そういうものを考えるきっかけになった。 相変わらず太田さんがやさしくて、対談者の山極先生のゴリラの話はおもしろく、読みやすかった。 2020.3.10.
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関東の代表的なお笑い芸人である爆笑問題の太田光さんと京都大学総長・山極寿一さんの対談本です。山極さんが霊長類学・人類学者という事で専門のゴリラの話を踏まえながら、引きこもりや、SNS、戦争等について語られています。太田さん、彼の思想は本当に興味深いです。
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ゴリラと人間の決定的な違いは問いを立てること。言葉を持つ前から人間は問いを立てていたはずで、問いを立てる力は想像力に繋がっている。自分gあこれまで見てきた世界を頭の中でいくつも組み合わせることで、人間は問いを立てられるようになった。
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繋がりたいけど、離れていたいという、アンビバレンツな状況は常にあるもので、どっちもあり、その状況にその都度悩みながらも、その状況を受け入れていくことが、幸せにつながるのだと思いました。ある物事の表裏というのは、リアカーの両輪のようなで、それは正対するものではなく、並行するものであ...
繋がりたいけど、離れていたいという、アンビバレンツな状況は常にあるもので、どっちもあり、その状況にその都度悩みながらも、その状況を受け入れていくことが、幸せにつながるのだと思いました。ある物事の表裏というのは、リアカーの両輪のようなで、それは正対するものではなく、並行するものであるというのが私の持論です。
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以前は、対談本も、結構購入していたんですが、最近は、購入しないことにしています。立ち読みで十分かなと。失礼ですが、あまりにコスパが悪いと思います。それこそ、ネットで発表すればいいのに、、、と。まぁ、余計なお世話だと思いますが。 ただでさえ出版業界の規模が20年で半分になったのに、...
以前は、対談本も、結構購入していたんですが、最近は、購入しないことにしています。立ち読みで十分かなと。失礼ですが、あまりにコスパが悪いと思います。それこそ、ネットで発表すればいいのに、、、と。まぁ、余計なお世話だと思いますが。 ただでさえ出版業界の規模が20年で半分になったのに、何でも出版して、点数を増やして、、、おまけに、この本かなり薄いです。。。言葉を暴走させているのは、出版業界も変わらないんじゃないでしょうか。まぁ、集英社は安泰でしょうが。すみません、愚痴になりました。 この対談では、お二人ともSNSによるコミュニケーションの変化や現代社会で問題とされていることを、ざっくばらんに話している印象です。 一人は、文化人類学者、もう一人は、一流お笑い芸人、お二人とも、コミュニケーションを仕事にしているだけあって、と言うと誰もがコミュニケーションを仕事にしているので、難しいんですが、学術、教育世界に置いて傑出した業績を残し、もう一方は、観客のウケというシビアな世界で突出した人気を勝ち取っている人たちです。面白いに、違いなく、なるほどなと思う視点をいくつか知ることができました。以上になります。 ただ、あまり、お二人の問題意識が、うまくコラボしていない印象を持ちました。お二人とも話し手で、うまい聞き手じゃないという印象を持ちました。まぁ、うまい聞き手は、もう絶滅危惧種なので仕方ないですが。 スマホ、SNSの問題点は、それこそ学問分野の数だけあると思いますが、適当に言えば、リアルなコミュニケーションを求める寂しい人がなぜか、リアルな社会でリアルなコミュニケーションをせず(正確にいうと、できず)、ネット上に多くいること、その一方でリアルなコミュニケーションをそもそも求めてないよという人たちが、その寂しい人を相手にしているなど、ビジネス含めて、ごちゃごちゃに混ざりあっている印象があります。 自分をわかってもらい人が8割で、残りの2割は、そもそもリアルなコミュニケーションに関心がない人、自分をわかってもらいたい人が、わかってもらいたい人にアプローチするから、ややこしい問題が起きている感じがします。 私はデジタルネイティブ世代ではないですが、リアルでだめなら、ネットでもだめだろうと思います。デジタル世代なら、リアルな世界は面倒臭いと思うのではないでしょうか。両者がわかり合うことは、きっとないですし、人間同士理解し合えないというのは、誰でもわかっていることです。よって理解されたいという欲望でネットを使うなら、きっと痛い目に合うのではないかと思います。
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