経覚 の商品レビュー
室町時代中期、九条家に生まれ興福寺大乗院門跡を嗣いだ人物の伝記。足利義教に追放されるまでの前半生と後半生の対比、没落後を長く過ごした古市での生活の様子などからは応仁の乱を経て変化していく時代が感じられて興味深い内容だった。
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本書の主人公は関白九条経教の子で大乗院門主にして 兄の孝円の弟子、一条家と争い勝ち続けた大乗院門主 の地位に16才で就き僧侶としての研鑚も積み若くして 多くの立場についたのは血筋の良さだからである 興福寺別当に32才就くなり、大乗院に九条家の後継者 を据えるべく工作を始める(意外と強行する性格だ) 足利義教の覚えも良く力技も発揮するのであるが、時 代は風雲急を告げる・・・大和は難しい土地なのだ 中世の感覚なのか、経覚は『外聞実儀』という価値を 終生大事にした 世間の評判と道理の二つが満足させることを物事を決 める判断基準にしている 謎の中世人『楠葉西忍=ムスル』と昵懇になり息子共 々長く忠実な付き合いは読んでいてさわやかだった 応仁の乱前後の生の記録が現代に生きる(´・ω・`)
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